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9月16日(土)より全国公開される映画「望郷」。
原作は、『告白』『白ゆき姫殺人事件』『リバース』など数々のヒット作を生み出してきた湊かなえさんの同名小説。主演に貫地谷しほりさんと大東駿介さんを迎え、出演陣に木村多江さん、緒形直人さんら実力派俳優が名を連ねていることでも期待が寄せられています。
原作小説『望郷』は、日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した「海の星」など6編が収録された連作短編集。湊さんの故郷である因島を舞台に、“島“という閉ざされた世界で育った人々の複雑な心模様が、鮮やかに描かれています。
その執筆の経緯について湊さんは、「ずっと島で生まれ育った自分にしか書けない世界を書きたいと思い、島を舞台にしました」と明かしています。
今回映画化されるのは、収録作のうち「夢の国」と「光の航路」の2編。
「夢の国」は、島での生活に縛られながら、本土にあるドリームランドに憧れを抱く夢都子の物語。この話は、「修学旅行で憧れのテーマパークに行けると思っていたら、旅行先がスキーに変わってしまった」という自身の体験に基づいているそう。
その時は人生たった一度のチャンスを潰されたと思っていたけど、大人になったら簡単にそのテーマパークに行けて、自分が捉えていた世界が狭かったのかと感じました。自分が島に育ちながら都会に対して思っていた気持ちを込めることができた作品だと思います。
また、「光の航路」については、造船会社に勤務していた湊さんのお父さんと、実際に行われていた進水式での思い出が込められています。
知らない方は豪華客船の進水式ばかりをイメージするかもしれないけれど、ごく小さい船にも進水式があります。それと同じように、どんな人生にもそれぞれの「進水式」がある、そう思えたんです。この作品を通じ、海や造船に縁のない生活をしている人にも自分の人生と重ねていただけたらと思っています。
そう自身の思い出を振り返りつつ、作品への思いを語った湊さん。映画では、「夢の国」の主人公・夢都子(演:貫地谷しほり)と「光の航路」の主人公・航(演:大東駿介)という島で育った幼馴染の2つの物語を通じ、共にそれぞれの親子の過去と未来をつなぐストーリーが描かれます。
これまでにも数々の作品が映画化・ドラマ化されてきた湊かなえさんの小説。映画「望郷」では、因島が物語の舞台であるだけでなく撮影のロケ地にもなったということで、思い入れはよりいっそう強いようです。湊さんは今回の映像化について、次のように語っています。
映像化は、普段本を読まない方が本を読んでくださる、その大きな入り口を作っていただくことだと思っています。
自分が生まれ育った場所でのロケなので、その映像を観た島の子たちが、本を読むだけでなく自分も作る仕事をしてみたいなど、夢を膨らませてくれるんじゃないかと思いますし、住んでいるところがどんなに良いところか、気づいてもらえるきっかけになると思うので嬉しいです。
湊さんは撮影時に、ロケ地となった瀬戸内海の生口島・瀬戸田中学校を訪問。この中学校の図書館には湊かなえ作品の特設コーナーがあり、湊さんは自身のサイン本を献本したそうです。
▼真剣な表情でサインする湊かなえさん
▼プレゼントされたサイン本がこちら
映画「望郷」は9月16日(土)から、新宿武蔵野館ほか全国で拡大上映されます。著者の思いがこもった作品がどのように映像化されるのか、公開を楽しみに待ちましょう。
『望郷』 ©2017 avex digital Inc. 2017年9月16日(土)新宿武蔵野館ほか 全国拡大上映