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  • 【Vol.11:森田真生】編集者が注目!2022はこの作家を読んでほしい!

    2022年01月02日
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    ほんのひきだし編集部
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    2020年から続く新型コロナウイルスの流行で、人々の生活や価値観が大きく変化した2021年。一方で、本を開くだけで無限に想像力と世界が広がる「文芸書」が、身近なエンターテイメントとして再認識される年でもありました。

    ほんのひきだしでは「編集者が注目!2022はこの作家を読んでほしい!」と題して、各出版社の文芸編集者の皆さんから【いま注目の作家】をご紹介いただきます。

     

    集英社編集者 岸優希さんの注目作家は「森田真生」

    森田真生(もりた・まさお)
    1985年生まれ。独立研究者。2020年、学び・教育・研究・遊びを融合する実験の場として京都に立ち上げた「鹿谷庵」を拠点に、「エコロジカルな転回」以後の言葉と生命の可能性を追究している。他の著書に『数学する身体』(2016年に小林秀雄賞を受賞)、『計算する生命』、絵本『アリになった数学者』、随筆集『数学の贈り物』、編著に岡潔著『数学する人生』がある。

     

    京都・東山のふもとで紡がれる精緻な思考

    独立研究者・森田真生さんに初めてお会いしたのは、2016年のこと。森田さんが『数学する身体』で小林秀雄賞を史上最年少で受賞されるすこし前の春でした。万年文系で生きてきた自分が、数学という営みやその歴史について森田さんが縦横無尽に語るイベント「数学の演奏会」に足を運び、人生で初めて「数って、数学って、こんなにおもしろかったのか!」と驚嘆し、当時在籍していた文芸誌「すばる」への寄稿依頼のお手紙を出したことがきっかけでした。

    5年の月日が流れ、その間にインタビューやエッセイなどのご寄稿で幾度もお世話になりながら、2021年秋についに刊行した作品が『僕たちはどう生きるか 言葉と思考のエコロジカルな転回』です。本書は、終わりの見えないパンデミックの一年を記録したドキュメント・エッセイ。森田さんが緊急事態宣言を受けて付けはじめた日記や、当時読んでいた多種多様な文献を織り交ぜながら、この時代に「心を壊さず、しかも感じることをやめないで生きていくため」の思考を紡いだ一冊です。

    本書のもととなった連載の第1回は、「すばる」(2020年7月号)の特集「気候変動と向き合う」へのご寄稿文として、2019年後半から準備が進められていました。パンデミックの有無を問わず向き合われるはずだった「どう生きるか」という切実な問いが、感染症の出現により、一層の緊迫感と生々しさをもって社会全体で共有されることになったのでした。

    講演会で全国各地を飛び回っていた日常がすべて停止し、お住まいの京都に留まりながら、暮らしの「転回」を決意した森田さん。生き方を大胆に変える勇気と、身近な他者と精緻に向き合う姿勢は、優しく鮮やかで刺激的です。パンデミックの状況は少し落ち着きつつありますが、「時代の転換期」であることは今なお疑いようがありません。ご自身のこれからの生き方について立ち止まって考えてみたいという方に、ぜひ手に取っていただきたいです。

    (集英社 文芸編集部 文芸書編集 岸優希)

    僕たちはどう生きるか
    著者:森田真生
    発売日:2021年09月
    発行所:集英社
    価格:1,760円(税込)
    ISBNコード:9784087717570

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