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  • 映画「花束みたいな恋をした」続編計画も……!?脚本家・坂元裕二トークイベント開催

    2021年02月13日
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    2月11日(木・祝)、映画「花束みたいな恋をした」(主演:菅田将暉・有村架純)の脚本を手がけた坂元裕二さん登壇によるトークイベントが、テアトル新宿にて開催されました。

    1月29日(金)の公開から、全国週末興行成績が2週連続で第1位となった本作。会場に現れた坂元さんが、集まった観客に向けて「上映が終わったばかりで、映画の余韻に浸れないよという方もいらっしゃるかもしれません。朝帰りした絹ちゃんが両親に邪魔されたときのように、僕が登場して上書きするのが申し訳ないなという気持ちです。耳障りな方はイヤホンをしてください(笑)」と挨拶し、会場が大きな拍手でそれに応えてイベントは始まりました。

    まず最初に、坂元さんには、ヒットを記録している本作についての今の気持ちは?との質問が投げかけられました。

    「TikTokを見ていたら、高校生の男の子3人がトイレットペーパーを抱えて走り回っている動画をアップしていたり、カップルが多摩川を歩きながら、自分たちでナレーションをつけて動画を作っていたり、色々な人たちに楽しんでもらっているんだなと思うと、こんなに嬉しいことはなかなかないです」
    「皆さん解釈がそれぞれ違っていて、自分と照らし合わせる方もいれば、一歩引いて観る方もいるし、男女で考える方や、おひとりおひとりが自分の思い出と重ねる場合もある。TVドラマだと『皆がこう思っているから』と参考にしてその続きを書いたりもしますが、映画だと僕の手からはもう離れているので、こうやって観た人ひとりひとりの物語になっていくんだな、この映画はお客さんの映画になれたんだな、と感じてすごく嬉しいです」

    坂元さんは「東京ラブストーリー」(1991)をはじめ、「Mother」(2010)、「最高の離婚」「Woman」(ともに2013)、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(2016)、「カルテット」(2017)、「anone」(2018)と数多くのドラマ作品を世に送り出してきましたが、映画オリジナルのラブストーリーを手がけたのは今回が初めて。

    「ドラマだと、なぜか観ていただいている実感があまりないんですが、今回はなんか、ざわざわとくるものがあるんですよね。僕はまだ映画館に行けていないんですけど、映画館を回ってお客さんのようすを見ているプロデューサーの方が、『熱気がすごくて、お客さんが映画と戦っているようだ』と仰っていました。そういう熱みたいなものが、僕が一人で仕事部屋にいても何となく感じるんです」
    「この仕事は長いですが、作った作品が誰かのものになることはこんなに幸せなことで、このために作っているんだな、って初めて知って、尋常じゃない興奮をしています」「なんで皆映画好きなのかな?って思っていたんですけど、こういう楽しみがあるんだなと気づきました。お話をいただけたら、またやってみたいなと思います」と語りました。

    また、土井裕泰監督が「続編をやりたい」と話していたことを明かし、「(土井監督は)30代の麦と絹が観たいそうですが、5年後なんてあっという間ですからね。30代の恋というのもなかなか辛いものがあると思うので、『それはきついんじゃないですか?』と伝えたんですけど、土井さんはあまり普段こういうことを言わないのでよっぽどやりたいんだと思います」とコメント。21歳のときに奇跡のような出会いをし、5年間を恋人として過ごした麦と絹。それからまた5年経ったとき、彼らはどんなことを考え、どこでどんな暮らしをしているのか。映画を観たあと想像を膨らませた人もいるのではないでしょうか。

    続いて、作中の好きなシーンを尋ねられると「いっぱいありますけど、絹ちゃんの転職先の「遊びを仕事に、仕事を遊びに」というポリシーを、麦くんが『ダサ』って言うシーン。それに対して絹ちゃんが『ははっ』て笑うところが絶妙なんです! 『あ、これ聞いたことある!怒りながら気を遣われているときの笑い声だ!』と思いました。台本には『(微笑って)ま、そこはダサいとは思う』って台詞を書いていて、有村さんが考えて演じていたのか、自然とそういう演技になったのか分からないですけど、すごいですよね。有村さんに聞いてみたいですけど、秘密にされそうです(笑)。あらかじめ設計してお芝居をされている方も存在しますが、有村さんはどういう考えで演じているのか分からないのが素敵ですね」。

    そんな“内側からの演技”は、絹を演じた有村さんだけでなく、麦を演じた菅田さんもそうだったようで、「台本を執筆している最中に、一度、菅田くんと遭遇したことがあるんです。『なんか青いシャツを着ている人がいるな』と思っていたんですけど、その方が菅田くんだと気づいたのは1時間後ぐらいで、すばらしい俳優さんはオーラを自在に操れるんだなと思いました。有村さんも『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』で施設を回っていたときにお会いしたんですけど、そのときも有村さんだと気がつかなくて。普段はキラキラした俳優さんなのに、この映画でも普通の子として映っていて、すごいなと思いました」と、カメラが回っていないときの2人を思わせるエピソードも披露してくれました。

    ちなみに本作は、当初はまったく異なる企画内容で進んでいたのだそう。

    「『ブルージャスミン』や『ヤングアダルト』のような、ちょっと困った人というか、世間と上手くいかない“後ろ指刺されるような人たち”を描こうと思っていて、土井監督と『世界にひとつのプレイブック』のような作品を想定しながら話をしていたんです。でもそういう役を演じる菅田さんと有村さんが自分の中で上手く動き出さなくて、何か違うなと3、4か月経ってしまいました。そのときプロデューサーの方に『ゆっくり考えて、一筆書きで書いてみたらいいんだよ』って言っていただいて、この2人の5年間の日記をA4用紙40枚くらい書き出したら映画になるんじゃないかな?と思って、そこからは1週間ほどで完成しました。映画に登場するモノローグも、日記を参考にしています」

    最後に「次回は『劇場版ガスタンク』を、皆で焼きおにぎり食べながら観たいですね。このような状況の中で映画を公開できてとても幸せです。期せずしてこの1年間、文化は私たちの中で何なのかということを問いたださないといけない時期を過ごし、映画や音楽、演劇界の中でもいろいろな岐路に立っています。その一端を担う映画となれたら嬉しいです。皆様、健康で元気にお過ごしください。また何かの機会でゆっくり、オールナイトでお話できる機会がくることを楽しみにしております。ありがとうございました」とファンに向けてメッセージが贈られ、イベントは幕を閉じました。

    発売中の「花束みたいな恋をした」シナリオブックでは、脚本のほか、今回のイベントで出たキーワード「日記」にまつわるあとがきも読むことができます。

    映画鑑賞後にシナリオブックを読むと、きっと“内側からの演技”や、本作が多くの人々の心を打った理由を、あらためて感じることができることでしょう。

    花束みたいな恋をした
    著者:坂元裕二
    発売日:2021年01月
    発行所:リトル・モア
    価格:1,760円(税込)
    ISBNコード:9784898155356
    『花束みたいな恋をした』オフィシャルフォトブック
    著者:江森康之 菅田将暉 有村架純
    発売日:2021年01月
    発行所:リトル・モア
    価格:2,200円(税込)
    ISBNコード:9784898155332
    ノベライズ花束みたいな恋をした
    著者:坂元裕二 黒住光
    発売日:2021年01月
    発行所:リトル・モア
    価格:1,100円(税込)
    ISBNコード:9784898155349

     

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