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3月16日(金)、須賀敦子さんの『主よ 一羽の鳩のために──須賀敦子詩集』が河出書房新社より発売されます。
本書は須賀さんの没後20年にして発見された、貴重な未発表自筆詩稿44篇を収めた一冊です。
須賀さんは1953年よりパリ、ローマに留学し、その後ミラノに在住。政治活動の拠点であり、知識階級が集うコルシア書店で後に夫となるジュゼッペ・リッカ(ペッピーノ)と出会い、彼とともに日本文学のイタリア語訳に取り組みました。
しかし、夫が急逝し42歳で帰国してからは、大学で教職に就きながらイタリア語の翻訳者として活躍します。61歳の時にはデビュー作『ミラノ 霧の風景』で講談社エッセイ賞、女流文学賞を受賞。随筆家としても、いまなお根強い人気を誇っています。
今回収録される未発表原稿は、プライベートな遺品として保管されてきた資料を、旧知の編集者が整理する中で発見したもの。和紙やタイプ用紙などに主に鉛筆で書かれており、記された日付から、須賀さんがローマ留学中の1959年1月から12月までのもの(当時30歳)と判明しています。
収められた作品はいずれも、真摯な求道の姿が平易でやわらかな表現の奥に感じられる美しい詩篇ばかりです。
▼発見された詩篇の一部
▼詩篇と同時に発見された詩作ノートまた上の詩作と同時期に訳したと思われる、コルシア書店の創設者で詩人としても名高いダヴィデ・マリア・トゥロルド作品の翻訳原稿も発見されています。この原稿は、今年6月より刊行開始の海外文学コレクション『須賀敦子の本棚 全9巻』に収録される予定です。
▼発見された翻訳原稿
〉新発見の翻訳原稿が収録される『須賀敦子の本棚(全9巻)』の特設ページはこちら