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    売れっ子作家は、デキるビジネスマンでもある!?:神永学さんの仕事場訪問【前編】

    2017年03月08日
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    日販 ほんのひきだし編集部「新刊展望」担当 猪越
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    スタッフは、良き相談相手

    ――スタッフの方は、どのような役割を担われているのですか?

    うちの事務所では、ホームページ、Twitter、フェイスブック、メルマガはすべてスタッフが管理しているのですが、それも1週間更新が止まると、僕にものすごく怒られる(笑)。ホームページは動いていないと意味がないですし、発売日の情報だけTwitterで流していればいいというわけじゃない。アンケートやプレゼント企画をやって、常にホームページを見てもらうことで、発売日情報も届くと考えています。ファンイベントやサイン会をやって、情報を提供したり交流を持ったり。スタッフのブログもそうですし、いろいろな形で読者にアプローチをしています。

    宣伝に力を入れている理由は、デビューした経緯にあります。サラリーマン時代、小説を書いてさまざまな賞に応募したものの、受賞にはいたりませんでした。自費出版した『赤い隻眼』が編集者の目に留まり、文芸社の「新人売り出しプロジェクト」の1冊となりましたが、デビュー作の宣伝はゼロに等しかったんです。

    ただデビューしたての頃、書店員さんにはとてもお世話になりました。「新人売り出しプロジェクト」とはいえ、知らない新人作家の本を平積みしてくださった書店さんがあって、そのおかげでいまの僕があります。よく口コミから(人気に火が付いた)と言われますが、書店さんが置いてくれないと始まりません。(この書き手には)何かあると思ってくださった人たちに、どうにかして恩返ししたいという思いは強くあります。だからこそ早い段階から、書き手が「いまは本が売れない」と嘆いても仕方がないと思っていて、「売っていくための動きをいかにできるか」を考えています。

    ▶ 小説家 神永学 オフィシャルサイト

    そのほかにも講演会などのスケジュール調整や、小説以外の細かい作業をお願いすることで、執筆にかける時間をできるだけ増やすことができます。2月に発売された『浮雲心霊奇譚 菩薩の理』『心霊探偵八雲 ANOTHER FILES 亡霊の願い』をはじめ、この2か月で3冊の本を出すのですが、文庫化が1冊入っているとはいえ、タイトすぎるスケジュールです。スタッフに任せるところは任せるというスタンスが、うちの強みですね。その分僕は、書くことに集中しています。

    浮雲心霊奇譚 菩薩の理
    著者:神永学
    発売日:2017年02月
    発行所:集英社
    価格:1,320円(税込)
    ISBNコード:9784087710557
    心霊探偵八雲ANOTHER FILES亡霊の願い
    著者:神永学
    発売日:2017年02月
    発行所:KADOKAWA
    価格:704円(税込)
    ISBNコード:9784041042366

    スタッフに意見を求めることも多いです。だからこそ知識も蓄積してもらいます。「いまこういう展開なんだけれど、この先どう思う?」「こういう方向もありじゃないですか」「そんな考え方もあったか」という議論が、社内で突発的に行われる感じですね。

    そのためには共通言語となる知識が必要ですし、それぞれ違う考えを持っていたほうがうれしい。だからこそ、「ちゃんとみんな自分の意見は言いましょう」と話しています。

    ――自分の意見を持ち、発言するという土壌がしっかりしているからこそですね。

    おもしろいですよ。だんだんみんなが自分の意見を言っていいんだと認識して、「自分の意見を言おう」「人の意見も受け入れよう」とやっていくと、僕が何も言わなくても「宣伝戦略としてこんなことをやりたいんです」という意見があがってくる。

    作品が出来上がったときにも、淡々と仕事をこなして上がってきた作品を見るのと、「ここは揉めたな」「ここはすごく考えたな」と思いながら上がってきた作品を見るのでは圧倒的にやりがいが違いますよね。

    ――神永さんの作品は「心霊探偵八雲」や「浮雲心霊奇譚」「怪盗探偵山猫」「天命探偵」など、それぞれの強みを発揮したチームが事件を解決していく、そのキャラクターと関係性の魅力も格別です。これまでのお話は、そんな各シリーズのチームワークの良さを彷彿とさせますね。

    誰にでも特性があって、その特性を生かすべきだと思うんです。そこには個々の責任が発生するわけで、それさえクリアすれば、あとはみんなでフォローする。

    時にはぶつかったりもしますが、作品をいままで書き続けてこられたのはスタッフの存在も大きいです。「人との仕事っておもしろいな」と思う部分でもありますね。

    毎朝朝礼から始まる神永さんの事務所の1日ですが、神永さんはその前にひと仕事されるのだそう。「猫を飼っていまして、その猫が遊んでほしくて朝5時に僕を起こすんです。噛んだり、お腹の上に乗ったり、僕の頭に自分の頭をグリグリさせたり。しょうがないので5時半くらいに起きて、猫と遊んで、それから仕事に出かけます。おかげですっかり朝型です」

    神永さんは、自分の仕事の進捗管理もバッチリ。「自分の執筆ペースを知りたいので、パソコンで進捗表をつけています。1日に書いた枚数、進行日数、残り日数、現状と今後の必要アベレージが出るので、朝来てパソコンを立ち上げた時に、”1日20枚書かないと間に合わないな”など確認できます。そうじゃないと、2か月で3冊というスケジュールはとても無理ですね」

    【後編】:小説で「空想する楽しさ」を味わってほしい

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