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エリック・カールさんによる絵本『はらぺこあおむし』の日本語版が、刊行45周年を迎えました。
『はらぺこあおむし』は、アメリカの作家エリック・カールさんによる2冊目の絵本。本国アメリカでは1969年に刊行され、その後1976年に、もりひさしさんによって翻訳された日本語版が刊行されました。世界累計発行部数は4,400万部以上。日本語版は430万部を突破しています。
その内容は、卵から生まれた小さなあおむしが、月曜日にりんごをひとつ、火曜日になしをふたつ、水曜日にスモモをみっつ……とおいしい食べものを次々に食べて大きくなり、最後は美しい蝶になるという希望に満ちたストーリー。ページに穴のあいたしかけがあることで、小さな子どもでも「おもちゃ」として親しみやすく、数字や曜日の認識を織り込んだ学びもあり、読者に愛され続けてきました。
実は、原書『The Very Hungry Caterpillar』の初版には、奥付に「Printed in Japan」と印刷されています。
なぜなら当時アメリカには、穴あきのしかけがあり、ページの大きさもさまざまなユニークなこの絵本を印刷・製本できる会社がなかったから。編集者のアン・べネデュースさんは、刊行の前年、日本を訪問した際に偕成社の当時の社長・今村廣さんにそのことを相談。『The Very Hungry Caterpillar』に惚れ込んだ今村さんが印刷・製本の交渉を引き受け、最初の絵本は日本の会社で作られました。『はらぺこあおむし』は、翻訳される前から、日本と深い関係にあったのです。
そんな『はらぺこあおむし』の日本語版刊行45周年に寄せて、90歳を超えた現在も米フロリダ州で創作活動を続けるエリック・カールさんからお祝いメッセージが到着しました。
エリック・カールさんからのメッセージ
日本の読者・友人のみなさま、「希望の45年間」をありがとうございます。あなた方の美しい国を訪れたことは、とてもなつかしく楽しい思い出です。私の絵本『はらぺこあおむし』の日本語版を、45年間も、あらゆる年代の読者の方々が楽しんでくださっていて、たいへん光栄に思います。日本語版の出版社・偕成社と、日本の友人たちに本当に感謝しています。お祝いの気持ちを伝えるとともに、今後もいっしょに、多くの絵本を楽しめることを願っています。この45周年は、「ユーモア」「優しさ」「成長」という『はらぺこあおむし』のテーマが普遍的であることのあかしです。
また日本語版45周年を記念して、現在、世界に一つだけのカバー付き『はらぺこあおむし』をプレゼントするキャンペーンが開催されています。
応募のチャンスは3回。最終募集は6月30日(水)締切です。
応募方法
専用の「はらぺこあおむし」シートに描いたぬりえ(もしくは「はらぺこあおむし」の絵)を撮影し、ハッシュタグ「#はらぺこあおむし45周年」をつけてSNS(TwitterかInstagram)に投稿。期間中、毎月3名に、描いた絵と名前が印刷されたオリジナルカバーつき『はらぺこあおむし』の絵本(通常版)をプレゼント。応募用紙の「はらぺこあおむし」ぬりえシートは、3月中旬より全国の一部書店で開催される「はらぺこあおむし45周年フェア」実施店舗でも配布されます。応募期間
第1回:~2021年4月30日(金)
第2回:2021年5月1日(土)~31日(月)
第3回:2021年6月1日(火)~30日(水)
〈著者プロフィール〉
作:エリック・カール
1929年アメリカのニューヨーク州に生まれ、ドイツで育つ。グラフィックデザイナーとして活躍後、1968年に『1、2、3 どうぶつえんへ』を発表し、ボローニャ国際児童図書展グラフィック大賞を受賞。以来、世界的な絵本作家として創作を続ける。代表作に『はらぺこあおむし』『パパ、お月さまとって!』『だんまりこおろぎ』など多数。2003年ローラ・インガルス・ワイルダー賞受賞。
訳:もりひさし
本名・森久保仙太郎。作家・絵本研究家・歌人。歌集に『月の谷』など。創作絵本に〈こぐまちゃんえほん〉シリーズ『くまさぶろう』『ちいさなきいろいかさ』など。絵本の翻訳に『はらぺこあおむし』『パパ、お月さまとって!』〈くまのアーネストおじさん〉シリーズなどがある。2018年逝去。
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