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  • 「俺は結婚できないんじゃない。しないんだ」転生してもお独り様でいたいハイスぺ男登場!『独身貴族は異世界を謳歌する』

    2023年01月01日
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    中野亜希:講談社コミックプラス
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    独身貴族は異世界を謳歌する 1
    著者:駒鳥ひわ 錬金王 三登いつき
    発売日:2022年11月
    発行所:講談社
    価格:748円(税込)
    ISBNコード:9784065296752

     

    俺は俺のスタンスを貫き通す!

    異世界に転生したら、何をしますか? 敵と戦いレベルアップ? チートスキルを使って無双? いずれにしても、今の人生とは全く違うことをしてみたい……と思うものではないでしょうか。
    『独身貴族は異世界を謳歌する ~結婚しない男の優雅なおひとりさまライフ~』主人公のジルク・ルーレンの場合、第2の人生で目指すのは、現代の日本の「家電」のような道具を作る「魔道具師」。せっかく異世界転生したのに、ちょっと地味では? いったいなぜなのでしょう?

    実は、ジルクが、魔道具の研究をしているルーレン家に転生したのは神の計らい。前世での楽しみの大きな割合を占めていた「食」を充実させるべく、まだ8歳のジルクは冷蔵庫を開発するのです。

    1年中、新鮮な食材を確保できれば「食の楽しみ」が広がる……。子どもの考えることとは思えません。それもそのはず、ジルクの前世は、35歳・独身の独楽場利徳(こまばりとく)。高スペックなのに結婚しない、いわゆる“独身貴族”だったのです。

    独身貴族が愛するもの、それは「自由」! 人との距離を保ち、好きな時間に起きて、好きなものを食べ、好きな時間に寝る。一人でいれば、価値観のすり合わせや妥協も必要ないし、お金の使い道も自由です。適性のある者にとって、「孤独」は決して寂しいものではありません。

    たとえ、その末に待っているものが孤独死でも……!

    その生き様を気に入った「独神(ヒトリガミ)」によって、利徳は数々のスキルを与えられ、異世界に転生しました。
    異世界に転生しようが何だろうが、彼が目指すことはただひとつ!

    それは誰とも結婚せず、独身生活を謳歌(おうか)すること……!
    これは、異世界に転生しても結婚せずに自分のスタンスを貫く、一人の独身貴族の生活を描いた物語です。

     

    独身貴族は誰とも組まない

    独神に「幼少期をスキップしてくれ」とお願いすることをうっかり忘れたジルクは、家族とガッツリ関わりながら成長します。

    家族の縁はいいもの。しかし、容姿端麗、高身長、高収入、高学歴のハイスぺイケメンでありながら、独身を貫きたいジルクにとっては違います。跡継ぎ問題や結婚の催促と、煩(わずら)わしいことのほうが多いくらいです。

    ここ異世界においても、結婚もせず一人を貫くジルクはやっぱりマイノリティ。「結婚っていいよ」派の同僚との小競(こぜ)り合いや、

    「一人行動」に理解の少ない仕事仲間など、前世と同じような煩わしさもあります。

    異世界でも「一人焼き肉」はあまり市民権を得ていないようです。
    ジルクにとっては個室での一人焼き肉こそが至高なのに……。

    なお、この「焼肉屋」という業態を異世界に持ち込んだのもジルクです。前世の「好きなもの」は周囲を巻き込んででも異世界に持ち込むところに独身貴族の強いこだわりを感じますね。

    私のように貴族ではない独身にとっても「本当にそれ!!」と共感できるあるあるばかり。異世界でも現代でも、孤独を愛する独身たちを悩ませることは基本的に変わりません。特に「わかるわあ」となったのがここ。

    狩りのあと、眺めのいい場所で燻製とデイキャンプを楽しもうと思ってきてみれば、先客が……! こんな時「わ、仲良くなれるかも?」ではなく、ひたすら無念な顔になってしまうのがジルクらしい。独身貴族のパーソナルスペースは広いのです。

    しかし、先に来ていたのは相手のほう。文句を言いながらも場所を譲り、テキパキとタープの設営を済ませるジルク。基本的な生活力が高く、こんな時もやたら手際がいいのも独身貴族あるあるです。気を取り直して自作の携帯燻製器で燻製(くんせい)を作り、そろそろいいか?と開けてみると……。

    なぜか同じように目を輝かせる他人が……。先ほどの先客が、燻製の香りにつられてやってきました。

    交流するのは面倒だけど、分けるものは分けてあげて、さっといなくなってもらったほうが……。そう思っていたジルクに思いがけないおすそ分けが。燻製のお礼にと、おいしいワインを分けてもらえたのです。

    「いいものにいいもので返す精神」……。こうしてみると、ジルクは嫌な奴でも友達ができないわけでもありません。「誰とも組まないこと」と「いいヤツであること」は普通に両立します。我が道を行くおひとりさまぶりが清々(すがすが)しい!

     

    生まれた場所がどこであれ、独身生活を謳歌する

    前世の知識と努力で安定した収入を得て、気ままで優雅なおひとりさまライフを満喫するジルク。せっかく異世界転生したのに、ここまで前世と同じ生活にこだわる主人公はそうはいません。ジルクには、できる限り独身生活を謳歌してほしいところです。

    一人で生きる覚悟としっかりしたライフプランがあれば、どんなことでも自由なのが独身貴族です。炭酸水を沸かすことのできる宝具に、家が建つくらいのお金をポンと出すこともできてしまいます。

    自分の頑張りに、思わず歌いだしたくなる夜です。でも、そんな大声で歌って、お隣さんは大丈夫?
    そう、このあと「優雅なおひとりさま」と、隣人の関係に、何かが起きそうですごく気になるんですよ……! 続き待ってます!

    (レビュアー:中野亜希)


    ※本記事は、講談社コミックプラスに2022年12月5日に掲載されたものです。
    ※この記事の内容は掲載当時のものです。




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