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  • 尾崎世界観初の純文学作『母影』 居場所を求める少女の世界を鮮明に描写した芥川賞候補作

    2021年02月02日
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    1月29日(金)、尾崎世界観さんにとって初の純文学作品『母影(おもかげ)』が発売されました。

    ロックバンド・クリープハイプのヴォーカル&ギターとして活躍しながら、近年は小説・エッセイなどの執筆業も注目されている尾崎さん。

    デビュー作『祐介』から4年半ぶりの小説となる本作は、第164回芥川龍之介賞にノミネートされ話題となりました。

    本作は、「“半”自伝小説」でもあった『祐介』からガラリと変わり、幼い少女から見える世界が描かれます。

    母影
    著者:尾崎世界観
    発売日:2021年01月
    発行所:新潮社
    価格:1,430円(税込)
    ISBNコード:9784103521426

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    少女の目に映る“影”は、本当に“母の影”なのだろうか

    小学校でも友だちをつくれず、居場所のない少女は、母親の勤めるマッサージ店の片隅で息を潜めている。お客さんの「こわれたところを直している」お母さんは、日に日に苦しそうになっていく。カーテンの向こうの母親が見えない。少女は願う。「もうこれ以上お母さんの変がどこにも行かないように」。

    (新潮社公式ホームページより)

    主人公である小学校低学年くらいの少女は、居場所もなく、毎日母の勤めるマッサージ店で放課後を過ごしています。ベッドを取り囲むカーテン越しに見える母の影を眺めていると、次第に母の様子がおかしくなっていくことに気づきます。

    マッサージ店にくる客もおじさんばかりとなり、カーテンの中では何やら変な音がするようになりました。母は、周囲の子どもたちから「変タイマッサージ」と呼ばれるようになり、少女へ向けられる悪意も増えていきます。

    お母さんがカーテンの向こうでお客さんといるとき、お母さんはもうお母さんの形をしてないのかもしれない。

    (『母影』P.34より)

    カーテンの向こう側で何が起きているのか、大人は察しがつくかもしれません。しかし、少女から見える世界はどうでしょうか。

    カーテンの中では何か“変なこと”が行なわれていることは分かるのに、何がどう“変”なのか伝えられないもどかしさと好奇心。そして、母が何か得体のしれない存在となって、離れていってしまうかもしれないという不安。

    大人になると気づかない、そんな世界の切り口が垣間見える一冊です。

     

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