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2021年の出版業界を語るうえで外せないキーワードの「TikTok売れ」。TikTokで紹介された過去の名作が、一気に売上を伸ばす現象が数多くありました。
その火付け役といっても過言ではないのが、TikTokクリエイターけんごさん。TikTok内の本の紹介において、いま最も大きな影響力を持つインフルエンサーで、TikTokフォロワー数は27万人にものぼります(12月10日現在)。
(撮影:森 清)
『残像に口紅を』(中央公論新社)や『交換ウソ日記』(スターツ出版)など、これまでけんごさんによって紹介された小説は品切れが相次ぎ、投稿をきっかけに数多くの作品が重版されています。
そんなけんごさんの協力のもと、「第1回けんご大賞」の11作品が発表されました。けんごさんが1年を振り返り、今年読んで面白かった作品を【ベストオブけんご大賞】【けんご大賞】【特別賞】として選定しました。
対象作品は、全国の約800書店にて12月16日(木)から順次フェア展開され、12月22日(水)に発売の「小説現代 2022年1・2月合併号」(講談社)誌面にて、「けんご大賞」の詳細が掲載されます。
また、12月22日(水)に紀伊國屋書店新宿本店1F広場にて、「けんご大賞」フェア記念イベントの開催も決定しています。
選定された作品は、以下の通り。書店でフェアで展開されるけんごさんのPOPコメントとともにご紹介します。
【ベストオブけんご大賞】
『死にたがりの君に贈る物語』(綾崎隼/ポプラ社)
【けんご大賞】
『N』(道尾秀介/集英社)
『オーラの発表会』(綿矢りさ/集英社)
『君の顔では泣けない』(君嶋彼方/KADOKAWA)
『月曜日の抹茶カフェ』(青山美智子/宝島社)
『白鳥とコウモリ』(東野圭吾/幻冬舎)
『ばにらさま』(山本文緒/文藝春秋)
『星を掬う』(町田そのこ/中央公論新社)
『檸檬先生』(珠川こおり/講談社)
『夜行秘密』(カツセマサヒコ/双葉社)
【特別賞】
『白い薔薇の淵まで』(中山可穂/河出書房新社)
ベストオブけんご大賞に輝いたのは、綾崎隼さんの青春ミステリ『死にたがりの君に贈る物語』でした。
本作は、謎に包まれた小説家・ミマサカリオリと、その熱狂的なファンたちを巡る青春ミステリー作品。物語は「ミマサカの死」から始まり、ミマサカに心酔していた16歳の少女・純恋が後追い自殺をしてしまいます。純恋の自殺は未遂に終わるものの、彼女は「完結編が読めないなら生きていても意味がない」と嘆きます。
その後、純恋を含む男女7人のミマサカファンが集まり、未完であるミマサカの小説『Swallowtail Waltz』をなぞり、とある山中の廃校で共同生活を行うことで、作品の結末を探ろうとするのですが……。
けんごさんのPOPコメント
涙なしでは読めない、今年の最高傑作の
青春ミステリです! 大袈裟でもなんでもありません。
この作品は、人を救います!
綾崎隼さんのコメント
小説家になって12年。『死にたがりの君に贈る物語』は、これまでに頂いてきたファンレターへの返信のつもりで書いた本でした。しかし、けんごさんはこの本で、私の本を初めて手に取って下さったと聞きました。それが、少し不思議で、でも、とても素晴らしいことだと感じています。
まだ出会えていないだけの読者さんが沢山いると信じて、今日まで作家を続けてきました。初めましての皆様に出会える素敵なチャンスを頂けたことに、深く感謝しています。
@kengo_book 多くの人に読まれるべき作品。素晴らしすぎます。 #本の紹介 #おすすめの本 #小説 #小説紹介 ♬ 花に亡霊 – ヨルシカ
■『N』(道尾秀介/集英社)
けんごさんのPOPコメント
驚きました。こんな作品、初めてです……!
電子化が進む現代だからこそ、
紙で読むべき作品だと強く思います!
道尾秀介さんのコメント
まったく違うメディアがこうして一つになれるのは嬉しいことです。
翼を選んで空を飛ぶか、手足を選んで陸を支配するかではなく、
協力し合ってスーパーマンのようなものを誕生させるのは、
僕も創作で目指している到達点の一つです。
■『オーラの発表会』(綿矢りさ/集英社)
けんごさんのPOPコメント
……なんだろう。上手く言葉にできないのですが、
全く飽きずに一気読みでした!
主人公の不思議な感じが癖になって抜け出せません!
■『君の顔では泣けない』(君嶋彼方/KADOKAWA)
けんごさんのPOPコメント
強烈に引き込まれました。
もし、自分が同じ立場だったらどうするだろうか。
男女入れ替わりストーリーの、新たなる名作です!
君嶋彼方さんのコメント
「“若者の活字離れ”は絶対に間違っている」
僕が一番印象に残っているけんごさんの言葉です。
けんごさんはTikTokという新しい媒体で小説を紹介し続け、
多くの若者が本と出会う機会を作ってくれました。
そんな中、『君の顔では泣けない』が選ばれたのは本当に光栄です。
このことをきっかけに、この作品が若い人を始めもっと多くの人々に届き、
そして何かを感じ、得られることを祈っております。
この度は本当にありがとうございました。
■『月曜日の抹茶カフェ』(青山美智子/宝島社)
けんごさんのPOPコメント
疲れている人にオススメしたい、ホッとする一冊でした!
“ご縁”って素敵ですよね。
こんなに優しい気持ちになれる作品は、なかなかありません!
青山美智子さんのコメント
けんご大賞という素敵な賞をいただき、とても嬉しく思っています。抹茶色の12ヵ月の物語に、さらにひとつ、フレッシュで鮮やかな色彩を与えていただいたような気持ちです。「縁」をテーマにした小説『月曜日の抹茶カフェ』を通して、この本をお手に取ってくださった方々と新たなご縁が繋がり広がっていくことを願ってやみません。どうもありがとうございました。
■『白鳥とコウモリ』(東野圭吾/幻冬舎)
けんごさんのPOPコメント
結末が全く予想できない……。
この作品は、今後も読み継がれるべき、
現代社会を象徴する最高のミステリ作品だ!
東野圭吾さんのコメント
やった! けいご大賞とW受賞だ!
■『ばにらさま』(山本文緒/文藝春秋)
けんごさんのPOPコメント
短編だからこそ生み出せるような、
凝縮された読書体験でした! 切なくて苦しくて……。
どのお話も胸を締め付けられます。
■『星を掬う』(町田そのこ/中央公論新社)
けんごさんのPOPコメント
グッとくるものがあり、思わず涙が……。
自分の心を救うのは、自分自身だ。
そんなことをこの作品から学びました。
町田そのこさんのコメント
TikTokという新しい世界で物語を広めて頂き、ありがとうございます。
私が学生のころにこんなコンテンツがあれば、もっと読書が豊かになったのだろうな。
■『檸檬先生』(珠川こおり/講談社)
けんごさんのPOPコメント
理解しようとすること、
受け入れることの大切さを学びました。
これは間違いなく、多くの人に寄り添う作品です!
珠川こおりさんのコメント
新人賞受賞作で選ばれることになり、嬉しくてとてもドキドキしてます。
今回の受賞を機に、より多くの方々に届きますように。
この度は、ありがとうございました!
関連記事:【Vol.1:珠川こおり】編集者が注目!2022はこの作家を読んでほしい!
■『夜行秘密』(カツセマサヒコ/双葉社)
けんごさんのPOPコメント
価値観、恋愛、SNS……
この作品をこの時代に読めてよかった。
現代を生きる人に寄り添う、今こそ読むべき作品です。
カツセマサヒコさんのコメント
「若い人が本を読まなくなった」と言われて久しいですが、けんごさんの情報発信への反応を見ていると、小説の世界はもっと多くの人に愛されていけると勇気をもらえます。この受賞をきっかけに、自分の本からまた別の本へと、物語に興味を持つ方が増えたら幸いです。
POPコメント
食い入るように読みました。
この作品こそが、究極の恋愛小説。
読者が苦しくなるほどの『愛』を表現した作品です。
中山可穂さんのコメント
エロスとタナトス、愛と死がこの世のすべてである。
この小説を再び紙の本で読者に届けられることを嬉しく思います。
膨大な本の中からこの本を見つけてくださったけんごさん、ありがとうございます!
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