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  • 山田涼介主演「親愛なる僕へ殺意をこめて」の実写ドラマがスタート!大ヒット「ミステリと言う勿れ」を手がけたフジテレビ・草ヶ谷大輔プロデューサーが次に仕掛ける本作の魅力とは?

    2022年10月05日
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    ファンギルド 野辺名
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    単行本は電子版を含めて累計1,700万部を突破した『ミステリと言う勿れ』(田村由美著/小学館)をドラマ化して大ヒットさせた草ヶ谷大輔プロデューサー。同プロデューサーと「ミステリと言う勿れ」の松山博昭監督が再びタッグを組み、この秋に放つのが「親愛なる僕へ殺意をこめて」(原作:井龍一、漫画:伊藤翔太/講談社)です。原作が累計130万部となる同作品はHey! Say! JUMPの山田涼介さん主演で、10月5日(水)午後10時から初回拡大スペシャルでフジテレビ系列にて全9話にて放送されます。

    「親愛なる~」は「ミステリ~」に引き続きミステリ・サスペンス系のストーリーで、よりハードなタッチの内容です。「話が面白くて一気に読んだ」と話す草ヶ谷氏に、この作品の魅力とドラマ化にあたっての工夫や戦略を語っていただきました。

    【プロフィール】
    草ヶ谷大輔(くさがや・だいすけ)
    フジテレビ 編成制作局 ドラマ・映画制作センタードラマ・映画制作部
    2007年フジテレビ入社、東京都出身、立教大学社会学部卒
    フジテレビでドラマ「人は見た目が100パーセント」(2017年)、「コンフィデンスマンJP」(2018年)、「トレース~科捜研の男~」(2019年)、「ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~」(2021年)、「ミステリと言う勿れ」(2022年)のほか、映画「コンフィデンスマンJP ロマンス編」(2019年)などを手掛ける

     

    どんでん返しの連続+人間ドラマに魅力

    ――「ミステリと言う勿れ」に引き続き、サスペンス作「親愛なる僕へ殺意をこめて」を手掛けられたわけですが、今回はなぜこの作品を選ばれたのですか?

    『親愛なる僕へ殺意をこめて』を最初に目にしたのは、「ミステリと言う勿れ」のドラマの編集作業の時でした。その演出を手掛ける松山博昭監督から「これ、やらないか?」と提案されたんです。松山監督とはこれまでにも数々のドラマでご一緒させていただいており、もっとも信頼できる監督です。なので、このドラマに関しては僕が見つけてきたわけではないんですよ(笑)。

    ――実際に読んでみて、どのような印象を持ちましたか?

    漫画を手に取ったときの第一印象としては、過激な描写もあったので実写化するのは難しいのではないかと思いました。ですが、読んでみたら話の転がり方がたいへん面白く、最終巻まで一気読みしました。サスペンスものとしても次の展開がどんどん楽しみになっていくほど引きこまれましたし、犯人が判明するまでの過程で登場人物の個々の人間ドラマも織り込まれていました。ストーリーを重視する観点でいえば、これはドラマにしたら最高なのではないかと思いました。

    ――特に魅力を感じたのはどのようなところでしょうか?

    なにしろ多くの登場人物に表の顔と裏の顔があって、どんでん返しもありますからね。映像にしたらきっと面白くなるだろう、と直感しました。

    真相を追及する側の中にもどんでん返しがあります。伏線もしっかり張った上で最終的に回収するところは、全9本の「連続ドラマ」という形態にもマッチしていると思いました。

    ――どんでん返しというと、主人公のエイジも二重人格ですしね。

    主人公が二重人格で、第三者がエイジの別人格である犯人を追いかけていくのなら、わりとありがちな話です。しかし今回は、二重人格の片方の人格が殺人を犯しているかもしれないと知ったもう一方の人格が、「自分探し」をしていく話です。エイジ自身が自分の「裏」を探るわけですね。この切り口がすごく新鮮だと思いました。また、「実は犯人は二重人格でした」とオチに使うケースは結構あると思うのですが、今回は「二重人格サスペンス」と銘打っていますので、視聴者は最初から主人公が「二重人格」と知らされています。これも、あまりないパターンですよね。

    そして、主人公を演じる山田涼介さんもおっしゃっていましたが、その「二重人格」に関連して、「A面」と「B面」が存在する漫画原作の構成自体も面白い。二重人格の「どちらか一方」を描くのではなく、前半と後半に分けて両人格を描いていくのです。もちろん、その点に関してもドラマは原作を踏襲していて、後半からは「B面」になっています。目が肥えたドラマファンの皆さんにも新鮮に映るのではないでしょうか。

     

    視聴者目線のヒロインをつくり、複雑なストーリーをわかりやすく伝える

    ――実際にドラマ化するにあたって、何か工夫されたところはありますか?

    原作では真明寺麗(しんみょうじ・れい)という、主人公を助けて事件の真相に迫っていく女性キャラクターが出てくるのですが、ミステリアスな存在なので、「ヒロイン」というような立ち位置に置くには少し難しいと思っていました。

    僕たちとしては、ドラマ化にあたって、ヒロイン的な立ち位置で視聴者と同じ目線でわかりやすくストーリーテリングしてくれる存在が必要だと考えました。ストーリーが複雑になっているので、ドラマと視聴者との距離が離れていってしまうことを避けたかったからです。主人公も二面性を持っているキャラクターですし、そのほかのキャラクターも裏表がある人が多い。魑魅魍魎の世界だけで物語が進んでいくと、視聴者も混乱してしまうかもしれませんから。

    ――そこで、ドラマでは真明寺麗の代わりに「ナミ」を活躍させたのですね。

    ▲主人公を助ける重要な役・ナミを演じる川栄李奈さん(場面写真)

    ヒロイン的な存在をどうしようかと考えているうちに、殺された畑葉子という人物と親友関係だったナミというキャラクターを見つけました。原作では一瞬しか出てこないんですが、もしかしてナミならこの事件に対して主人公と同じベクトルで追いかける「バディ」になりえるのではないかと考えました。その重要な役を川栄李奈さんに演じていただくのですが、そこが原作から大きく変えた部分ですね。

    ――一話一話のクライマックスにはかなりこだわっているそうですね。

    ドラマとして連続性はあるものの、一話一話の中で視聴者の皆さんに楽しんでもらうことを考えれば、各話の中にクライマックスを作ることは重要です。ハラハラドキドキさせるぐらいのアップダウンを作らないといけないですから、クライマックスのシーンに関しては、松山監督もカット割りを含めて、ものすごく細かく作業をしています。その集大成として完成したシーンは、非常に面白いと思ってもらえるはずです。

    全11巻を凝縮して今回9話分にしたのですが、とにかく各話に「イベント」があるんですよ。第1話でしたら半グレ集団「スカル」の中にエイジが潜入するシーンなど、イベントだらけの台本になっています。その全シーンに山田涼介さんはじめ、スタッフ、キャストは全精力を注ぎ込んで進めてきました。山田涼介さんはドラマでも二重人格で、さらにHey! Say! JUMPのライブではアイドルをやっているわけですから、撮影中はまさに「三重人格」(笑)。並大抵のエネルギーではできないと思います。

    ――その意味では、キャスティングにも注目ですね。

    実際、登場人物に裏表がありますから、キャスティングに関しては必ず「裏の部分」が視聴者にどう見えるのかまで計算する必要があります。ですから今回は、僕や松山監督が過去にお仕事させていただいた、信頼できる役者さんにお願いしています。門脇麦さんはその意味で注目の一人ですね。実際に現場で雪村京花(主人公の恋人)を演じている姿は、魅力的でした。

    ▲主人公の恋人・雪村京花役の門脇麦さん(場面写真)

    ――「ミステリと言う勿れ」でも魅力的な役を演じていらっしゃいました。

    佐井役の尾上松也さんも、「ミステリと言う勿れ」から引き続きお願いしました。実は尾上さんにはすごく悪い役を演じたいという欲求があって、衣装合わせのときにご本人から金髪にしたいという話が出たほどです。しかも、尾上さんが演じると、ただの怖くて悪い人というだけではなく、狂気性とか猟奇性とかも表現されていて、深みが出てくるんです。それは尾上さんがご自身の中で計算をされて、キャラクターを作り上げてくださっているからでしょう。

    ▲「ミステリと言う勿れ」に続き本作でも演技が光る、尾上松也さん(場面写真)

     

    視聴者の期待に応えるにはストーリーの「連続性」が重要

    ――普段から、ドラマ化を視野に入れて小説や漫画を読んでいらっしゃるのでしょうか?

    僕はあまりジャンルを問わずに読もうと意識しています。流行っているものや、人から「あれ面白いですよ」と聞けば、まずはその本や漫画を手に取ります。だからサスペンスとかミステリだけでなく、普通に少女漫画も読みます。

    ただ、連続ドラマという観点で見た場合、犯人は誰だろうという考察があったり、真実があぶり出されていくようなテーマのほうが個人的には好きなんだろうなと思います。今回の「親愛なる~」もそうなのですが、次から次へと新しい事実が暴かれていく「連続性」があるんですね。ラブストーリーであっても、どこかミステリアスなところがあって、それが暴かれるような話が面白いです。最近では犯罪者と対峙する精神鑑定医を描いた『十字架のカルテ』(知念実希人)が面白かったですね。

    ――ストーリーの中で次の展開につなげていく連続性が必要だということですね。

    今は1話完結のドラマが多くなってきて、全体で一つのストーリーをひっぱるような「連続性」で視聴者に見てもらうドラマ自体が少なくなってきています。そのせいか、どんな原作をドラマにしようかと考えるとき、1クール分をどうやって持たせるかをまず視野に入れることが多いんです。

    とくに今回は「水曜10時」の枠であり、「月9ドラマ」のターゲット層と比べると若干若い世代の人たちが視聴していることもわかっていました。フジテレビにとって「水曜10時」のドラマ枠は、月9ドラマや木10ドラマよりもネット配信を意識していく枠になっているんです。ネット配信の場合は最終話まで視聴してもらえることが重要で、そのためにはストーリーの「連続性」という要素がより大切になってきていると思います。

    ――今はテレビドラマもネット配信を視野に入れて制作しているんですね。

    Netflixなどの動画配信プラットフォームと勝負していかなければなりませんから、難しい時代です。しかも今の視聴者はすごく目が肥えている気がします。特に若い人たちは、テレビ以上にNetflixやHuluなどを見ていますし、海外ドラマも気軽に見ることができます。

    だからこそ、今後ドラマとして力を入れるべきだと思うのは、企画の入り口やパッケージよりも、やはり中身のストーリー部分だと思います。イケメンとかわいい女優が出会うだけのラブストーリーの企画ならすぐにできますが、今の視聴者はそんなドラマを「どうせ、昔のあのドラマとあのドラマを組み合わせただけでしょう?」などと、既視感を一発で見抜いてきます。僕ら以上に視聴者はドラマを見ていますからね。目の肥えた視聴者の期待に応えるためには、新鮮で見ごたえのあるストーリーが必要だという結論に行き着くんですよ。

    ――原作にもストーリー性を求めていると。

    もちろん、先にお話ししたように、この作品でもところどころ原作から改変している部分はあります。しかし、原作からあまりにも逸脱したり、改変し過ぎてしまうのもいけません。原作の良さが削がれてしまうのは良くないんですね。原作ものの映像化作品で失敗するケースというのは、おそらく改変し過ぎてしまったことが要因ではないかと思っています。ですから『ミステリと言う勿れ』にしてもこの作品にしても、あくまで原作からベースを変えませんし、お話から逸脱することは絶対にしないようにしています。

    ――なるほど。逸脱し過ぎては何のための原作あってのドラマ化なのか、と思いますよね。長時間のインタビュー、ありがとうございました。

    【ドラマ情報】
    放 送:10月5日(水)放送開始 初回は15分拡大! “水10”ドラマ(毎週水曜22時~22時54分)
    キャスト:浦島エイジ … 山田涼介 ナミ … 川栄李奈 雪村京花 … 門脇 麦 佐井 社 … 尾上松也 八野衣 真 … 早乙女太一 猿渡敬三 … 髙嶋政宏 桃井 薫 … 桜井ユキ 白菱正人 … 佐野史郎 浦島亀一 … 遠藤憲一 他
    原 作:『親愛なる僕へ殺意をこめて』(原作:井龍一 漫画:伊藤翔太 講談社ヤングマガジン刊)
    脚 本:岡田道尚(映画「マスカレード・ホテル」シリーズ、映画「LIAR GAME」シリーズ他)
    音 楽:☆Taku Takahashi(m-flo)
    主題歌:Hey! Say! JUMP「ウラオモテ」
    プロデュース:草ヶ谷大輔(「ミステリと言う勿れ」、「コンフィデンスマンJP」シリーズ他)
    総合演出:松山博昭(「ミステリと言う勿れ」、「信長協奏曲」他)
    制作著作:フジテレビジョン

     

     




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