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3月24日(土)、村山由佳さんの最新刊『風は西から』が発売されました。
『天使の卵―エンジェルス・エッグ』『ダブル・ファンタジー』など、青春小説や恋愛小説を多く発表してきた村山さんですが、『風は西から』は“過労自死”というテーマを扱った社会派の作品です。
大手居酒屋チェーン「山背」の店長として働いていた健介は、ある日みずから命を絶ってしまいます。恋人の千秋が最後に受け取ったメッセージは、「ごめん」の一言だけ。
千秋と健介の両親は悲しみにくれながらも、健介の死の真相を知るべく調査を開始します。そこで明らかになったのは、「山背」が社員に課していた過酷な労働環境と、都合の悪い事実をことごとく隠そうとする同社の隠ぺい体質でした。
真実の究明と「山背」の社長からの謝罪を勝ちとるため、千秋たちは大企業を相手に戦い抜くことを決意します――。
物語の前半部分では、健介と千秋の恋愛模様が描かれています。おたがいの存在を励みにそれぞれの会社で努力し、仕事の合間を縫って気持ちを通わせる――ありふれているけれど、理想的な恋人の姿です。
それだけに「健介の自殺」というエピソードのインパクトは大きく、残された人々が悲しみを乗り越えて「山背」と戦う姿が胸を打ちます。
村山さんは、今作について以下のようにコメントしています。
『風は西から』
愛する者を亡くし、悲嘆と後悔に胸ふさがれて、
けれどその中から果敢に立ちあがり闘うひとたちを描いた物語です。
前半は苦しいかも知れませんが、最後には、
吹き抜ける風を感じて頂けると思います。タイトルはもちろん、奥田民生の曲から。
中にもしっかり登場します。
ぜひ。 https://t.co/d5tlxhJ2F8— 村山由佳(時々もみじ) (@yukamurayama710) 2018年3月26日
小さな個人の思いが、大企業、ひいては社会をも動かす。そんな「人間の強さ」を感じることができる物語です。
すべての企業人に関係するテーマを描いた『風は西から』。「働き方改革」が叫ばれる昨今、ぜひ本書をお手に取ってみてください。