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  • 読むと旅に出たくなる、女子2人の旅行記短編集|「逃げ恥」の海野つなみが20年間描き続けた『Travel journal』

    2021年10月24日
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    花森リド:講談社コミックプラス
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    Travel journal
    著者:海野つなみ
    発売日:2021年09月
    発行所:講談社
    価格:880円(税込)
    ISBNコード:9784065246788

    女子旅!

    女友達と行く旅行の、他愛のない時間が好きだ。旅行中の私は浮かれすぎて適当な写真を撮りがちだけど、友達との旅行で撮るそれのカオス度が最も高い。「観光名所もたくさん行ったのに、よりによって何故そこで写真を撮ったんだろう私たち?」と首をひねるようなカットが山のように収められている。とてもじゃないが1枚たりともインスタには載せられないが、カメラロールを見返して笑う。「意味なんてない!」って、他愛のないことって、豊かで楽しい。

    これこれこれ! おしゃべりがビュンビュン飛び交って止まらなくてテキストに書き起こしたら日常の100倍くらいの文字数だと思うのに、でも少しも胸焼けしないの! 女子旅すごいよね。

    『Travel journal(トラベルジャーナル)』は、女子2人の旅行記短編集だ。あるときは海外でショッピング、またあるときは国内の五つ星ホテルでアフタヌーンティー。遠出だけじゃない。ワンマイルのおでかけも、なんなら自宅から出なくたって、私たちは非日常を引き寄せることができる。

    ユニットバスからニューヨークにだって行けるよ(引っ越し祝いのチョイスがまた最高!)。

    20年間少しずつ描かれてきたこの旅行記は、行き先や旅のスタイルをカラフルに変えながら「旅っていいよね」を描く。

    そう、お目当てのものがダメだったときのプランBを考えるのも軽やかで楽しいんだよなあ。考える過程がすでに旅だから、たとえパーフェクトじゃなくても、他愛のないおしゃべりを無限に重ねても、すべて無意味なんかじゃなく、心は満たされる。日常が愛しくなる。

    これだよこれ、わかるよ……と唸りながら読んだ。

     

    「どっか行きたくない?」「いいねー」

    編集者の“たまちゃん”と書店員の“ヒナ”は大の仲良し。2人はいろんな女子旅に繰り出してきた。

    わかる、計画書を作ってる時が最高に楽しい。あと「どっか行きたくない?」「いいねー」と言い合える友達の大切さ! 大人になればなるほどしみる。

    そんな2人の旅を少し紹介します。まずは格安ツアーで行くハワイ。1人49,800円!

    着く前からテンションは最高値。で、めくるめく4泊6日のハワイ旅が始まって、ショッピング、食事、ショッピング、観光、ショッピング、ショッピング……と隙間なく存分に楽しんだ最終日の顔がこちら。

    めちゃくちゃリアル。帰ったら仕事と日常が待っている……そんな2人に30分だけの「空白」が与えられる。

    最後の最後に公園に寝転がって少しだけ休憩。30分のお昼寝だって豊かなバカンスになる。

    そして、パンデミックで旅行どころじゃなくなった2020年。私もこんな会話をたくさんしました。

    直接会うのもままならないときに電話で「行ける時にいろいろ行っておいてよかった」「また行きたいな」と語り合い、旅先でおいしかった思い出のお菓子をおうちでそれぞれが作ってみる。これもまた豊かな女子旅のひとつ。

     

    「旅行先で何着る?」「寝坊!」旅のあるあるたち

    旅の準備で一番ギリギリまで考えるのが「何着ていこう?」だ。本作ではたまちゃんとヒナの着回しも載っている。旅行に出発する前から始まるコーディネートがめちゃリアルで楽しいよー!

    着厚ソックス、私も必ず機内に持ちこみます! (五本指タイプ楽チンそうだから試してみよう)

    旅のあるあるといえば、起こってほしくないが不思議と起きてしまうトラブルがこちら。

    「少し遅れちゃってゴメン、と思ってたら相手がもっと豪快に遅刻してくる」! 肝が冷えるね!

    あと、次のページもすごく仲のいい2人の旅なんだなあと伝わってきて大好き。

    みんなそれぞれ独立しているから、行き先は同じでも飛行機でビジネスクラスを取る子もいれば、エコノミークラスを取る子もいる。で、スーツケースの重量超過やチェックインで助け合って「またあとでね!」と一旦お別れ。恋人同士や家族との旅行だとあまり見ない風景です。

    それぞれにちがう人生があって、でも仲良しで、時々「いいねー、行こうよ!」って女子旅のプランを練って、トラブルも旅もまるごと楽しめる関係って、いいな。

    (レビュアー:花森リド)


    ※本記事は、講談社コミックプラスに2021年10月10日に掲載されたものです。
    ※この記事の内容は掲載当時のものです。




     

     

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