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私の出産と同時に創刊し、早7年目を迎えた日本初のベジタリアン雑誌「veggy」。それ以来、私が決まって聞かれる質問といえば「何故ベジタリアンになったのですか?」、「 何故ベジタリアン雑誌を創刊されたのですか?」、「野菜だけで栄養学的に大丈夫ですか?」などなど。
まず私がベジタリアンになったのは単に趣味の問題で、創刊した大きな理由は結婚して妊娠したことで単にベジタリアンが個人趣味の問題ではなくなり、家族(外部)と向き合わなければならなくなってしまったこと。さらに若い頃にロンドンやパリに住み、その後も頻繁に欧米の主要都市に行き来していた中、先進国のある一定層には確実にベジタリアンが定着している!と肌で感じていたことなどが重なり、きっと日本でも食文化のひとつとして定着する!!と思ったからです。
とはいえ創刊当初は様々な問い合わせの際に、“ベジタリアン”というキーワードを説明して理解してもらうのが大変でした。時には「何か宗教的な理由でしょうか?」などと言われたこともありますが、留学中に白水社や岩波文庫から出ている類の哲学・翻訳本をよく手にしていたせいで、決して信仰心がない訳ではないものの、気づいたらすっかり無神論者的思想に影響されていたようで、それ以来は「無神論者です」と答えています。
その後20代後半でヨガをマスターしようと思い立ち、世界で最も人気のあるヨガのインターナショナル・ティーチャーズ・トレーニングに参加した際、まるでオリンピック並に様々な国の人々が集まっている中、瞑想やお祈り(チャンティング)の際に必ずスワミジ(ヨガの師)が参加者の宗教観に配慮して「あなたの信じる神について祈りなさい」というのですが、「私にとっての神ってなんだろう?」と毎回考え込んで瞑想状態に入れないほどでした。
話がそれましたが、次にベジタリアンで本当に全ての必須栄養素が摂取できるの?という疑問ですが、答えはもちろんYESです!
ベジタリアンといっても魚、卵、乳製品、チキンなどを食べるベジタリアンもいますから、それらの人々はまず栄養不足になることはないでしょう。ただし一切動物性食品を摂取しないヴィーガンやそれに近い食事を好む人々に関しては、しっかりとベジタリアン栄養学を理解してから取り入れなければミネラルやビタミン不足になりかねません。それに関しては7月10日発売の「veggy」にて詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
最近は日本の街を見渡しても様々なシーンでベジメニューが年々増えてきている気がしますが、ベジタリアン人口の多いイギリスではポール・マッカートニーが中心となって“ミートフリーマンデー(月曜日は肉なしの日)”をはじめたり、アメリカでは元アメリカ大統領のビル・クリントン、女優のジェシカ・シンプソン、男優のオーランド・ブルーム、名司会者のオプラ・ウィンフリーなどなど、政界から財界やハリウッドスターまで、実に様々なセレブ層がベジタリアンに移行する中、著名人が“ミートレス・マンデー(月曜日は肉なしの日)”を推奨し、なんとニューヨークのとある公立小学校では全給食をベジタリアンメニューにしたりと、ベジタリアンというキーワードだけで先進国を眺めただけでもとにかく話題は尽きません。
そもそもベジタリアンの語源はラテン語で“vegetus=健康で、生命力に溢れている”であり、決して単に“野菜を食べる人”ではありません。ですから「veggy 」では生命力を高める食材や食べ方、そしてそれらに付随する様々なライフスタイルの提案をしていますが、日本人は古代を遡ってもほぼベジタリアンに近い食生活を続けてきましたから、実は本来の日本食=ベジタリアンなのだと感じています。
キラジェンヌ「veggy 」編集長 吉良さおり―KIRA Saori
1974年生まれ。雑誌「veggy」編集長・発行人。国際食学協会名誉理事長。「BeauTV VOCE」他、美と健康がテーマの番組などに出演。3児の母。
「veggy」
オーガニック&ベジタブル中心の軽やかで素敵なライフスタイルを届ける日本初のベジタリアンマガジン(2008年創刊)。ナチュラル志向の食生活を中心として「美と健康」を徹底追求。8月号(7月10日発売)は、野菜中心のヘルシーな食生活を
実践したいと考えるノンべジな方も必読の特集。
(「日販通信」2015年7月号「編集長雑記」より転載)