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  • 『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』生きづらさを感じる全ての人に読んでほしい

    2016年12月14日
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    日販 ほんのひきだし編集部 芝原
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    『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』が「このマンガがすごい!」オンナ編で第3位を獲得

    12月10日に発表された「このマンガがすごい!2017」で、永田カビさんの漫画『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』がオンナ編の第3位を獲得しました!

    さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ
    著者:永田カビ
    発売日:2016年06月
    発行所:イースト・プレス
    価格:1,018円(税込)
    ISBNコード:9784781614427

    『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』は、もともと永田さんがpixivで「女が女とあれこれできるお店へ行った話」として公開していた作品を、加筆修正のうえ書籍化したものです。pixiv掲載時から大きな話題を呼び、閲覧数はなんと480万以上! 単行本も累計部数18万部と、大ヒットしています。

     

    『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』は、ただの風俗レポではない

    これだけ話題になっている作品なので、タイトルを聞いたことがある方や、書店店頭で実物を見かけたことのある方も多いでしょう。しかし「レズ風俗」というタイトルや、ベッドの上でうろたえる裸の女性が描かれたピンク色の表紙から、「この作品は珍しい性体験をレポートした漫画だ」「自分には関係ない」「買うのが気恥ずかしい」と、手に取ってこなかった方もいるのではないでしょうか?

    しかしこの漫画の大切なところは、「レズビアン専門風俗のことが描いてある」という部分ではありません。この作品の大きなテーマは、誰もが一度は感じたことがあるであろう「生きづらさ」です。食わず嫌いで距離を置くには非常にもったいない作品なので、今回は『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』について詳しくご紹介します。

     

    『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』はどんな漫画なのか

    この物語の主人公は、作者でもある永田カビさんです。楽しかった高校生活を終え大学に進学しますが、半年で退学。所属する場所を失った不安から週6日のアルバイトを始めますが、心身ともに不調をきたし、遅刻・早退を繰り返してしまいます。

    アルバイトもクビになり、ついには生きづらい日常から逃れるため、死を考えるように。しかし死を想像した際に彼女に湧き起こった感情は、意外にも”悔しさ”でした。そして「なにくそ!!! こうなったらダメ元で 立ち直るべくあがいてから死んでやる」と決意を固めたのです。

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    それまで、何事に関しても「(自分が)そうしたい」ではなく「親に認められたい」という気持ちが原動力になっていたという永田さん。「とにかく普通の生活にしないと」とアルバイトを始めますが、親の期待とはズレており、認めてもらえないという悲しみをまたも感じることになります。

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    その後も親の期待に応えようと正社員を目指したり、自分のやりたいこととして漫画家として活動したりしますが、上手くいかず再び心身の不調に陥ります。しかし色々と思い悩みながらもがいているうちに、彼女は「自分で自分を大切にしたい」「自分が本当に求めているものを知りたい」と思うようになります。そしてついに、それが何であるかに気付くのです。

    永田さんが探し当てた「自分の求めているもの」とは、性的なことでした。「子どもでいた方が両親は可愛がってくれる。だから大人になってはいけない」と思っていたために、ずっと封じ込めて見ないふりをしていたこと。永田さんはそれに対して、親の希望ではなく、自分の本当の気持ちに繋がっているものとして、向かい合うことを決意します。

    色々考えて「レズビアン専門の風俗に行ってみよう」と決めた永田さん。するとそこには、これまでと違う風景が開けていました。

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    そして、いよいよ当日。永田さんは、初めてのラブホテルに足を踏み入れます。

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    そしてついに……。
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    「少しずつでもいいから、自分を解放しよう」と闘う永田さんの姿には、「なんとか幸せになってもらいたい」と強く願わざるを得ませんでした。果たして、初めての体験で永田カビさんは救われたのでしょうか? 続きはぜひ単行本でご覧ください。

    『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』は誰が買っているか?

    さて『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』は、どのような人が買っているのでしょうか?

    さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ購入者

    単行本購入者は女性が7割以上を占めており、その中でも20代の女性が突出しています。また他に買っている漫画を見てみると、同じくpixivで連載されていた『ヲタクに恋は難しい』と一緒に買っている方が多いようです。他には『ダンジョン飯』(九井諒子/KADOKAWA)や『魔法使いの嫁』(ヤマザキコレ/マッグガーデン)、『銀の匙』(荒川弘/小学館)といった作品が並んでおり、これらの顔ぶれからは「性的な内容に期待して購入した」という読者の姿は、強くは感じられませんでした。

    ***

    作中で永田カビさんが選んだ「レズビアン専門風俗に行く」という手段は、かなり特異なものに思えるかもしれません。しかしこれは、他人の評価基準(永田さんの場合は親)から自分を解放し、自分の意思で行動する手段として選び取ったものです。彼女がもがき苦しみながら感じたことは、人間関係に悩んだり、他人の目を気にして生きづらさを感じたりしている人なら、きっと共感するところがあるでしょう。

    また永田さんは当時とてもつらい精神状態にあったにもかかわらず、それを読者にぶつけるような描き方をするのではなく、きわめて冷静に順を追って描いています。彼女と同じような泥沼にはまっている人にとっては、この作品が自分の気持ちを理解する助けになるかもしれません。

    なお12月10日には、『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』の続きを描いた『一人交換日記』が小学館から刊行されています。そこでも彼女は相変わらず、傷だらけになりながら闘っていました。もっと永田カビさんのことを知りたくなった方は、ぜひこちらもあわせて読んでみてください。

    一人交換日記
    著者:永田カビ
    発売日:2016年12月
    発行所:小学館
    価格:1,018円(税込)
    ISBNコード:9784091893208
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