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西加奈子さんの『サラバ!』文庫版が上・中・下巻で10月6日(金)に発売されました。
『サラバ!』は第152回直木賞を受賞し、2015年本屋大賞で第2位にランクインした作品。2015年6月に放送されたテレビ番組「アメトーーク!」(テレビ朝日系)の第2回”読書芸人”特集で、オードリーの若林正恭さんに絶賛されたことでも注目を集めました。
ミステリアスなタイトルが冠された、計900ページを超える大長編。さて、その内容とは……?
『サラバ!』は、西さんの作家生活10年の節目となる2014年に発表されました。今回の文庫化を記念したインタビューが公開されています。
本書は、主人公・圷歩(あくつあゆむ)の誕生から37歳になるまでを描いた作品です。歩はイランのテヘランで生まれ、イラン革命の後しばらく大阪に住み、今度はエジプトへ移住します。歩の生い立ちは、同じくイラン・エジプトでの生活経験があり、大阪で育った西さん自身の生い立ちと重なる部分が非常に多いのです。
自己愛の強い母、エキセントリックな行動が目立つ姉というアクの強い家族に囲まれながらも、恵まれたルックスで彼女もでき、人並み以上の青春を謳歌していた歩。そんな彼の人生は、家族の不協和や恋人の裏切りを通して歯車が狂い始めます。下降の一途を辿るなかで、歩は人生に何を見出すのでしょうか?
『サラバ!』で印象的なのは、作品のキーワードとなる言葉がもつ強いパワーです。
タイトルになっている「サラバ」という言葉は、歩がエジプトの親友・ヤコブとのあいだで交わしていた挨拶です。アラビア語の「さようなら」である「マッサラーマ」を、ふざけて「マッサラーバ!」と言い出したのがはじまりでした。しかし、言語も文化も異なる2人の共通言語として、単なる別れの挨拶にとどまらない様々な意味が込められることになります。
また、最終章のタイトルにもなっている姉の言葉「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ」は、私たち一人ひとりの生き方を問う強いメッセージを放ちます。
今回の文庫版発売にあたって解説を書いているのは又吉直樹さん。上・中・下巻の帯には、それぞれ若林正恭さん、角田光代さん、朝井リョウさんが推薦コメントを寄せています。
30代のクズを救えるのは、日本で西さんだけ。マイナス思考の私が泣きましたから。――オードリー若林正恭さん
この作家は、身ばかりか、その心を削って削って書いている。その迫力がぐいと私の肩をつかみ、強い力で揺さぶる。そしてたったひとつのことを叫ぶ。小説が、全身で叫ぶのだ。これは、私にとってとてもだいじな小説だ。――角田光代さん
こんな作品を書かれた後、自分は何を書くべきか。途方に暮れた。――朝井リョウさん
大長編ながら一気読み必至! 人生に迷いを感じたら、ぜひ手に取ってみてください。
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