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  • ポケモンのヒットを支えたのは「漫画」だった!?『日本マンガ全史』でわかる、想像以上にダイナミックな漫画の歴史

    2021年01月13日
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    漫画好きなら持っておきたい! 現代までの「紆余曲折」がわかる本

    「漫画」が日本で独自の発達を遂げた文化・芸術であり、日本国内に留まらず世界中で人気を博していることは今更言うまでもないことかもしれません。

    しかし、たとえば今、漫画の成り立ちや歴史をあらためて問われたとしても、的確に答えるのは至難の業ではないでしょうか。なぜなら漫画の歴史は、必ずしも一本の線のように分かりやすいものではないうえに、その進化の速度も凄まじいからです。

    そんな複雑な漫画の歴史を、読みやすく丁寧に、かつ驚くべき網羅性を実現しながら紐解いているのが、本稿で紹介する『日本マンガ全史 「鳥獣戯画」から「鬼滅の刃」まで』です。

    『日本マンガ全史』の序章には、漫画がどのように変化してきたのかが、次のようにまとめられています。

    江戸の戯画、明治の諷刺一枚絵(ポンチ絵)、大正の4コマ漫画といった時代ごとの主流が、紆余曲折を経て現代の主流であるストーリー漫画に合流していったと見るべきであろう。

    まさにその「紆余曲折」の中身が、本書にはぎっしり詰まっています。

    日本マンガ全史
    著者:澤村修治
    発売日:2020年06月
    発行所:平凡社
    価格:1,210円(税込)
    ISBNコード:9784582859447

     

    ブックガイドにも、歴史の教科書にもなる一冊

    『日本マンガ全史』では、歴史の教科書さながらに、漫画(あるいはその前身となるもの)が、それぞれの時代でどのように姿形を変えていったかが事細かに解説されています。

    人や動物をユーモラスに活写する「漫画的表現」が「鳥獣人物戯画」にまで遡れることも、近代化に伴い欧米文化の影響も受けつつ「ポンチ絵」が明治の日本で流行したことも、新聞紙面を4コマ漫画が賑わせたことも、同時期に創刊された複数の少年誌が、しのぎを削ることでより勢いを増してきたことも――しかも、読み物として純粋に面白いものに仕上がっているのは驚くべきことです。

    さらに嬉しいのは、漫画と切っても切れない関係にある「アニメ」「メディアミックスという手法」「海外における日本の漫画の受容」といったトピックにも紙幅が割かれている点。漫画がそれを取り巻くものの影響を受けたり、逆に影響を及ぼしたりしながら発展してきたことを知って初めて、漫画史のダイナミズムを理解できるのです。

    たとえば、本書でも言及されている「ポケットモンスター」シリーズが、まさにこれに該当します。

    シリーズのすべての祖となるゲームソフト「ポケットモンスター 赤・緑」が発売されたのは、1996年2月27日。そしてすぐさま、「別冊コロコロコミック」1996年4月号(小学館)で、穴久保幸作さんによるコミカライズ『ふしぎポケモン ピッピ』(のちに『ポケットモンスター』に改題)の連載が始まります。

    TVアニメシリーズ(1997年4月放送開始)がポケモン人気に火をつけたことは広く知られていますが、「赤・緑」発売直後の黎明期において、知名度向上に大きく貢献したのはこの漫画でした。そして今では、ポケモンは日本を代表する巨大コンテンツの一つとなっており、その過程で生まれた数えきれないほどのコミカライズ作品が、シリーズの盤石の地位を支えています。

    ここまで、ちょっと堅苦しく感じたかもしれませんが、すでに書いたとおり「読み物として純粋に面白い」一冊です。生粋の漫画読みはもちろんですが、むしろ「漫画は好きだけれど、そんなにたくさん読んでいるわけではない」という人にこそ手に取ってほしい。なぜなら名作から最近の話題作まで、書店の売り場で得られるのとはまた違う、漫画史において重要な数々の作品との出合いが待っているからです。

    読みたい漫画を探しているときの、格好のブックガイドにもなってくれるでしょう。漫画をもっと好きになりたい人にとって、必携の一冊です。




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