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多くのハリウッド映画に影響を与えた伝説の小説『夏への扉』が世界で初めて映画化され、「夏への扉 ―キミのいる未来へ―」として6月25日(金)より全国の劇場で公開されました。
前回の三木孝浩監督インタビューに続き、今回は、主人公・宗一郎(演:山﨑賢人)の恋人でありながら、彼を陥れる悪女・白石鈴を演じる女優の夏菜さんに、役作りや作品に対する思いをうかがいました。
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夏菜
1989年生まれ、埼玉県出身。2006年、ドラマ「ガチバカ!」で女優デビュー。その後、映画「君に届け」「GANTZ」などのヒット作に出演し、2012年には「連続テレビ小説 純と愛」で主演をつとめた。現在は、映画やドラマだけではなく、バラエティでも活躍し、活動の幅を広げている。
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作品紹介
将来を期待される科学者の高倉宗一郎(山﨑賢人)は、亡き養父である松下の会社で研究に没頭していた。早くに両親を亡くしずっと孤独だった宗一郎は、自分を慕ってくれる松下の娘・璃子(清原果耶)と愛猫ピートを、家族のように大事に思っていた。
しかし、研究の完成を目前に控えながら、宗一郎は恋人・白石鈴(夏菜)の罠にはめられ、冷凍睡眠させられてしまう。
目を覚ますと、そこは30年後の2025年の東京。宗一郎は研究も財産も失い、璃子は謎の死を遂げていた。失って初めて、璃子が自分にとってかけがえのない存在だったと気づく宗一郎。
人間にそっくりなロボットの力を借り、30年の間に起こったことを調べ始めた宗一郎は、ある物理学者にたどり着く。驚きの事実を知った宗一郎は、再び1995年へと時を超える。ただ、璃子を救うために――。
──夏菜さん演じる白石鈴はかなりインパクトのある役柄でしたが、オファーを受けた時の率直な気持ちをお聞かせください。
素直にうれしかったし、楽しみでした! いままでは、いわゆる世間でいわれる“いい人の役”や、強くてかっこいい女性を演じることが多くて、今回のようなめちゃくちゃ悪女というのは演じたことはありませんでした。こういう役を演じたかったので、内心、「やっときた!」という気持ちでした。
──拝見させていただいて、とてもハマり役に思えました。これを機に悪女役のオファーも増えるのではないでしょうか?
ありがとうございます(笑)。自分でも、もっと演技の幅を広げたいなと思っていたので、「夏への扉 ―キミのいる未来へ―」は、私の中でもひとつの新しいきっかけとなる作品だと感じています。
──初めての悪女役ということで、役作りで心がけたことはありますか?
鈴は、「お金が欲しい」とか「会社が欲しい」とか、いろいろな欲にまみれていますが、それだけではなく、「宗一郎の愛情」も欲しかったんだなと感じました。鈴が持っていない、ピュアで真っ直ぐな部分や才能をもった宗一郎に、本当は惹かれている部分はあると思います。だからこそ、宗一郎の妹の璃子ちゃんにとられてしまうということは、プライドを傷つけられるし、女として負けた気持ちも、ヤキモチもあります。ただの“お金の亡者”だと薄っぺらい存在になるので、人間的な感情を持ち合わせているということは心がけました。
──確かに、最初に宗一郎の恋人として登場したシーンでは、璃子に対する素直な嫉妬心が伝わってきました。
ただの悪役だと、観てくださる方もおもしろくないと思っていたので、何か理由があってこういうことをしている、ということは意識して演じました。
──一方で、悪女としての姿をあらわす株主総会や、宗一郎を冷凍睡眠(コールドスリープ)させる場面は、まさに物語のハイライトシーンでした。
実はあのシーンを演じるのはとても楽しかったんです。私の中のドSな部分に火がついてしまって、最初に台本を見た時に感じた「悪女としての鈴」を汲み取って、気持ちよく演じることができました(笑)。宗一郎や璃子とは真逆のポジションに立つことによって、2人の存在感を際立たせたいという一心でした。
──そこから物語は一気に30年後へ進み、鈴も変わり果てた姿で登場します。あの姿は夏菜さんとは思えないほどインパクトのあるものでした。
そのシーンがクランクアップだったのでよかったですが、ホコリまみれのゴミ屋敷で大声を張り上げていたので、次の日からは扁桃腺が腫れて喉がまったく使い物になりませんでした(笑)。
──原作『夏への扉』はSF小説の傑作といわれていますが、夏菜さん自身はこれまでSF作品にどう触れてきましたか?
過去に出演した映画「GANTZ」はSFでしたし、小さい頃から海外映画ばかり観て育ってきたので、「エイリアン」や「ターミネーター」など、何度も繰り返して観ている作品はSFが多いですね。私の中で「やってみたい映画のジャンル1位」はSF映画なので、今回、SFの世界観に入り込めたのは嬉しかったですね。
──本作ではSFの定番である「タイムトラベル」を扱っていますが、夏菜さん自身が戻りたい過去はありますか?
うーん……いや、戻りたい過去はないというか、そもそも過去にもどりたくはないですね。いままで自分と向き合った時間や、やっと乗り越えることができた大変だったことを思い出すと、もう戻りたくはないですね。いまを大切に生きたいと思います!
──最後に、これから映画を観る方にメッセージをいただけますでしょうか。
この作品の台本を初めて読んだ時、「こんなに難しい話をどうやって映像化するの!?」と思いました。いままではだいたい、台本を読んだら頭の中で映像化されていたのですが、今回はまったく予想ができない台本に巡り合ったな、という気持ちでした。
でも実際に出来上がった映像を観て、本当に面白くて! 私は自分が出演した作品はちゃんと観られないタイプなのですが、あっという間に最初から最後まで観終わっていて。
タイムリープものって、難しく捉えられる方も多いと思いますが、そんなことはまったくなくて。「何も考えずに、とにかく観ればわかる!」という作品ですね。
ぜひ、大切な人と一緒に観に行って欲しいと思います。お互いのことだったり、家族のことだったりを大切にしようと思える、そんな温かい映画となっています。劇場で、臨場感やスピード感を楽しんでいただけたらと思います!
山﨑賢人
清原果耶 夏菜 眞島秀和 浜野謙太
田口トモロヲ 高梨臨 原田泰造
藤木直人
監督:三木孝浩
脚本:菅野友恵
音楽:林ゆうき
主題歌:LiSA「サプライズ」(SACRA MUSIC)
原作:『夏への扉』ロバート・A・ハインライン(著)/福島正実(訳)(ハヤカワ文庫刊)
製作幹事:アニプレックス 東宝
制作プロダクション:CREDEUS
配給:東宝 アニプレックス
6月25日全国公開
©2021 映画「夏への扉」製作委員会