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  • 『ねずみくんのチョッキ』は二人三脚でないとできなかった:なかえよしをインタビュー

    2021年05月24日
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    ほんのひきだし編集部 猪越
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    1974年の刊行以来、世代を超えて愛されている絵本『ねずみくんのチョッキ』。その誕生45周年を記念して全国を巡回中の展覧会「誕生45周年記念 ねずみくんのチョッキ展 なかえよしを・上野紀子の世界」が、2021年6月2日(水)~6月14日(月)に、松屋銀座にて開催されることが決定しました。

    作家のなかえさんと画家の上野さんご夫妻が、共同作業で生み出してきた本作。展覧会のみどころから作品に込めた思いまで、なかえさんにお話をうかがいました。

    〈2020年9月に開催された横浜会場のようすはこちら〉
    『ねずみくんのチョッキ』の世界にどっぷり!誕生45周年にして初の大規模展覧会をレポート

    PROFILE
    1940年、兵庫県に生まれる。日大芸術学部美術科を卒業後、広告会社のデザイナーを経て絵本作家に。なかえ氏がラフを描きながら展開を決め、絵は妻の上野紀子氏が描くという二人三脚のスタイルで、200冊以上の絵本づくりを行なってきた。著書の中でも、シリーズ累計400万部を超える「ねずみくんの絵本」シリーズは45年以上にわたり、世代を超えて読み継がれている。

     

    ねずみくんのひげ一本一本まで注目してほしい

    ――昨年から巡回の始まった「ねずみくんのチョッキ展」が、いよいよ東京で開催されます。展覧会の見どころを教えてください。

    絵本などの原画は、印刷される1.5倍以上の大きさで描くと印刷がきれいに出るとされています。しかし、「ねずみくん」に関しては、ほとんど原寸で描いています。上野も歳をとって目が悪くなってきてからは、大きな虫眼鏡を見ながらでしたけれど、細かいひげの一本一本まで一生懸命描いていたのだなというところを見ていただければと思います。

    原画は絵描きが直に触ったものです。ねずみくんはほとんどが鉛筆画で、上野の場合は、8Hや9Bまで、10本くらいの鉛筆を使い分けて描いていました。そういった原画ならではの味わいを感じていただきたいですね。原画と絵本の絵を見比べていただくのも、おもしろいのではないでしょうか。

    ――4月には、シリーズ37冊目となる『ねずみくんのピッピッピクニック』が発売されました。「大切なものは、遠くにでかけなくても、身近にあるよ」というメッセージは、まさにコロナ禍のいま、ぴったりの内容ですね。

    実は本作のラフは、新型コロナの感染拡大前に決まっていたのです。シリーズを春夏秋冬で考えると、春のお話がないなということで、それならピクニックにしようと。その後、コロナ禍で遠くに行くことが難しくなったので、「近くにも楽しいこと、遊べる場所はあるよ」というテーマが合ったのかなと感じています。

    ねずみくんのピッピッピクニック
    著者:なかえよしを 上野紀子
    発売日:2021年04月
    発行所:ポプラ社
    価格:1,100円(税込)
    ISBNコード:9784591169865

    ――(2019年に上野紀子さんが逝去されたため)前作の『ねずみくんはめいたんてい』と本作は、今までの絵本の中からなかえさんがお話にあった絵を選び、パソコンで合成して作り出されているそうですね。創作の過程では、どのようなことをお感じになられましたか?

    上野が絵を描いていたときには、仕上げて入稿することで頭がいっぱいでした。いまはパソコンで絵を拡大して作業しているので、一枚一枚をじっくり見ることになります。「よくこんなに細かい絵をせっせと描いていたものだ」と、いまになって感心しています。生きている時に、よくがんばったねとほめてあげたかったですね。

    ――上野さんと二人三脚で創作をされてきた中で、お二人だからこそできたことや大変だったことについて教えてください。

    僕はずっと野山を駆け回っているような子どもで、勉強はできなかったけれど、絵が好きで絵描きになろうと思っていました。日大の芸術学部に入って上野と出会ったのですが、上野の方が絵が断然上手かった。

    2人で絵を楽しんでいるうちに絵本に出会ったのですが、僕にとってお話を考えるのは、意外と絵を描くのと通じるものがあって。絵は得意な上野に任せて、お話を考えるのが得意な僕はストーリーを書けばいい。2人だからできたというよりも、2人でないとできなかった。絵本が不思議なぐらいに向いていたのですね。

    お互い好きなことをやっているわけですから、どんなに大変だったとしても楽しかったですね。いまもまだ絵本を作らせていただいていますけれども、アイデアが出なかったとしても出るまで考えればいいわけで、大変なことも楽しい世界です。

     

    余白の中に“色”や“心”を感じてほしい

    ――長きにわたって書き続けられてきた「ねずみくん」ですが、創作にあたって意識しているのはどのようなことですか?

    ねずみくんに関しては、とにかくシンプルに、なるべく“繰り返し”をやろうと思っています。僕たちの生活も、同じ繰り返しではあるのですけれど、その中でも楽しい出来事があったり、ちょっとしたことに感動したりしますよね。

    『ねずみくんのピッピッピクニック』もそうですけれど、毎日行っている公園も見方によってはとんでもなく素敵な所になります。そういう身近なところからお話を考えていることで、読む方も共感してくださっているのかなと感じています。

    ――お話の題材はどのように探されるのですか?

    テレビを見たり、人と会ったりするときに気づいたことをメモしています。目線を変えることもお話を考えるうえで大切なこと。ねずみくんの視点で世の中を見ていると、見逃しがちな、なんでもないようなことでも「これいいな」と気づくことができます。

    ねずみくんのお話も、気持ちや思いやりといった目に見えないものがテーマとして流れている、読むことで気持ちがよくなるようなお話にしたいと思っています。

    ――そういった大切なものが描かれているからこそ、長きにわたって読み継がれているのだと感じます。

    ほかの絵本を読んだ後に「ねずみくん」を見ると、「なんて真っ白けな本だろう」と思われるかもしれません。「ねずみくん」の絵本は、セリフも絵も最小限にしてあります。背景も描いていませんし、余白が多いので、その余白を子どもたちの想像力で埋めてもらわなくてはなりません。

    私が子どものころは、ラジオから聞こえてくる雨が降っている音や玄関が開いた音、足音から、いろいろなシーンを想像することができました。いまはテレビをつけると全部をカラフルに見せてくれますが、その色以外は想像できないのではないでしょうか。

    「ねずみくん」は色がない分、さまざまなイメージが広がるはずです。動物たちの表情もとても豊かなので、笑ったり泣いたりしている絵を見ながら、字がまだ読めない子どもたちも、ねずみくんたちに感情移入して物語の世界に入ってくれるといいですね。

    余白というのは余裕であり、余韻でもある。その中で色を感じたり、心を感じたり、そういう絵本になればと思っています。

    (『ねずみくんのピッピッピクニック』p.6-7より)

     

    「ねずみくんのチョッキ展」東京会場の楽しみ方

    注目ポイントは、新刊『ねずみくんのピッピッピクニック』のラフが展示されていること。また、「ねずみくんたちとたくさん写真を撮りたい」という来場者の声に応えて、フォトスポットも増設されています。

    これまでの会場では、子ども連れはもちろん、若い夫婦やカップルの来場者が多かったことから、大人にも喜ばれるようなグッズがさらに充実しているそうですので、こちらもお楽しみに。

    展覧会の期間中には、松屋銀座8階のMGカフェにてコラボカフェを展開。「ねずみくんのピッピッピクニックバスケット」(写真・左下)や「ねみちゃんの『ホッと』ケーキプレート」(写真・右下)といった、盛りだくさんのコラボメニューが提供されます。

    ※画像はイメージです。

    カフェではプレゼントキャンペーンも行われるので、展覧会とともに楽しんでみてはいかがでしょうか。

    【プレゼントキャンペーン概要】
    1)対象のメニューを注文すると「ねずみくんの絵本」シリーズデザインのオリジナルコースター(全6種のうち、ランダムで1種)がもらえます。
    ※数量限定でなくなりしだい終了となります

    2)MGカフェでコラボメニューや店内の装飾などを撮影し、「#ねずみくんのチョッキ展」「#ねずみくんカフェ」のハッシュタグと一緒に投稿すると、その場で「ねずみくんのおてがみセット」がもらえます。【参加方法】
    ①MGカフェで写真を撮り「#ねずみくんのチョッキ展」と「#ねずみくんカフェ」をつけて、TwitterかInstagramに投稿する。
    ②お会計の際、投稿画面をMGカフェのスタッフに見せるとプレゼントがもらえます。

    ※投稿数に限らず、1回のご来店でお一人様1回限り有効です。
    ※当キャンペーンへの参加は、ご来店日および投稿日の当日に限り有効です。
    ※プレゼントはなくなり次第終了となります。

     

    展覧会 開催概要

    ・会期:2021年6月2日(水)~6月14日(月)

    ※新型コロナウイルス感染状況の推移等により、急遽開催が延期または中止となる場合があります。
    公式サイトで事前にご確認の上、ご来場ください。
    ※開場時間は公式サイトをご確認ください。
    ※入場は閉場の30分前まで(最終日は17時閉場)
    ※営業日・開場時間が変更になる場合があります。

    ・会場:松屋銀座8階イベントスクエア

    ・主催
    :ねずみくんのチョッキ展実行委員会 特別協力:ポプラ社

    ・入場料
    :一般1,000円(800円)、高校生800円(600円)、小中学生600円(400円)
    ・グッズ付入場券:一般1,500円(1,300円)、高校生1,300円(1,100円)、小中学生1,100円(900円)
    ※未就学児は入場無料。
    ※( )内は前売料金。前売券は6月1日(火)まで販売。
    ※前売券、当日券は、ローソンチケット(Lコード:37222)にて販売されます。
    ※入場料はすべて税込価格です。
    ※混雑時は、お待ちいただく場合や、整理券を配布する場合があります。
    ※チケット詳細は、公式サイトをご確認ください。
    ※6月1日(火)にはオンライン展覧会(ライブ配信)が開催されます。詳細はこちらをご確認ください。

    公式サイトはこちら




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