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  • 「かなわないなら、さっさと逃げてしまおう」超訳された子ども向け「孫子の兵法」にヒットの波

    2017年02月20日
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    日販 ほんのひきだし編集部「日販通信」担当
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    ―兵法は漫画版も人気ですし、子ども向け“超訳”は大人にも人気が出そうですね。

    杉本:読者は小学生中学年から、年配の方まで幅広いですね。購入しているのはやはりお母さん世代ですが、児童書にしては男性読者が多いことが、類書と違う点です。また年配の方からも「オリジナルの『孫子の兵法』は難しくてダメだけど、子ども訳のこの本は読みやすい」という声をいただいています。

    ―続編の「菜根譚」は、田中角栄や野村克也など著名人にも愛読者の多い古典です。続編に「菜根譚」を選んだ理由を教えていただけますか?

    高野:同じ中国の古典でも、孫子は兵法、菜根譚は人生訓。テイストの違うラインナップにすることで、両方手に取っていただきたいと考えて選びました。「孫子の兵法」は男性やビジネスマンが好む古典なので、続編はお母さん寄りにしたいという気持ちもありました。

    ▼『こども菜根譚』より。

    ―2014年に御社から刊行された『キャラクター図鑑』シリーズも本の雰囲気が似ていて、イラストの力を感じます。累計25万部突破と好評のようですが、こちらも高野さんが編集を担当されたのですか?

    高野:はい。シリーズ最初の2冊『栄養素キャラクター図鑑』『人体キャラクター図鑑』では、アシスタント的なポジションについていたのですが、それ以降は私が編集を担当しています。

    ▼第1弾「栄養素」、第2弾「人体」に続き、同シリーズでは「食品添加物」「感染症」「漢方薬」「天文」「鉱物」が刊行されている。「たんぱく質くん」「脳先生」など、ゆるキャラが満載。

    栄養素キャラクター図鑑
    著者:田中明(監修) 蒲池桂子(監修) いとうみつる(イラスト)
    発売日:2014年11月
    発行所:日本図書センター
    価格:1,650円(税込)
    ISBNコード:9784284203135

    ―『キャラクター図鑑』シリーズの成功から得たことで、『こども孫子の兵法』『こども菜根譚』に生かされていることはありますか?

    高野:『栄養素キャラクター図鑑』は、児童書の形をとりつつ大人も楽しめるような、ボーダレスな本が可能だと教えてくれました。子どもの食べ物の好き嫌いをなくしたい保護者だけでなく、保育士さんや看護学生さんなど、栄養のことを知っておかなければいけない方、健康意識の高い50~60代のシニア層など、本当に幅広い方に読んでいただけたので。

    『こども孫子の兵法』も『こども菜根譚』も、子ども向けの本として作ってはいますが、書かれていることは大人も知っておくべきこと、むしろ大人こそ勇気をもらえることばかりだと思います。

     

    「生き抜く力」を育んでほしい

    ―『こども孫子の兵法』と『こども菜根譚』は、お母さん・お父さんが読んでも役立つことが多いですよね。私自身、子どもとの接し方で身につまされることばかりでした。

    高野:実はこの2作は、育児書としても読んでいただきたいと思っているんです。お母さん・お父さん方も、子どもにどう伝えればいいのか迷うことって、きっとたくさんありますよね。その時にサブテキスト的に読んで、「こういう風に伝えればいいのか」「こう説明すればいいのか」と、方法を見つけるきっかけにしていただけたら嬉しいです。

    ―この本を通じて、子どもたちやお母さん・お父さんにどんなことを伝えたいですか?

    杉本:これからクラス替えで人間関係が変わる時期を迎えますので、「生き抜く力」を育むきっかけにしてもらえたら。長い解説を読むのがつらい子は、イラストと子ども訳だけ読むのでもいいんです。

    高野:子どもはあっという間に大きくなってしまいます。「こんなことは早いかも」「まだ教えなくて大丈夫」と親が思っているようなことでも、子どもがそれを知るべき時は遠くないと思います。

    ―最後に、今後のご予定を教えてください。

    高野:『こども孫子の兵法』『こども菜根譚』に続く第3弾として、『こども君主論』をこの3月に刊行します。『君主論』と言えば、500年近く前にマキャベリが書いた政治学の古典。再び「類書がない」新刊です。ぜひ楽しみにしていてください!


    (2016年12月22日取材)

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