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  • 結婚生活は我慢の連続!? 心のモヤモヤを少しずつほどいていくエッセイ漫画『夫婦で作るメンタル安全基地』

    2022年07月02日
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    花森リド:講談社コミックプラス
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    夫婦で作るメンタル安全基地
    著者:ふっくらボリサット
    発売日:2022年05月
    発行所:講談社
    価格:715円(税込)
    ISBNコード:9784065278550

     

    結婚は「ナイスガマン!」の嵐?

    「やめるときも、すこやかなるときも」と誓いを立てたり、ハンコを押したり、「このたび入籍いたしました」とSNSで決意表明をしたり、とにかく夫婦が一組生まれるのはビッグプロジェクトに思えます。そう、なにかと大規模。だから夫婦間のグチを聞いても「そんなに腹が立つなら別れたら?」とか、おいそれと言えない。

    なぜあんな「やーめた」って簡単に言えなさそうなビッグな契りをわざわざ結んでモヤモヤを抱えてしまうのかが、未婚の私にはまだよくわかっていません。でもエッセイ漫画『夫婦で作るメンタル安全基地』で描かれる夫婦の試行錯誤はジワッと心に効いた。他人と他人が手を取り合うって尊い。

    そして結婚へのイメージが少し変わりました。

    これ! 私の想像する結婚生活もこれでした。お互いが耐えに耐え、相手に合わせ、生活を回していく……タフだよ。飛び交う「ナイスガマン!」にやがてパンクしそう。

    本作の作者・ふっくらボリサットさんも「ウー!」って爆発するんです。このままじゃ夫婦が続かない! ご破算だ!

    本作は、ふっくらボリサットさんと夫のサミ太郎さんが、いろんなすれ違いやケンカを経て、モヤモヤの少ない健やかなパートナーシップを築いてきた軌跡やメソッドを伝えます。

    ものすごく実践的なエッセイ漫画です。「お互い歩み寄りましょう」とサラッとひと言で片付けられがちな人間関係の試行錯誤とノウハウをリアルに積み重ねていきます。よくここまで言語化して棚卸しできたなあ、すごいなあ。

    「あっ」と気がつくこと多々。大切な人とのパートナーシップを育む方法がつまってます。

    とにかく心のモヤモヤを少しずつほどいていく内省と相手への働きかけの過程が見事。

    人間関係で心がどうしてつらくなるのかの仕組みもこの通り。わかりやすい。私もお気持ち通帳持ってるわ。

    なお、本作の副題は『「離婚するほどじゃないけどなんかモヤモヤするッ」を減らして持続可能な夫婦になる』。持続可能な夫婦。限界に達しない、参ってしまわない人間関係。いい。

     

    歩み寄りの三大奥義

    歩み寄りができないと関係は破綻するけれど、歩み寄りができれば、より深い信頼関係が育ちます。どうすればよいでしょう? まず失敗例。

    「しんどくなったから温泉に行きたい!」わかる。そしていきなり「温泉に行こうよ!」と提案して、いきなりすぎて即却下されて、双方がモヤモヤ。

    友人関係ならばモヤモヤはこの辺りでストップしますが、夫婦の場合はここからさらにモヤモヤの沼に突入するんです。

    近すぎる他人同士のすれ違いが切ない。ふっくらボリサットさん夫妻はこれをどう切り抜けたか? まずは丁寧に伝えること!

    「伝え力」のポイントに注目。少しの気遣いでやりとりが変わるもんなんだなあ……。そして、伝えたあとは、受け止めるための「受け力」が大切です。

    「聞いてあげたいけど今は忙しい」「土曜日の10時はどう?」。建設的だ。絶対に会いたい相手とのデートを決めるときのやりとりを思い出す。

    そして、良質なコミュニケーションを育むには、お互いの姿勢プラス環境も大切です。

    散歩するといいアイデアが浮かぶこともありますもんね。真夜中はドン詰まるし。なるほど「場力」ってめちゃめちゃ大切だな。

    餅つきのように無心になってラリーを繰り返す2人。私はつい「何が言いたいの?」と言いがちだな……このままじゃお餅はおいしくならない。

    伝えて、受け取って、それを適切な場所で繰り返す。こうすればお互いが歩み寄ることができて、やがて2人のモヤモヤは軽くなるはず。

    そうか。よいパートナーって自分にとっての安全基地みたいな存在なんだ。

    結婚したからって自動的にパートナーシップがタケノコのように生えてくるわけじゃないんですよね。意識して、苦心して、やっと育つ大切な生き物みたい。

    「あなたともっとわかり合いたい」と握手をして、うまくいかなくてもあきらめずにトライを繰り返して、歩み寄る。そしてお互いがお互いの最強の味方になる。いいな。結婚って挑む価値のあるプロジェクトかも。

    (レビュアー:花森リド)


    ※本記事は、講談社コミックプラスに2022年6月19日に掲載されたものです。
    ※この記事の内容は掲載当時のものです。




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