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  • 菅野美穂、永作博美、安野モヨコ…輝く25人の女性たちのエールが詰まった『わたしたちが27歳だったころ』

    2022年06月04日
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    講談社BOOK倶楽部
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    わたしたちが27歳だったころ 悩んで、迷って、「わたし」になった25人からのエール
    著者:with編集部
    発売日:2022年04月
    発行所:講談社
    価格:1,540円(税込)
    ISBNコード:9784065279991

     

    輝く25人からのエール

    年下の友人たちから悩みを相談されることが増えた。自分にも悩みはあるが、それは彼女たちの「先の見えないつらさ」とは違い、「やることは見えていて、そこに向けて進む」途中の苦しさという感じだ。でも、20代後半は本当によく悩んだ。友達と会えば「もうアラサーだよ」と、年を取ったことを嘆くこともあった。今思えば、それでも無限の選択肢が目の前にあったし、本当に自由でなんでもできた。あの頃の悩みは、選択肢が多すぎたゆえの迷いだったのかもしれない。

    『わたしたちが27歳だったころ  悩んで、迷って、「わたし」になった25人からのエール』は、雑誌「with」の連載「わたしが27歳だったころ。」をまとめた1冊だ。「with」読者層の平均年齢である27歳に向け、いろいろな分野で活躍する女性たちに当時の話を聞いている。迷いの多い読者の背中を押してあげられるかもしれない。編集部のそんな思いと、「25人からのエール」というフレーズに惹(ひ)かれて本を開く。

    目次の時点でもうグッときてしまう。
    俳優からクリエイターまで、25人の女性たちが歩んできた人生と、そこから得た学びがリアルに語られている。この本は最初から通して読んでもいいし、心惹かれた見出しや、あこがれの人の記事から読み始めてもよい。どこを開いても、およそ1500字ほどの文章にそれぞれの「27歳だったころ」が凝縮され、心に刺さるエピソードたちがきらめいていた。

     

    ビジョンや夢がなくたって

    「私には『夢』なんてないかも」と思っている人に読んでほしいのは、『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』『MIU404』などの大ヒットドラマを手掛けている脚本家の野木亜紀子さんのページだ。

    フィクションを作りたかったのに、成り行きで受かったドキュメンタリー制作会社でノンフィクションを作ることになった野木さん。あまり興味が持てない仕事をこなすうち、仕事がしんどくなり、初心に戻って脚本家を目指すことに。そのためにテレビの仕事をすべてやめたのは「28歳か29歳の頃だったと思います」。それから、「フジテレビのヤングシナリオ大賞で入賞する」という目標を達成するまで、6年かかったという。

    その6年間は応募原稿を書きながら、いろいろなところで働きました。アルバイトで日銭を稼ぐ生活で、肉体労働もしましたし、派遣でオフィスワークも経験しましたよ。(中略)
    いろんな職場で働いた経験は、今、脚本を書く仕事に活きていると思います。日本のドラマって、女同士のギスギスした関係を描きたがるけど、職場で女同士協力して、裏表なく良い関係を築いている人たちをたくさん見ました。

    「やりたいことがあったのに、成り行きでほかの方向に進む」ことは、年齢の面でも焦(あせ)りを感じ始める27歳の目には「それでいいの?」と映るかもしれない。30歳を目前にキャリアを捨て、非正規で働きながら夢を追うのも不安を感じるだろう。しかし、野木さんのドラマには「こんな人いないでしょ」というキャラクターが出てこない。どんな奇抜なキャラクターも、ドラマが終わった後も、本当にどこかで生きていそうなリアルさを感じる。あのリアリティがこんな経験から生まれてくるのなら、何事も「遠回り」ではないのかもしれない。野木さんは言う。

    今、目指したいビジョンや夢が何にもなくたって、まだまだこれからじゃん!

    そして、「当時のわたし」として、野木さんがカラオケで熱唱する写真が掲載されている。20代後半は極貧生活だったという野木さん。「銀行口座に残っている400円が欲しくて、手元の600円を入れて1000円にして引き出すとか、みみっちいことをして生き延びていました(笑)」なんてエピソードも披露してくれている。

    本書は連載陣がとても豪華なのにもかかわらず、誰もカッコつけたうわべだけの話をしておらず、こういった「素」の語り口を見せてくれるのがいい。このほかにも「ストレスの発散方法を知らず、飲んでばかり」「自分が売れるにつれて金銭感覚が合わなくなってきた彼氏と、仕事の前に泣きながら別れ話。そのまま仕事に行かなくてはいけなかった」など、27歳前後の女性ならどこか覚えのあるような辛いエピソードを語る人も多い。今、順調に見えてキラキラ輝いている大人の女性たちも、何の障害にもぶち当たらなかった、なんてことはないのだと思うと、勇気をもらえる気がする。

     

    27歳ってなんでしんどいの?

    ピンポイントで「27歳」にエールを送るこの本。「27歳」って、どうしてしんどいことばかりなんだろう。西洋占星術には、「28歳成人説」があるという。

    “28歳が成人”と言われるのは、土星が、約28年かけて太陽の周りを一周するからだとか。占星術における土星の役割は、要所要所でその人の人生を豊かにするための”課題”を与えること。27歳という年齢が、ほとんどの人にとって生きづらい時期なのは、成人一歩手前の、最終課題をクリアするタイミングだからなのかもしれません。

    「現代人は実年齢×0.7くらいの精神年齢。昔の人に比べて幼い」という話を聞いたことがある。占星術は統計学なので、「27歳は成人一歩手前」というのも、なんとなく納得だ。でも、当時は「もうすぐ30歳なのに」という焦りがあったし、年齢よりずっと子供っぽい自分のことも嫌だった。あの頃の自分に「あんまり心配するなよ」と、この本を手渡してあげられたらな、と思うのだ。

    大ヒットマンガ『ハッピーマニア』などを手掛ける安野モヨコさんは、27歳に向けてこんなエールを贈る。

    まだまだ体力があってダメージを負っても回復できる年齢。次々に試練がやってきた時はどんどん乗り越えながら、「どうしよう! こんなに乗り越えてたら絶対幸せになってしまう!!」と考えるようにしてました。この考え方、おすすめです!

    (レビュアー:with編集部)


    ※本記事は、講談社BOOK倶楽部に2022年5月19日に掲載されたものです。

    ※この記事の内容は掲載当時のものです。

     

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