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  • 三木孝浩監督が語る生田斗真・広瀬すずの魅力、カットされた幻のエピソードも!:映画「先生! 、、、好きになってもいいですか?」

    2017年10月28日
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    ほんのひきだし編集部 浅野
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    10月28日公開「先生! 、、、好きになってもいいですか?」 見どころ・裏話を三木孝浩監督にインタビュー!

    10月28日(土)、生田斗真さん・広瀬すずさん初共演の映画「先生! 、、、好きになってもいいですか?」が公開されました。

    先生! 広瀬すず

    本作は、河原和音さんによる累計発行部数600万部の人気少女漫画『先生!』を、青春恋愛映画の名手・三木孝浩監督が実写映画化したもの。響という女子高校生の、高校教師との“人生一度きりの初恋”を描きます。

    主人公・響がいつのまにか目で追うようになる高校教師・伊藤の仕草、恋心を自覚してからのときめきと苦しみの連続、戸惑いながらもまっすぐ恋に向き合う響の姿……。

    今回は映画「先生! 、、、好きになってもいいですか?」の見どころや裏話を、三木孝浩監督に伺いました。

    三木孝浩監督

    三木孝浩(みき・たかひろ)
    1974年生まれ、徳島県出身。ORANGE RANGE、YUI、いきものがかり、FUNKY MONKEY BABYSなど、多数のミュージックビデオやライブ映像、ショートフィルム、TVCMなどを監督し、MTV VIDEO MUSIC AWARDS JAPAN 2005 最優秀ビデオ賞、カンヌ国際広告祭2009 メディア部門金賞などを受賞。2010年「ソラニン」で長編映画監督デビュー。以降の監督作として、「僕等がいた 前篇/後篇」(2012年)、「陽だまりの彼女」(2013年)、「ホットロード」「アオハライド」(2014年)、「くちびるに歌を」(2015年)、「青空エール」「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(2016年)などがあり、「坂道のアポロン」が2018年公開予定。

     

    広瀬すずの憂いを帯びた表情が、響の揺れ動く心情を見事に表現した

    映画 先生!

    ―― 本作は、広瀬すずさんにとって初めての本格恋愛映画です。広瀬さんというと明るくて元気なイメージをお持ちの方が多いと思いますが、本作では「響」という、ちょっと内省的な女の子を演じていますね。

    最近のすずちゃんは、元気な役どころや、芯の強い女の子のキャラクターが多かったですよね。でも僕は、すずちゃんの演技を「海街dairy」で拝見して、憂いのある表情がすごく素敵だなと思っていたんです。

    今作でも、恋に悩んだり傷ついたりする“普通の女の子”を演じる中で、すずちゃんのアンニュイな表情が出たらいいなと思いながら撮りました。撮り終えた今も、ちょっと寂しげな顔、特に横顔がすごくいいと思っています。

    ―― 同世代の女の子たちにとっても、響の表情から伝わってくる心の動きには、共感するものがあると思います。

    “揺らぎ”がありますよね。「先生! 、、、好きになってもいいですか?」は、やっぱり響に感情移入しながら観てもらいたい。響の“揺らぎ”には、「わかる、こういう気持ちになるよね」って共感してもらえると思っています。

    ―― “揺らぎ”というワードが出てきました。本作では、この“揺らぎ”の表現に非常にこだわったと伺っています。

    響も伊藤先生もあまりしゃべるほうではないので、セリフで表現できない分、心が揺れ動いた瞬間を映像で表現することにこだわりました。風が吹いたり、カーテンが揺れたり。響たちの制服のスカートにプリーツが入っているのも、細い棒リボンを選んだのも、“揺らぎ”がよく伝わるからです。

    中でも一番見ていただきたいのは、響がウエディングドレス姿で屋上へ向かうシーン。「ちゃんとフラれよう」と覚悟して向かった響を、なんと伊藤先生は抱きしめてキスします。でもこの時に頭のヴェールが揺れるせいで、響の表情は見えそうで見えません。「何、どうなったの……?」というこの“揺らぎ”を、ぜひ感じていただきたいですね。

     

    生田斗真は〈発露する演技〉から〈引き込む演技〉へ 伊藤先生の“視線”に注目!

    ――「先生! 、、、好きになってもいいですか?」では、生田斗真さんが世界史教師の伊藤先生を演じています。恋愛映画への出演は、三木監督の「僕等がいた」以来5年ぶりですね。

    「僕等がいた」の時は、年齢もあって“感情を発露する演技”というのがすごく魅力的でしたね。でも今回僕が「先生! 、、、好きになってもいいですか?」を撮って魅力的だなと思ったのは、「この人は今、どんなふうに思っているんだろう?」と観る人に考えさせる“引き込む芝居”でした。それが、伊藤先生というキャラクターの魅力にピッタリ合致していたと思います。

    ―― 原作でも響に「電柱みたい」と言われていますし、伊藤先生は、懐は深そうだけれど自分から飛び込んでいったり、何かに頓着したりはしないようなキャラクターですよね。思ったことを口に出さないし、顔にも出ない。

    そうですね、役者としてはずっと“受け”の芝居です。感情を出す瞬間が極端に少ないから、それを佇まいや存在感で見せなくちゃいけない。すごく難しいことだと思いますが、そこは「僕等がいた」でご一緒していたので、安心して任せられました。

    生田くんが作品を重ねて今の年齢になったこのタイミングで、伊藤先生を演じてもらえてすごくよかったです。

    ―― 先ほど伺った“揺らぎ”の表現について、伊藤先生に関してはどうですか? スーツ姿ということもありますし、そもそも感情を出さないキャラクターですが、心の中は相当揺らいでいたと思います。

    ちょっとした視線の置き方に注目してみてください。

    例えば、響が走り去ってしまって、伊藤先生が一人で取り残されるシーン。そういう時にどの角度で、どこまで、いつまで響を見るのか。全く響を見ないわけではなく、気配を感じるように少しだけ見やるんです。本当にちょっとしたところなので、気づかない方は気づかないかもしれませんが……。

    ―― この“視線の演技”はズルいですよね。すでに一度映画を観た方も、特に生田さんのファンにはぜひもう一度注意して観てもらいたいです。

    本当にズルいんですよ。「響のこと見たよね!?」「今言ったこと、ちょっとは後悔してるんだよね?」って言いたくなると思います(笑)。

    そういうところを、生田くんはすごくデリケートに演じてくれました。僕も、特に響に対する目線の置き方は、毎シーン丁寧に撮りましたね。

    次ページ:本編から泣く泣く削った“幻のエピソード”




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