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朝井リョウさんの作家生活10周年記念作『正欲』が3月26日(金)に発売されます。
昨年10月に発売された小説『スター』を作家生活10周年記念作の〔白版〕と銘打った朝井さん。その対となる〔黒版〕と称された本作は、多様性の在り方を問い私たちの本性を暴くような衝撃作です。
作家生活10周年記念作品の〔白版〕『スター』の紹介記事はこちら
寝具店で働く夏月、食品メーカーに勤める佐々木、ダンスサークルで踊る諸橋。一見すると共通点の無い登場キャラクターたちですが、人には言いにくい“性的指向”を持っています。
自身の性的指向を周囲には決して悟られないよう、息をひそめて生きている彼ら。しかし、周囲の人は“自分とは異なる”彼らを、ほうっておいてはくれません。
詮索に煩わされる日々に、いつしか性的指向を隠し果すことが人生の目的になっていく。絶望しながらも、それでも生きていたいと願う彼らは、生き延びるために繋がろうとします。
性的指向とは、自らの恋愛・性愛の対象が何に向かうのかを示す概念であり、近年ではそのあり方は人それぞれだという考えが浸透しつつあります。
それは、一見「多様性が受け入れられた生きやすい世の中」に見えます。ですが、そこで語られる多様性は、あくまで私たちの想像できる範囲にすぎません。
自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな――
『正欲』337ページより
本書で描かれる人物は、マイノリティの中のマイノリティ。私たちは自分が想像もできない欲望を前に、それでも「人それぞれ」だと受け入れることができるのでしょうか。
今の“多様”な社会に対して、私たちに思索をうながす衝撃的な一冊です。
あってはならない感情なんて、この世にない。それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ――共感を呼ぶ傑作か? 目を背けたくなる問題作か? 絶望から始まる痛快。あなたの想像力の外側を行く、作家生活10周年記念、気迫の書下ろし長篇小説。
新潮社公式ホームページより
・朝井リョウが描く“対立が削がれた時代”の息苦しさとは?『死にがいを求めて生きているの』
・『発注いただきました!』デビュー10周年を迎えた朝井リョウ「これが本当のお仕事小説だ!」