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  • 【Vol.1:珠川こおり】編集者が注目!2022はこの作家を読んでほしい!

    2021年12月23日
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    ほんのひきだし編集部
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    2020年から続く新型コロナウイルスの流行で、人々の生活や価値観が大きく変化した2021年。一方で、本を開くだけで無限に想像力と世界が広がる「文芸書」が、身近なエンターテインメントとして再認識される年でもありました。

    ほんのひきだしでは「編集者が注目!2022はこの作家を読んでほしい!」と題して、各出版社の文芸編集者の皆さんから【いま注目の作家】をご紹介いただきます。

     

    講談社編集者 山下直人さんの注目作家は「珠川こおり」

    珠川こおり(たまがわ・こおり)
    2002年東京都生まれ。小学校2年生から物語の創作を始める。高校受験で多忙となり一時執筆をやめるも、高校入学を機に執筆を再開する。本作『檸檬先生』で第15回小説現代長編新人賞を受賞。

     

    あふれる色、ほとばしる感情を描く。

    第15回小説現代長編新人賞を受賞した『檸檬先生』では、音や数字に色が見える「共感覚」をモチーフに、中学3年生の少女(檸檬先生)と小学3年生の少年の関係を通じて、「人を愛すること」について描いています。

    衝撃的なプロローグ、瑞々しい文体、色が浮かび上がるような描写力。高校生とは思えない筆致に、選考することを忘れて夢中で原稿を読み進めていました。18歳(受賞当時)の珠川こおりさんのデビューは、新たな世代の作家の誕生であり、まさに鮮烈ともいえるものでした。

    本作の改稿中、結末がわかっているにもかかわらず、終盤に連れて何度も涙したことはいまでも記憶に残っています。

    装画を漫画『ブルーピリオド』の作者である山口つばささんに手掛けていただいたことも、本作を語る上では欠かせません。苦悩や葛藤を汲み取ってくださり、ファム・ファタールともいえる存在の「檸檬先生」を見事に体現して、鮮やかな装画に仕上げてくださいました。イラストやデザインを気に入ってジャケ買いしたという感想も数多くいただいています。

    この原稿を執筆している現在、7刷の重版が決定しました。単行本にもかかわらず、読者の中心が10〜20代ということにも非常に驚いています。

    珠川さんは、受賞のことばで「この作品は決して明るい物語ではない」と語られました。自分が少年の立場だったら、どのような言葉を掛けられただろうか。

    『檸檬先生』は、今を生きる人にとって、大切なことを教えてくれる令和の『こころ』であり、多くの読者の救いの物語にもなり得ることを信じています。珠川さんの才能にどうかご期待ください。

    (講談社 文芸第二出版部 山下直人)

    檸檬先生
    著者:珠川こおり
    発売日:2021年05月
    発行所:講談社
    価格:1,485円(税込)
    ISBNコード:9784065228296

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