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2017年10月から、秋クールのTVアニメがスタートしています。2017年秋アニメも、漫画原作のタイトルが豊作。その数は約30本にものぼります(漫画原作の秋アニメ番組一覧はこちら)。
原作漫画の売上は、アニメの人気のバロメーター。というのも、原作漫画の売上は、アニメの放送が始まったタイミングで大きく跳ね上がり、アニメの人気が高いほど原作漫画の売上も大きく跳ねるのです。7月から9月にかけて放送された夏アニメの作品では、『賭ケグルイ』や『恋と嘘』『ナイツ&マジック』『はじめてのギャル』『メイドインアビス』などが売れ行きが好調でした。
それでは、秋クールのアニメではどの作品が売れているのでしょうか? これまで同様に、単行本第1巻のアニメ開始月(10月)の売上冊数を調査し、上位5作品を発表します。
あわせて、アニメ放送前月(9月)と比べて、売上が何倍に伸びているのかも調査しました。
※第2期以降のタイトルは除きます。
※「漫画原作のアニメ」には、小説などのコミカライズを含みます。
※売上の調査・比較には、いずれも「日販 オープンネットワークWIN」のデータを使用しています。
※読者層の調査には「日販 WIN+」のデータを使用しています。
アニメ開始月に最も売れたのは、『ブラッククローバー』でした。
『ブラッククローバー』は、「魔法がすべて」の世界にもかかわらず、生まれつき魔法が使えない少年・アスタが、魔道士の頂点である“魔法帝”を目指すという王道のファンタジー漫画。現在「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて連載中です。
魔法は使えないけれど、前向きで、高い身体能力と熱いハートを持っているアスタ。そして、圧倒的な魔法の才能をもつクールなユノ。対照的な2人が同じ夢を目指して進むというまさに王道のストーリーは、アニメでもしっかり人気を集めています。スピーディーで迫力のあるバトルシーンも必見です!
単行本第1巻の10月の売上は、9月の5.3倍! アニメ化を機に一気に読者を拡大し、その後も高い売上水準を維持しています。
世代を見てみると読者は10~20代がピークで、男女比は6:4。同じく「週刊少年ジャンプ」連載作である『僕のヒーローアカデミア』の購入層に、多く買われているようです。
なお単行本は、現在第13巻まで発売中。12月4日(月)に第14巻が発売される予定です。
第2位は『魔法使いの嫁』となりました。
『魔法使いの嫁』は、“人ならざるもの”が見える体質のために孤独な人生を送ってきた日本人の少女・チセと、チセを買った異形の魔法使い・エリアスとの生活を描いたファンタジー漫画。現在「月刊コミックガーデン」(マッグガーデン)で連載されています。
海外の児童文学のようなあたたかい雰囲気はアニメでも再現されており、ハイクオリティな美しい映像は見事。竹内良太さんが演じたことでエリアスの色気がさらに増しており、「師弟」とも「親子」とも「恋人」ともとれるチセとの微妙な距離感に、キュンキュンする女性が続出しています。
単行本第1巻の10月の売上は、アニメ放送前の9月に比べて3.6倍。「魔法使いの嫁 星待つひと」ですでにアニメ化を果たしてはいましたが(第6巻~第8巻の特装版にDVDが封入)、TVアニメ化でさらに売上を伸ばしています。
読者の年齢層は20代がピークで、男女比は6:4。アニメ放送後は、30代以上の女性にも読者が広がっています。
なお『魔法使いの嫁』の単行本は、現在第8巻まで発売されています。
第3位は『宝石の国』となりました。
『宝石の国』は、不死の身体をもつ人型の“宝石”たちと、月から飛来する謎の敵“月人”との激しい戦いを描いたアクションファンタジー。現在「アフタヌーン」(講談社)で連載されています。
アニメ「宝石の国」は、全編3DCGで制作されているのが特徴。作品の質感によってはフルCGアニメとは相性が悪いこともあるのですが、本作については、宝石たちの硬質で美しいイメージに驚くほどマッチしていました。特に、髪の毛の表現力は3DCGならでは。原作で市川春子さんが描いた、儚く美しいキャラクターたちの魅力をさらに際立たせています。
以前より「フルカラーで見たい!」という声がよく聞かれていた『宝石の国』。今回アニメ化によって色が加わったことで、それぞれの外見的特徴もつかみやすくなったので、幅広い層に楽しみやすい作品となっていると思います。
単行本第1巻の10月の売上は、アニメ放送前の9月と比べて4.5倍。読者は20代の女性がメインです。
なお『宝石の国』の単行本は、第8巻まで発売中です。
第4位の『少女終末旅行』は、文明崩壊後、生き物のほとんどが死に絶えた世界を舞台に、あてのない旅を続ける2人の少女の日常を描いたディストピアファンタジー。現在Webコミックサイト「くらげバンチ」(新潮社)にて連載されています。
アニメでは荒廃した世界がよりリアルな質感で描かれており、広大な世界を2人ぼっちで旅するチトとユーリの寂寥感が、さらにひしひしと感じられます。にもかかわらず、自由でマイペースな2人のやりとりを見ていると、なんともほっこりとした気分になってくるのが不思議。ディストピアものではありますが、今クールの“癒やし枠”でもある作品です。
原作の単行本は20代の男性を中心に売れており、第1巻の10月の売上は、アニメ放送前の9月に比べると3.0倍に。
なお『少女終末旅行』の単行本は、現在第5巻まで刊行されています。
第5位は『ブレンド・S』となりました。
『ブレンド・S』は、「まんがタイムきららキャラット」(芳文社)で連載中のコメディ4コマ。「ツンデレ」「妹」など、店員がいろいろな属性を演じながら接客してくれる喫茶店を舞台に、「ドS」キャラを担当することになった新人アルバイト・苺香(まいか)の奮闘を描いた作品です。
「喫茶店が舞台」「かわいい女の子が多数登場する」という点から『ご注文はうさぎですか?』を連想する方も多いかと思いますが、『ブレンド・S』は店長やキッチン担当といった男性キャラクターとのラブコメ要素もあり、雰囲気としては『WORKING!!』に近いかもしれません。
『ブレンド・S』は、4コマ漫画好きにはこれまでも人気があった作品です。しかし、今回アニメ化されたことで新しい読者を一気に獲得。アニメ放送前の9月に比べると、単行本第1巻の10月の売上はなんと10.2倍にまでなりました。
これは今回紹介している作品の中で、一番の伸び率。「原作コミック売上ランキング」の過去の記事を振り返っても、伸び率が10倍を超えたのは久しぶりです※。今回の秋アニメでは、『ブレンド・S』が一番のダークホースといえるでしょう。
なお『ブレンド・S』の単行本は、現在第4巻まで刊行されています。
※ちなみに10倍超えのタイトルが出たのは、2016年夏アニメ以来でした。
・アニメ化効果は最大10倍!2016年夏アニメの原作コミック売上ランキングベスト5
いかがでしたか?
秋アニメは中盤に差し掛かっていますが、今から原作を読んで内容を補完すればまだまだ追いつけます! 気になる作品があったら、今からでもぜひ読んでみてくださいね。
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