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  • “こんどの相手はいままで出会ったことのないやつらだ” 『絵本 はたらく細胞』で新型コロナウイルスについて学ぼう!

    2022年03月06日
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    中野亜希:講談社BOOK俱楽部
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    こんどの相手はいままで出会ったことのないやつらだ

    人間の体の中で元気にはたらく細胞たちをキャラクター化したマンガ「はたらく細胞」。シリーズ累計700万部越えの大ヒット作です。細胞たちは、ばい菌や食中毒、インフルエンザとたたかい、人間の健康を守ってきました。

    そんな彼らに、出会ったことのない敵が現れます。『絵本 はたらく細胞 初めての敵! 新型コロナウイルス』は、子どもたちやその家族にとっても切実で、流行がなかなか収束しない「新型コロナウイルス」についてのお話です。

    方向音痴なドジっ子・赤血球。鋭い目つきでクール、めちゃめちゃ強い白血球(好中球)。小さくてかわいいけれど、仕事を頑張る血小板……。絵本になった本書には、マンガ「はたらく細胞」本編でおなじみの細胞たちが、さらに可愛くなって登場します。

    はじめて「はたらく細胞」を読む人も、原作マンガ本編はまだちょっと難しいかな?というお子さんも、彼らがどんな仕事をしているか、このページで知ることができます。

     

    「たおしても、たおしても…へらないぞ!?」

    ここは、人間の体の中。たくさんの細胞たちが元気に働いています。白血球の仕事は、体の中に入ってきた細菌やウイルスなどの敵とたたかうこと。ある日、パトロールをしていると、何やらみんなが騒いでいます。

    見たことのないウイルスが入ってきて、どの抗体も効かなくて困ってる――。B細胞と記憶細胞は困り顔。
    その間にも、未知のウイルスによる感染が始まってしまいます。

    その未知のウイルスは「新型コロナウイルス」!
    免疫細胞たちは、ウイルスをたおすために立ち上がります。

    はたらく細胞たちにとって、新型コロナウイルスは初めて見るウイルス。でも、たいしたことはなさそう。細胞たちは「こいつら全然強くねえぞ」と感じていました。しかし……。

    たたかいはなかなか終わらず、コロナに感染した人間の味覚や嗅覚にも異常が出はじめます。細胞たちがたおしてもたおしても、ウイルスは減りません。

    新型コロナウイルスとたたかっている間にも、人間の体はどんどん弱っていきます。
    そんなとき、細胞たちを元気づける「サイトカイン」が放出されます。
    やる気をみなぎらせる細胞たち。しかしこれは、人間の体をさらなる危機に晒す、緊急事態の幕開けだったのです……!

     

    大人もよくわかる「新型コロナ」

    「サイトカインってなに?」「コロナにかかるとなぜ、体がどんどん弱っていくの?」
    本書には日々ニュースを見ていても、いまいちよくわからなかった新型コロナについてのあれこれや、体の中で起こっていることが、大人が見ても「なるほどな」と思えるわかりやすさで描かれています。
    原作では血みどろのキラーT細胞たちの虐殺シーンも、グーパンチでポカっ!と絵本ちっくに描かれているのもいい。テンポの良さはそのままに、子供たちにとっても怖くなく、いい感じに楽しみながらお勉強にもなりそうです。

    さて、物語では、弱ってしまった人間の体を救うため、赤血球が立ち上がります。

    ほかの細胞たちも、自分たちがやれることを一生懸命やろう!と決意を新たにします。
    細胞たちは、はじめての敵・新型コロナウイルスに打ち勝つことができるでしょうか?

     

    楽しいから、よくわかる

    人間の細胞がキャラクターになり、病気とたたかう……。それが、こんなに面白いお話になるなんて。絵本のストーリーを追っていくと、人間の体のしくみ、細胞たちのはたらきがとてもドラマチックであることがわかります。
    物語に加えて、幼い子供も楽しめる「新型コロナウイルスをさがそう!!」といった遊びのページや、「新型コロナウイルスって?」「新型コロナウイルスに負けないように」といった、細胞たちに関する知識や新型コロナ対策も身につくコラムもあり、幼児から大人まで、楽しみながら新型コロナウイルスの知識を得られるのがこの絵本の大きな魅力です。

    そして、この絵本のように重症化しない人もいる(かもしれない)新型コロナウイルスですが、やっぱり感染しないことが一番です。子どもたちが「予防につとめる」にはどうすればいいかも、きちんと書かれていますよ。

    子どもたちも一緒に、本書にある「マスク」「手洗い」「換気」といったコロナ対策を心がけ、一緒にコロナ禍を乗り越えていきたいですね。本書は、その関心の第一歩になる1冊だと思います。

    (レビュアー:中野亜希)


    ※本記事は、講談社BOOK倶楽部に2022年2月23日に掲載されたものです。
    ※この記事の内容は掲載当時のものです。




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