'); }else{ document.write(''); } //-->
山田悠介さんの4年ぶりとなる長編小説『僕はロボットごしの君に恋をする』が、10月21日(土)に発売されます。
100万部を超える大ヒットとなった『リアル鬼ごっこ』でデビューして16年。本作は、山田さんが一つの作品を「これまで以上に丁寧に書いてみたい」とじっくり時間をかけて取り組んだ作品です。
舞台は、3度めのオリンピックを控えた近未来の東京。国家の極秘プロジェクトで人型ロボットの操作官を務める健は、テロ対策担当に抜擢されます。しかし、ひそかに想いを寄せる女性がテロに巻き込まれたことで、自身も窮地に追い込まれていき……。
サスペンスフルな展開と健の切ない想いが交錯する本作ですが、山田さんは執筆に際し、近年注目度の高まっている“AI”を題材に、人物たちの心の機微を描く「感動の物語にしたかった」そうです。
そんな『僕ロボ』の発売に先駆けて、山田さんに本書に込めた思いについてエッセイを寄せていただきました。
2060年、3度目のオリンピック開催が迫る東京で、人型ロボットを使った国家的極秘プロジェクトが進んでいた。プロジェクトメンバーの健は、幼なじみで同僚の陽一郎、そして彼の妹の咲に助けられながら奮闘する。
ところが、咲の勤務先にテロ予告が届き事態は急変した。目的を達するために、はてしなく暴走する研究者の狂気。はたして健は、テロを防ぎ、想いを寄せるサキを守れるのか? そしてラストに待ち受ける衝動と、涙の結末は?
男の打った最後の一手が、開けてはいけない扉を開ける!
2001年に『リアル鬼ごっこ』でデビューしてから早くも16年が経ちました。おかげさまでデビュー作は多くの方に読んでいただき、映像化などもしていただきました。当時はまだ20歳だったので、周りの環境が劇的に変化していくことについていくのが精いっぱいでした。作家としてやっていこうと思ったものの、この世界はそう甘いものではないこともわかっていました。とにかく皆さんに名前を覚えてもらおう。それには良い作品を休むことなく書き続けよう。そう思って走り続けてきたように思います。
でもここにきて、一つの作品をじっくり、これまで以上に丁寧に書いてみたい、そう思うようになりました。そして生まれたのが今回の『僕はロボットごしの君に恋をする』です。
テレビなどで「AIの進歩」のニュースを見たのが出発点でした。これまでも多くの小説、映画で取り上げられてきた題材ですが、僕ならどう書こうか、そう思ったのがきっかけです。
ただ、編集者と打ち合わせをはじめた当初から一貫してイメージしていたのは、「人間対進化したロボットの戦争」のようなアクション作にはしない、ということでした。主人公とヒロインの心の機微を描きながら、感動の物語にしたかったんです。
そのために、これまでの作品の何倍もプロット作成に時間をかけました。いったん積み上げたストーリーを、大きく作り直すこともやりました。細部にわたって伏線を張り巡らせ、それをラストに一気に披露するために、執筆にもいつも以上に時間がかかりましたし、その後の推敲作業も気が抜けませんでした。このあたりのことは、本を最後まで読んでもらうとわかっていただけると思いますが、そんな作業の甲斐もあって、この作品はいままでで最高の作品に仕上がったと思っています。たくさんの方に読んでいただいた『リアル鬼ごっこ』の怖さ、『スイッチを押すとき』のスリル、そして『その時までサヨナラ』の感動を、ギュッと一作に閉じ込めたような作品になりました。
実は、そんな思い入れのある作品に、ちょっとした遊びを施してあります。作中に僕の過去作品のネタをいくつも散りばめたんです。これまでの僕の作品を読んでいただいた方に楽しんでいただけたら嬉しいです。どんな作品が隠れているか、ぜひ探してみてください。
最後に、この作品を発売前に読んでくれたクリエイターの方たちが、アニメPVを作ってくれることになりました。おかげさまで、僕の小さなアイデアから生まれた物語が皆さんに喜んでいただけるエンターテインメントになったと思います。
ぜひ4年ぶりの長編『僕はロボットごしの君に恋をする』を、アニメPVともども楽しんでください!
本作の発売にあたっては“僕ロボ”プロジェクトとしてプロモーションアニメが制作されており、そのフルバージョンは10月21日(土)の書籍発売日から全国の協力書店店頭で先行公開。その後11月1日(水)からは特設サイト上で公開されます。
▼ショートバージョンを特設サイトで公開中
※フルバージョンの先行放送書店については、特設サイトをご確認ください。
山田悠介 Yusuke Yamada
1981年生まれ。2001年デビュー作『リアル鬼ごっこ』がミリオンセラーになると、その後『親指さがし』『パズル』などのヒット作を立て続けに発表。10代を中心に圧倒的な支持を得る。園子温監督「リアル鬼ごっこ」など映像化作品も多数。著書に100万部突破の感動作『その時までサヨナラ』『スイッチを押すとき』などがある。