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ショートショートの魅力が見直されつつある昨今。感動する話、あっと驚く結末、ぞっとする恐怖などを“たった5分”で味わえる「5分シリーズ」がスタートしました。
シリーズ第1弾として4月25日(火)に発売されたのは、『5分後に涙のラスト』『5分後に驚愕のどんでん返し』『5分後に戦慄のラスト』の3冊。「たった5分、されど5分」を感じる新しい読書体験は、小説好きはもちろん、空き時間に気軽に読めることから、普段あまり小説を読まない方や朝の読書にもおすすめです。
「10代にリアルに響く小説をつくりたい」
長く文芸の編集をしている中で思っていたことでした。
プロ作家が高いセンスと技術、そして緻密な取材の上で長い時間をかけて描く長編小説は、もちろん最高のエンターテインメントです。でも、作家と出版社が時間と労力をかければかけるほど、ある意味当初の瑞々しさはそがれていくような気もしていました。刊行までに時間がかかればかかるほど、アイデアを閃いた「その瞬間」の息遣いはどうしても薄れていきます。
ところが、そのモヤモヤを見事にクリアしてくれたのがエブリスタさんでした。国内最大級の小説投稿サイトとして、エブリスタさんにはこれまで200万点以上の作品が投稿されていますが、投稿しているのは読み手となんら変わらない「素人」たちです。
「素人」というとネガティブに取る方もいるかもしれませんが、このシリーズをスタートするにあたり、私たちにそんな心配は微塵もありませんでした。膨大な投稿数の中から選び抜いた作品は、誰が読んでも素晴らしいと感じる、クオリティの高いものばかりだったからです。
しかも、ただ単に「面白い」だけでなく、読者に限りなく近い「書き手」たちが、今の雰囲気を閉じ込め、それを純粋なまままとめたことで、既存の方法では生み出せなかった瑞々しい作品集になったように思います。
この「5分シリーズ」は今後も数か月ごとに刊行予定です。
すでに集まった作品の中から選ぶだけでなく、その時々の気になるテーマで原稿を募集して1冊にまとめていきたいと思っています。面白いテーマを設定することはもちろんですが、募集から書籍刊行までをスピーディにすることで、その時の空気感を閉じ込めたエンターテインメントを目指します。
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文・河出書房新社 「5分シリーズ」編集担当