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  • 元婚約者から逃亡した出戻り女性が不器用男と茶農園で偽装結婚!?

    2021年08月28日
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    黒田順子:講談社BOOK倶楽部
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    この恋、茶番につき!? 1
    著者:山中梅鉢
    発売日:2021年04月
    発行所:講談社
    価格:726円(税込)
    ISBNコード:9784065229590

    評判通り、いや、想像以上に面白い!! 何が面白いって、登場人物たちのキャラクターがもの凄くいい!! そして冒頭から、えっ!? えっ!? えっ!? と想定外のシーンが連発するのです。

    スポーツジムで、インストラクターをしていた花ノ木茶子(はなのきちゃこ)28歳。
    訳あって仕事を辞め、4年ぶりに実家に戻って来ました。
    両親は他界し、兄しかいないはずの家に入ると、台所のシンクの上に居たのは知らない女の子。

    台所のシンクで足踏み洗濯か!?と思ったら(本当はパリピごっこをしていた)、いきなり知らない男が出てきて……、

    実家に帰って来たのに、身分証を見せないと信じてもらえないなんて笑える!!  女の子は兄の娘のふたばで、男は住み込みで働いている加佐志一心(かざしいっしん)32歳。
    お兄さんはどうしたの? と思ったら、茶農家の仕事だけでは食べていけないからと、離れの家に1人籠もって小説を書いている、ってやっぱり笑える!!

    しかも、茶子が仕事を辞めて実家に戻った理由というのが……、

    3年も付き合った婚約者が、実はストーカーだったという事実。そりゃあ、警察に被害届も出すだろうし、仕事場だって危ないし、その部屋には住めないでしょう。
    だから元婚約者から“逃亡”するため実家に戻り、茶農園を手伝えばなんとかなるだろうと思っていたのに……。

    「女の体力で容易にこなせる仕事じゃねぇよ」
    「なめてんだろ? どうせ嫁に行くまでのつなぎだって」

    一心が、どんな経緯で「花ノ木茶園」に住み込みで働くことになったのかは不明ですが、辛辣な言葉を浴びせられ、反発をする茶子。
    実は前の仕事場でも、元婚約者の家でも「女女と分別される」ことに嫌気がさしていたのです。

    「なんなの? 性格最悪なんだけど」と思う茶子ですが、深夜に家を抜け出した一心の後を尾けてみると……、

    農園を2時間おきに見回らなければならないなんて、初めて知りました。

    こんな姿を見せられたら、絶対に心が動いちゃうなぁと思っていたら、決定的な事件が起こります。
    ストーカーの元婚約者が、茶子を追いかけて来たのです。
    それで思わず口から出たのが……、


    とっさについた嘘が周りに知れ渡り、2人は偽装結婚をすることに!!
    実は一心も、あちらこちらから婿に来ないかと狙われていたのです。

    この「偽装結婚」という設定に難なくスッと入れたので、さすがだなと思いつつ、次に欲しいのはライバルだよねと考えていたら、これまた最強のライバルが出現!

    一心みたいな人がいたら好きになっちゃうなぁと思っていたのですが、幼なじみの仁(じん)も、いい味出してます!!

    山中梅鉢さんの描く女の子はメチャクチャ可愛いし、男の人は美しくてカッコいい! そもそも笑わない一心の表情が、とても豊かに見えるから不思議です。

    「偽装結婚」は昔からある王道の設定ではありますが、『この恋、茶番につき!?』は想像を超えるエピソード、キャラクターの良さ、無駄のないセリフ、タイトルと何を取ってもいいのです。期待を裏切らない面白さなので、オススメです!!

    (レビュアー:黒田順子)


    ※本記事は、講談社コミックプラスに2021年7月25日に掲載されたものです。
    ※この記事の内容は掲載当時のものです。




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