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  • 島本理生『2020年の恋人たち』は、女性の決断と解放を描いた物語

    2020年12月14日
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    直木賞受賞作『ファーストラヴ』が、来年2月に北川景子さん主演で映画化される島本理生さん。

    受賞後初の長編小説となる『2020年の恋人たち』が、11月20日(金)に発売されました。

    2020年の恋人たち
    著者:島本理生
    発売日:2020年11月
    発行所:中央公論新社
    価格:1,760円(税込)
    ISBNコード:9784120052798

     

    葵、32歳。独身。ワインバー、始めます。

    今作で描かれるのは、大人の女性の「決断」と「解放」です。

    精密機械を扱う会社で営業として働く前原葵は、2018年、突然の事故で母親を亡くします。しかし落ち着く間もなく、母が生前経営していたワインバーを引き継ぐかどうか決断を迫られることに。

    母の死をきっかけに、葵を取り巻く環境は大きく変化していきます。

    「2020年の東京を、このお店で一緒に作りましょう」――ワインバーを引き継ぐことに決め、先の見えない未来への不安のなかで、求人の貼り紙にひとつの希望を込めた葵。

    彼女の迎える2020年は、いったいどのような未来なのでしょうか。

     

    選択を繰り返して、わたしたちは“自分”を知っていく

    新たな世界に飛び込んだ葵は、多くの出会いと別れを経験していきます。

    会話のない恋人の港、ともに店で働くことになった松尾、試飲会で出会った瀬名……。それぞれの相手と向き合いながら、葵は自分にとって「本当に必要なもの」が何なのかを見つめ直していきます。

    たとえば葵は、同棲していた港と別れる決断をした後、ふと「一人でいることの幸せ」に気づきます。

    一人の楽しさなんて、忘れていたのだ。三十代になって今さら一人になることはとても悲しくて、おそろしいことだと思っていたから。(p.90より)

    自分が“どうしたいか”より、“どうするべきか”を考え、優先してしまう人は、読者にもきっと多いはず。本当に自分が望んでいるのかも考えず、「大人だから」と世間の価値観を優先してしまう……。そんな日々に違和感を持ち、疲れてしまった経験はありませんか?

    “どうしたいか”を自ら選びとり、“どうするべきか“から解放されたとき、私たちは初めて「自分」を知っていきます。

    葵が選んだものと、選ばなかったもの。その中に、一歩を踏み出す糸口が描かれているかもしれません。

    『2020年の恋人たち』特設ページ

     

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