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―― 哲学的な深みを持つ作品なのですね。最終巻の見どころを教えていただけますか?
渡部: ヒックは第11巻までに10個の宝を見つけ出していますが、最終巻では「ヒックは新しい王になれるのか?」「宿敵の逆襲や、ヒックが解き放ってしまった怪物との対決はどうなるのか?」といったハラハラさせられる展開が続きます。そして相変わらずわがまま放題で駄々っ子のトゥースレスは、最終巻でヒックとお互いになくてはならない存在であることに気づきます。愛情と友情で結ばれた2人の関係には、私自身ゲラを読んでいて初めて泣かされてしまいました。
最終巻は上下でかなりボリュームがありますが、それに見合うだけの起承転結……、いえ「起承転・転・転・転結」が詰まっています。どんでん返しに次ぐどんでん返しで、あっという間に読めてしまいますよ。1冊あたり2時間弱くらいで読めると思います。
山崎: 遅い人でも、3時間ちょっとといったところでしょうか。
―― 全12巻ともなると未読の方にはかなりのボリュームかと思いますが、第1巻から結末まで一気読み! というのも楽しそうです。
渡部: 6巻くらいまでは「どこから読んでもおもしろい」とお勧めしてきたのですが、1巻から最終巻まで一気に読んでいただくと、のめりこむ感じで本当におもしろいですよ。長い歴史で培われたイギリス文学独特のスケール感、壮大な物語を味わえます。「ハリポタ」に劣らぬ名作です。
山崎: 未読の方には、とにかく「おもしろい!」の一言に尽きると言いたいですね。これで全巻出揃いましたが、これからも本好きの子はもちろん、読書が苦手な子たちの心もわしづかみにして、100万部を超える大ベストセラーになってくれたらと思っています。
(取材日:2016年10月14日)