• fluct

  • ホストがITで日本の子育てを救う!新時代のイクメン小説はシェアハウスの1室で生まれた 海猫沢めろん『キッズファイヤー・ドットコム』インタビュー①

    2017年08月24日
    楽しむ
    日販 ほんのひきだし編集部「新刊展望」担当 猪越
    Pocket

    7月25日(火)、海猫沢めろんさんの新刊『キッズファイヤー・ドットコム』が発売されました。

    『キッズファイヤー・ドットコム』は、まさに“新時代のイクメン小説”。ホストクラブ店長が、ある日家の前にいた見知らぬ赤ちゃんを、なんと「クラウドファンディング」で育てようとする……という内容の作品です。

    現在は、熊本で家族と暮らしている海猫沢さん。東京での仕事場は、居住して10年になるというシェアハウスにあります。

    昨今、様々な人との出会いや交流が魅力で需要が高まっているシェアハウスですが、海猫沢さんのお宅は流行りのタイプとはちょっと違っているよう。そんなお仕事場の様子と、新刊『キッズファイヤー・ドットコム』についてお話をうかがいました。

    キッズファイヤー・ドットコム
    著者:海猫沢めろん
    発売日:2017年07月
    発行所:講談社
    価格:1,430円(税込)
    ISBNコード:9784062206747

    超ポジティブな男が日本を革命する!
    少数精鋭、短期決戦をモットーとするホストクラブの店長、白鳥神威。いつも通り歌舞伎町から帰った彼を家の前で待ち受けていたのは、見知らぬ赤ちゃんだった!
    母親の心当たりは無いが、育てることを決意した神威は、IT社長・三國孔明と一緒に、クラウドファンディングで赤ちゃんを育てることを思いつく。日本を革命するソーシャル子育てサイト、名付けて〈KIDS-FIRE.COM〉だ。
    試練を前にして逃げることは、カリスマホストの本能が許さない。彼らはITで日本の子育てを変えることができるのか!? 男たちが育児の変革に挑む、新時代のイクメン小説!

    講談社BOOK倶楽部『キッズファイヤー・ドットコム』より〉

     

    上手くいく秘訣は「われ関せず」

    外観は古風な日本家屋といった趣きの一軒家。引き戸を開けると、左手に共有のリビングがあり、キッチンと茶室(!)が隣接しています。

    ちなみに茶室にも住んでいる方がいて、現在の住人は総勢7人。大学院生や編集者、元アイドルといったさまざまな経歴の方がいるそうです。海猫沢さんは1階と2階にそれぞれ1つずつ部屋があり、2階が仕事場となっています。

    ――どういった経緯でシェアハウスに住むようになったのですか?

    最初に東京芸大の学生が仲間内何人かでこの家を借りていて、その当時知り合った人が、「部屋が空いているから住まない?」と誘ってくれたんです。それからずっと住んでいますが、みんなお金持ちになると出ていくので、初期のメンバーは僕しか残っていません(笑)。

    ほかのシェアハウスもいくつか見たことがあるのですが、ここは特殊ですね。みんな自分の部屋にいるから、1か月以上会わない人もいます。住人同士がコミュニケーションをとらないので、上手くいっている気がします。われ関せずという感じの、個人主義の人が集まったほうがやりやすいですね。

    ――現在のご自宅は熊本だそうですね。

    ここには東京に来た時に泊まっています。家族は熊本に暮らしているので主は向こうですが、割合としては半々です。妻が学生で、たまたま大学が熊本だったというだけなので、ほかに知り合いもいないんです。まとまった休みは家族と東京で過ごしています。

    ――熊本での生活はいかがですか?

    最初はとにかく大変でした。10年住んでいた場所から引っ越すこと自体がストレスでしたし、まったく知らない土地なので、どこに住めばいいかもわからない。しかも、引っ越しの4日後に地震(注)が来たんです。いまはかろうじて慣れてきた感じです。

    注:2016年4月14日以降に発生した熊本県から大分県にかけて発生した地震

    ――それではお仕事も、ペースをつかむのが大変だったのではないですか?

    熊本に行った1年目は、地震や、その前の年に準備していた『明日、機械がヒトになる』と『夏の方舟』が出て、そのプロモーションなどもあったので、ほぼ小説を書くことができませんでした。2年目の今年は『キッズファイヤー・ドットコム』に収録されている続編をなんとか書いて、7月に出すことができました。

    僕、去年本厄だったんです。体調不良にも悩まされましたが、一応お祓いに行ったからこの程度で済んだのかなと思っています(笑)。

    海猫沢さんの仕事場は、部屋の一角にある1畳ほどのスペース。執筆はパソコンのほかに、写真のポメラを使うことが多いそう。

    「これだと、ネットが使えないので書くことしかできなくて、自主缶詰の状態になります。僕はネット依存症でインターネットがあると延々と見てしまうので、ネットにつながらない、ただ書くだけのマシンというのが最高です」

    次回(2017年8月25日公開)は、小説『キッズファイヤー・ドットコム』についてお話を伺います。
    子育てに“愛”は必要か?海猫沢めろん『キッズファイヤー・ドットコム』インタビュー②


    海猫沢めろん(うみねこざわ・めろん)
    1975年、大阪府生まれ。兵庫県姫路市育ち。2004年『左巻キ式ラストリゾ-ト』でデビュー。著書に『零式』『全滅脳フュ-チャー!!!』『愛についての感じ』『ニコニコ時給800円』『明日、機械がヒトになる ルポ最新科学』『夏の方舟』などがある。

    夏の方舟
    著者:海猫沢めろん
    発売日:2016年06月
    発行所:KADOKAWA
    価格:1,650円(税込)
    ISBNコード:9784041028292
    明日、機械がヒトになる
    著者:海猫沢めろん
    発売日:2016年05月
    発行所:講談社
    価格:924円(税込)
    ISBNコード:9784062883689

    common_banner_tenbo




    タグ
    Pocket

  • GoogleAd:SP記事下

  • GoogleAd:007

  • ページの先頭に戻る