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芸人・矢部太郎さんが、愛すべき大家さんとの日々を描いたコミックエッセイ『大家さんと僕』。前編では矢部さんが本作で初めて漫画を描いたきっかけから、大家さんとの素敵な関係までお話を伺いました。
後編では、本作に登場する先輩・後輩芸人のお話や、創作に欠かせない「芸人あるある」などについてもお聞きしています。
―― 矢部さんはトーク番組やライブなどでも、大家さんのお話をされているそうですね。本作に、サイコロトークで有名だった某番組に大家さんが出演なさったというエピソードが描かれていて驚きました。
その番組では何回か大家さんの話をしていたので、司会の方も「大家さんは元気?」と覚えていてくださって。夏休みスペシャルとして外でロケをする週があったのですが、司会の方から大家さんの家に行ってみたいとリクエストがあったんです。その時には大家さんが見事なトーク力を披露してくれて、大家さんも楽しんでくださったようです。
▼民放は“羽生結弦くんくらいしか見ない”という大家さん。この人気番組ことも知らなかったそうです。
―― 本作にはほかにも先輩芸人が出てきて、いい味を出していますね。どなたかモデルはいるのですか?
モデルになっている先輩が何人かいて、シンプルにまとめて1人にしています。そのほうが読みやすいかなと思いましたし、誰だか特定できてしまうと、文句を言われかねないので(笑)。後々そうしておいてよかったなと思ったことはありました。そういう時には、「これは〇〇さんのことで、こっちのいいこと言ってるシーンが先輩です!」と言っています。
―― もう一人、強烈なインパクトだったのが、後輩芸人の「のちゃーん」さんです。“ギャル男”というルックスながら、なぜか大家さんと息が合って、矢部さんにライバル心が芽生えていたのがおもしろかったです。
大家さんにお庭の草むしりをお願いされて、後輩芸人2人に来てもらうことになったのですが、僕ものちゃーんくんは絶対に大家さんとは合わないと思ったんです。でも彼はああいう外見だけどすごくマジメで、草むしりも丁寧にやってくれました。
僕なんかは相手にかなり気を遣っちゃうんですけれど、のちゃーんくんは相手に気を遣わないことで、相手にも気を遣わせないところがある。すごいですよね。……よく取ればですが(笑)。
▼強烈なキャラの後輩芸人“のちゃーん”さんは、意外にも(?)大家さんのお気に入りなのです。
―― 連載は、大家さんも毎回ご覧になっていたのですか?
でき上がった分は毎回大家さんにお渡ししていました。「こういう話を描きたいのですが、いいですか」ということも聞いていたので。
―― 確かに本作では大家さんのプライベートな思い出などについても触れられていますね。だからこそ、大家さんも一冊にまとまって喜ばれているのではないですか?
「今度、単行本になるんです」とゲラをお渡ししたらすごく喜んでくれて、3回続けて読んでくださったそうです。すごいスタミナですよね。
―― まさに“大家さん孝行”ですね。
大家さんは、漫画は「のらくろ」や「フクちゃん」が好きだと聞いていたので、コマなどもわかりやすく、シンプルに描いています。大家さんの世代の方にも、この本を読んでもらえるとうれしいですね。
―― 書籍化にあたっては、描き下ろしを50ページ増やされたそうですね。“大家さんの名言”の一コマ漫画もあって、連載からの読者も大いに楽しめます。大家さんはエピソードの宝庫という気もしますが、ネタに困られることなどはなかったですか?
名言などは忘れてしまったりすることもあるので、描きながら思い出したり、連載の後半は「いまめちゃくちゃおもしろいこといったな、大家さん」と思ったら、ケータイを取り出して、メールするふりしてメモを取ったりしていました。
―― なるほど。メモしているとは思わせないテクニックですね。
芸人は結構やるんですよ。最近はバラエティーでもエピソードトークが大事なので、先輩としゃべっていて何かおもしろいことがあったときは、みんなメールするふりしてメモを取るというのは、「芸人あるある」なんです。先輩のほうもわかっていて、「今度こいつ、しゃべってくれるんだな」と喜んでくれます。
▼こんなブラックな一言も、大家さんの魅力です。
―― 矢部さんは、芸人や俳優としてご活躍ですが、今後は漫画家としての肩書も加わりますね。Twitterでは日記を漫画にして公開されています。
そうなんですが、「大家さんが出てこないとおもしろくない」と言われていて……。大家さんあっての僕なんです(笑)。
ただ、漫画は舞台などとは違って家で1人で描けますから、これからも描いていきたいですね。いくつかお話をいただいていますし、今年はコンビ結成20周年ということで漫画を使った企画も考えていますので、実現していきたいと思っています。
矢部太郎 Taro Yabe
1977年生まれ。お笑いコンビ・カラテカのボケ担当。芸人としてだけでなく、舞台やドラマ、映画で俳優としても活躍している。父親は絵本作家のやべみつのり。本書は初めて描いた漫画。今も大家さんの家の2階で暮らしている。
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矢部さんが『大家さんと僕』の表紙を再現してくださった1枚。大家さんと矢部さんの仲睦まじい様子が伝わってきます!
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