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加藤シゲアキさんの3年ぶりとなる長編小説『オルタネート』が、第164回直木賞候補作に決定。これを受け同作の重版(4刷・3万部)が決定し、累計発行部数9万部となりました。
加藤さんの作品が文学賞にノミネートされるのは初めてで、アイドルが直木賞候補作に選出されるのも今回が初となります。ノミネートを受け、加藤さんからのコメントも到着しました。
文学賞のノミネート自体が初めてで、それも直木賞ということに、いまだに驚いています。
自分は新人賞などを取らずに小説界に飛び込んだので、どことなく引け目のようなものがありましたが、今はほんの少しだけ自分を肯定してもいいのかなと思っています。
しかしながら、これまでも直木賞の選評は読んできているので、選考委員の方々の厳しさは承知しています。
煮るなり焼くなり好きにしてください、といった覚悟です。
最後に改めてお伝えしたいのは、僕がこれまで書き続けることができたのは、偏に支えてくださった関係者や編集の方々、書店員やファンのみなさまのおかげです。心より感謝を申し上げたいと思います。
加藤さんは、2012年1月に『ピンクとグレー』で小説家デビュー。以降「NEWS」メンバーとしての芸能活動のかたわら作家としても活動を続け、『閃光スクランブル』『傘をもたない蟻たちは』『チュベローズで待ってる(AGE22・AGE32)』などの小説を執筆、今年3月には初のエッセイ集『できることならスティードで』が刊行されました。
今回直木賞にノミネートされた『オルタネート』は11月19日に発売され、発売から5日目にして緊急重版されたばかり。2021年1月20日(水)の直木賞選考会へ向け、ますます売上を伸ばしそうです。
あらすじ
誰しもが恋い焦がれた青春の普遍を、真っ向から描き切る。
加藤シゲアキ、これが新たな代表作。高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった現代。東京のとある高校を舞台に、若者たちの運命が、鮮やかに加速していく。
全国配信の料理コンテストで巻き起こった〈悲劇〉の後遺症に思い悩む蓉(いるる)。母との軋轢により、〈絶対真実の愛〉を求め続ける「オルタネート」信奉者の凪津(なづ)。高校を中退し、〈亡霊の街〉から逃れるように、音楽家の集うシェアハウスへと潜り込んだ尚志(なおし)。恋とは、友情とは、家族とは。そして、人と“繋がる”とは何か。デジタルな世界と未分化な感情が織りなす物語の果てに、三人を待ち受ける未来とは一体――。
“あの頃”の煌めき、そして新たな旅立ちを端正かつエモーショナルな筆致で紡ぐ、新時代の青春小説。
なお、同日発表の第164回芥川賞候補作に『母影』が選出された尾崎世界観さんとの対談が、今年6月に発売された尾崎さんの著書『身のある話と、歯に詰まるワタシ』に収録されています。
ロックバンド「クリープハイプ」のフロントマン・ヴォーカリストとして活躍するかたわら、『祐介』で小説家デビューし、加藤さんと同じく今回初めて文学賞にノミネートされた尾崎さん。『母影』は、『祐介』以来約4年半ぶり、尾崎さんの単著としては2作目の小説となります。
この2人が同タイミングで芥川賞作家×直木賞作家となるか、こちらも注目です。『母影』は2021年1月29日(金)発売予定。
あらすじ
私は書けないけど読めた――お母さんの秘密を。
行き場のない少女は、カーテン越しに世界に触れる。小学校でも友だちをつくれず、居場所のない少女は、母親の勤めるマッサージ店の片隅で息を潜めている。お客さんの「こわれたところを直している」お母さんは、日に日に苦しそうになっていく。カーテンの向こうの母親が見えない。
少女は願う。「もうこれ以上お母さんの変がどこにもいかないように」。