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  • 「私ももう…大人なのかな…」15禁映画に翻弄される青少年たちのラブコメ?『R15+じゃダメですか?』

    2022年09月10日
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    宮本夏樹:講談社コミックプラス
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    R15+じゃダメですか? 1
    著者:裏谷なぎ 岸谷轟
    発売日:2022年07月
    発行所:講談社
    価格:715円(税込)
    ISBNコード:9784065285398

     

    大人になるってどうすればいいのでしょうか。何をしたら大人になるのでしょうか。
    ことし2022年の4月から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられましたが、そういうことではなくて。

    それまでは規制されていたものが徐々に解禁されていく思春期のころは、早く大人になりたいなんて思っていましたが。成人じゃないけど、お子様ではない境界線の時期。
    そんな年代が初めて解禁されるのがR15+指定の映画ではないでしょうか。
    この『R15+じゃダメですか?』はコミックDAYSにて連載中の、15禁映画に翻弄される?青少年たちのラブコメ?です。いい変化球がズドンと来ますよ。

    R15+というと、個人的にまず脳裏に浮かぶのはエッチなものです。その次にいっぱい人が死ぬホラーとかスプラッタが続きますが、やはり過激で刺激的なものが規制対象になるわけで、まさにこれが大人の入り口になる……わけですが、本作のヒロインの秋音は親から全ての娯楽を禁止されて育ってきた優等生です。

    映画を見たことすらなく、テレビドラマのキスシーンも見られないくらい刺激的なものが苦手で、しかしそれを克服したいと思っているピュアな子です。

    それがひょんなことから映画オタクの男子と知り合い、刺激的なものを克服するための荒療治として15禁映画を観るようになっていく、というお話です。ボーイミーツガールです。

    本作で紹介される映画のテーマは、刺激の強い15禁作品が中心なので、当然ラブシーンもありますし、ショッキングなシーンもあります。しかしながら一部を除いてAmazonプライムやU-NEXTのような映像のサブスクリプションサービスで視聴できるものがほとんどです。(※注 有料で配信しているものも多数あります)
    映像のサブスクリプションサービスが普及したことで映画はより親しみやすく、気軽な娯楽になったはずですが、あまりにも選択肢が多すぎて、選択肢が多いと却って選べなくなってしまう選択のパラドックスに陥ってしまっていないでしょうか。何を見ても損しないのに、時間を無駄にすることを恐れてしまって結局自分の慣れ親しんだ作品ばかり選んでしまうことばかりなので、本作のR15+縛りの刺激的な作品の紹介は自分の趣味の範囲を広げるのに非常に役に立ちます。

    そして作中には見どころとなるポイントが異なるタッチで描かれているため、ピンときた部分があれば、その部分はどこなのかを探しながら鑑賞できるので、ネタバレとは違う、宝探しのような感覚で映画に向き合えるのではないでしょうか。

    「あなたにはまだ早い」と遠ざけられていたものが、歳を重ねることで規制対象外の年齢になり、今まで見られなかった世界を覗き見ることができるようになる。大人になるってそういうことだったかもしれない、としみじみ思ってしまいました。

    今までろくな娯楽に接していない秋音ちゃんにはいきなりR15+は厳しいとは思いますが、私も本作のリコメンドを参考にしつつ、個人的に苦手なホラーを克服してみようかな、なんて考えてしまいました。
    そろそろ夏も終わり、秋の夜長を過ごすためのお伴探しにも役立ててみてはいかがでしょうか。ラブコメもしっかりときめきますよ。

    (レビュアー:宮本夏樹)


    ※本記事は、講談社コミックプラスに2022年9月3日に掲載されたものです。
    ※この記事の内容は掲載当時のものです。




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