「ゼロの焦点」「のぼうの城」などで日本アカデミー賞監督賞を受賞した映画監督・犬童一心さんがメガホンを取った映画「ハウ」が8月19日（金）より全国公開されます。ワンと鳴けない保護犬・ハウとちょっぴり気弱な青年・赤西民夫との絆を描いた作品で、犬童監督とともに本作の脚本を手掛け、かつ本作の原作小説を執筆したのは脚本家の斉藤ひろしさんです。
斉藤ひろしさんといえば、「ナミヤ雑貨店の奇蹟」などで日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞。ほかにも「余命1ヶ月の花嫁」「キセキ ーあの日のソビトー 」などの作品で、人と人との温かい繋がりや大切な人への想いを丁寧に描き続けてきました。
本作では、「人間の都合で声を失った犬が、傷ついた人々に生きる勇気を与えてくれるお話」（斉藤さん）と語る通り、犬と人との温かな絆とともに、傷ついた人々にそっと寄り添ってくれるハウによって癒されていく人々の物語を描いています。
この物語の誕生のきっかけについて斉藤さんは、幼い頃に自身の家族に仲間入りをしたとある野良犬とのエピソードが関係していると明かします。「犬は友であり、私の庇護者でもありました。犬が私たちに示してくれる愛と友情の深さは理解不能なまでに無限大。きみ、いったい、何者なの？ 私はずっとこの不思議な存在を小説にしたいと思っていました」（斉藤さん）。
また、「人は生きている限り、否応なく“喪失の痛み”と向き合わなくてはなりません。その悲しみの大きさに生きる気力さえなくしてしまう人もいるでしょう。でも、そこに誰かが寄り添ってくれるなら、人は笑顔になれるのではないか。そんな思いからこの物語を書きました。ハウは人間の都合で声を失った犬です。それでもなお、寂しさを抱える人々に寄り添い続ける。この作品でハウとめぐり会った人たちも誰かに優しくしたくなる、そんな小説であったなら幸いです」と本作に込めた思いについても語っています。
映画版の主人公も、原作同様、ハウと民夫の“2人”です。一部キャラクターや設定等の違いはあるようですが、かけがえのない存在として互いに想い合う民夫とハウの物語を中心に、ハウと出会う人々全てとの〈犬と人との絆〉を描き出すという大筋は変わりません。その上で、映画では映像化ならではの魅力も。
注目すべきは、ハウを演じた俳優犬・ベックの演技力。本作で演技初挑戦となったベックですが、「南極物語」「ハチ公物語」「クイール」「犬と私の10の約束」など、名だたる犬映画でドッグトレーナーを務めてきた宮忠臣さんから本格トレーニングを受け、監督をも唸らせる演技を披露したそうです。
ベックを取り巻く豪華キャスト陣も注目です。ハウと絆を深めていく民夫役には、「あなたの番です 劇場版」「そして、バトンは渡された」など多くの大ヒット作に出演し、幅広い表現力で存在感を放つ田中圭さん。本作のヒロインであり、民夫を支える同僚・足立桃子には池田エライザさん。民夫にハウを引き合わせる上司・鍋島史郎に野間口徹さん、史郎の妻・麗子に渡辺真起子さん。
そして、ハウが民夫を求めてひた走る道中で出会うキャラクターを長澤樹さん、モトーラ世理奈さん、宮本信子さんなど、高い演技力を誇る実力派俳優陣が演じています。さらに本作のナレーションは人気女優・石田ゆり子さんが務めます。
斉藤さんは、「小説には映画には登場していないキャラクターが多く登場し、各人の悲喜こもごもが描かれます。彼らはハウとの出会いによって癒され、孤独な魂が救われていきます。そして映画、こちらの最大の見せ場はなんといってもハウが劇中に見せる演技の素晴らしさと躍動感でしょう。小説と映画に共通しているのは、物語の最後、民夫が他人の幸せやハウ自身の幸せを考える人間にしっかり成長しているところです。この結末に、皆さんが共感してくださることを心から願っています」と語っています。
映画と小説、それぞれの魅力が光る「ハウ」の映画公開が迫る今、まずは原作小説『ハウ』でストーリーを予習してみるのはいかがでしょうか。
ある日突然、婚約者に捨てられた民夫。彼女と共に暮らそうと購入した一戸建てにたった一人で引っ越してきた民夫は人生に投げやりになっていた。そんな中で民夫の元にやってきたのが「ワン」と鳴くことができない保護犬だった。民夫は“ハウッ”と鳴くこの犬を「ハウ」と名付けた。初めは慣れない暮らしに戸惑う民夫だったが、ハウと一緒に生活を送っていくうちに、次第に元気を取り戻していく。そして、いつしかハウと民夫は、互いにかけがえのない存在になっていく――。2人の幸せな暮らしが続くかと思われていたある日、ハウは突然民夫の元から姿を消してしまう…。その喪失感で再び生きる気力を失う民夫。一方のハウはあるアクシデントによって遠い北の地に運ばれていた……。なんとしてでも大好きな民夫の元へ帰ろうと、遠い地からひた走るハウ…！ その道中で、ハウは新たに出会う多くの人々の気持ちに寄り添い、生きる気力を与えていく！ 果たして互いを想い合うハウと民夫は、無事に再会できるのか？ 2人に待ち受ける、優しすぎる結末とは？
【作品情報】
作品タイトル：ハウ
公開：8月19日（金）全国ロードショー
原作：『ハウ』斉藤ひろし（朝日文庫）
出演：田中圭 池田エライザ 野間口徹、渡辺真起子、モトーラ世理奈、深川麻衣、長澤樹、田中要次、利重剛、伊勢志摩、市川実和子、田畑智子、石田ゆり子（ナレーション）、石橋蓮司、宮本信子
監督：犬童一心 脚本：斉藤ひろし 犬童一心 音楽：上野耕路
主題歌:GReeeeN「味方」（ユニバーサル ミュージック）
企画・プロデュース：小池賢太郎 プロデューサー：丸山文成 柳迫成彦
企画・製作プロダクション：ジョーカーフィルムズ
製作幹事：ハピネットファントム・スタジオ 東映 配給：東映
公式HP：haw-movie.com
公式Twitter＆公式Instagram：@haw_movie2022
©2022「ハウ」製作委員会 配給：東映
