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  • 【Vol.9:行成薫】編集者が注目!2021はこの作家を読んでほしい!

    2021年01月01日
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    ほんのひきだし編集部
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    新型コロナウイルスの流行で、〈日常〉が大きく揺らいだ2020年。不安な日々のなか、物語のもつ力をあらためて実感した人も多かったのではないでしょうか。また、そんな1年間にも、新たな物語が紡がれ、物語を生み出す新たな才能も誕生してきました。

    今回は「編集者が注目!2021はこの作家を読んでほしい!」と題して、各出版社の文芸編集者の皆さんから【いま注目の作家】をご紹介いただきます。

    彩無き世界のノスタルジア
    著者:行成薫
    発売日:2020年12月
    発行所:集英社
    価格:1,540円(税込)
    ISBNコード:9784087754544

     

    集英社編集者 栗原佳子さんの注目作家は「行成薫」

    行成薫(ゆきなり かおる)
    1979年生まれ。宮城県仙台市出身。2012年「名も無き世界のエンドロール」(「マチルダ」改題)で第25回小説すばる新人賞を受賞。著書に『バイバイ・バディ』『ヒーローの選択』『僕らだって扉くらい開けられる』『廃園日和』『ストロング・スタイル』『怪盗インビジブル』『本日のメニューは。』などがある。

     

    たくらみに満ちたその世界へ

    なるほど、こう繋がるのか!――行成薫さんのデビュー作『名も無き世界のエンドロール』(2013年、集英社刊)を読んだ時、爽快な驚きに打たれたことを覚えています。

    キダとマコトとヨッチ、友情で結ばれた男女3人のリズミカルで繊細なセリフ回しに引き込まれるうちに、著者の仕掛けた壮大なたくらみにまんまとハマっていたのでした。本書が初めて書いた長編小説で、見事に「小説すばる新人賞」を射止めたということも驚きでした。

    こういうたくらみに満ちたお話をまた書いていただきたい。そう願って数年がたち、そのデビュー作が岩田剛典さんと新田真剣佑さんの強力タッグで映画化されることになりました。

    これはよいタイミング。キダとマコト、彼らの「その後」のお話を読みたい人はたくさんいるに違いない。何よりわたしが読みたい!ということで、行成さんに続編をご執筆いただくこととなりました。

    『彩(いろ)無き世界のノスタルジア』は、『名も無き世界のエンドロール』の結末から5年後の世界。裏社会で交渉屋として生きるキダは、仕事を斡旋してくれる男から、ある少女を匿ってほしいと頼まれます。

    「パパとママが殺された」と訴える少女の名前は、彩葉(いろは)。35歳と11歳の奇妙な共同生活がスタートし、孤独に生きてきたキダの世界は、やがて少しずつ色を変えてゆきます。

    すべての伏線が回収されてたどり着くラストは切なくも鮮やかで、彼らの未来に幸多かれと祈らずにはいられません。

    これ一冊で独立した物語として十二分に面白く、『名も無き』とあわせて読めばさらに深く楽しめます。年末年始のお休みに、行成さんのたくらみに満ちた世界をぜひご堪能ください。

    (集英社 文芸編集部 栗原佳子)

    名も無き世界のエンドロール
    著者:行成薫
    発売日:2015年02月
    発行所:集英社
    価格:704円(税込)
    ISBNコード:9784087452846

    Vol.10に続く

    ※1月2日 正午公開※




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