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2017年7月16日(日)、映画監督のジョージ・A・ロメロさんが77歳で亡くなりました。
今日、映画やゲームなどですっかり市民権を得た“ゾンビ”。起き上がってヨタヨタと歩く死体……、噛まれると伝染する……。そんな、今誰もが思い浮かべるゾンビ像を作り上げたロメロさんは、“ゾンビ映画の巨匠”として知られています。
特に、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(1968年)、「ゾンビ」(1978年)、「死霊のえじき」(1985年)の3作は“ゾンビ三部作”と呼ばれ、後世のゾンビ映画に大きな影響を与えました(ただし、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」には“ゾンビ”という言葉は登場せず、歩く死者は作中で“グール”と呼ばれています)。
また、近年も「ランド・オブ・ザ・デッド」(2005年)、「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」(2007年)、「サバイバル・オブ・ザ・デッド」(2009年)といったゾンビ映画を精力的に制作。こちらは“新しい三部作”として「ロメロ健在」を世に知らしめました。
今年5月には最新作「ロード・オブ・ザ・デッド」の制作を発表していたロメロさん。残念なことに、その完成を待たずしての訃報でした。
11月24日(金)、そんなロメロさんが生前に携わったゾンビ小説アンソロジー『ナイツ・オブ・ザ・リビングデッド 死者の章・生者の章』が発売されました!
『ナイツ・オブ・ザ・リビングデッド』は、アメリカ人作家ジョナサン・メイベリーさんとロメロさんの共同編著によるもの。
メイベリーさんは、アメリカのホラー作家協会主催のブラム・ストーカー賞を5回受賞しており、“ゾンビもの”の作品も多数発表しています。『ナイツ・オブ・ザ・リビングデッド』の企画は、「ゾンビにまつわる小説を集める」というコンセプトのもと、メイベリーさんがロメロさんに持ち掛けたのだそうです。
ロメロさん、メイベリーさんを含む19人の作家が本書に作品を提供。執筆にあたり、“ゾンビ”に関するルールは決められているものの、細かいガイドラインは存在せず、それぞれの作家性が色濃く出た作品が集まっています。
「死者の章」には、ロメロさんによる「身元不明遺体」を収録。死体解剖室を舞台に、検死官と美人助手のやり取りを描いた短編は、まるで大作映画の序章のようなムードに満ちています。本書の刊行後にロメロさんは急逝。本作が、ロメロさん最後の小説となりました。
今回発売された日本版には、参加している作家たちによる、ロメロさんへの追悼文が特別収録されています。
映画ファン、ホラーファンはもちろん、ゲームやテレビドラマから“ゾンビの世界”に入門した方もぜひ手に取ってみてくださいね。