'); }else{ document.write(''); } //-->
書店で絵本を購入・寄付することで、厳しい環境に置かれている子どもたちに“クリスマスの思い出”をプレゼントする社会貢献プロジェクト「ブックサンタ」。スタートから4年目となる今年、NTTコミュニケーションズ シャイニングアークスを代表して、選手3名が絵本の寄付に参加しています。
あれこれ悩みながら目に留まったものを手に取り、1冊ずつ絵本を選んだ選手の皆さん。さて、どんな絵本を選んだのでしょうか?
「ブックサンタ」プロジェクトとは……
2017年、貧困や災害などでクリスマスイブに困難な状況下にある子どもたちへ、サンタクロースが直接絵本を届けるプロジェクトとしてスタート。
社会貢献活動への参画のきっかけになること、子どもたちが絵本に触れる・読むきっかけを作ること、絵本が親子のコミュニケーションの一助となり、クリスマスには誰かのために絵本を贈るムーブメント(文化)になることを目指しています。寄付の方法は、選んだ絵本を対象書店で購入し、レジで「ブックサンタに寄付する」と伝えるだけ。今年は新たに山形県・群馬県の書店が加わり、全国36都道府県・307店舗で参加できるようになりました。なお近隣に対応書店がない場合は、ネット書店「Honya Club.com」やクラウドファンディング「CAMPFIRE」からも参加可能です。
(写真左から)
西橋勇人さん(SH)、山下弘資さん(No.8)、光井勇人さん(SH)
※撮影協力:幕張 蔦屋書店
―― 絵本選びは、悩みましたか。
西橋: 悩みましたね。でも、書店だと内容まで見られるので、納得して選べたと思います。
光井: これまでは、書店に来ても絵本売り場を見ることがあまりなかったので、大人になってから久しぶりにこんなにたくさん絵本を手に取りました。表紙を見て「あ、この絵本、子どもの頃に読んだな」と思い出すものも多かったです。
山下: 絵本って、絵がシンプルで余白も多いイメージがあったんですけど、最近の絵本は細かく描き込まれているものも多いし、しかけも凝っていますね。色づかいもカラフルで。自分が思っていた以上に、絵本ってバラエティ豊かなんだなと思いました。
―― 今回初めてブックサンタに参加されたわけですが、このプロジェクトの背景にある“子どもの貧困”については、すでにご存じでしたか?
光井: 知らなかったです。「貧困」や「飢餓」というと、紛争地域など“遠い海外で起きていること”というイメージがありました。シャイニングアークスでは“未来プロジェクト”の一環で「1TRY×1TOY」(※)という企画を続けていますが、全国の困難な状況にある子どもたちにプレゼントを届ける試みは初めてです。今回のプロジェクトへの参加をきっかけに、困難な状況にある子どもたちの存在を知って、「自分が子どもの頃に与えてもらった絵本やおもちゃって、当たり前じゃなかったんだな」と思ったし、スポーツ選手として、子どもたちに夢をプレゼントできたらいいなと思いました。
※2018年にスタートした、浦安市の保育園児を対象に、試合におけるトライ数の分だけおもちゃをプレゼントする企画。クリスマス時期にあわせて選手たちが園に直接訪問し、子どもたちと時間を過ごす。おもちゃ選びやラッピングも、すべて選手たちの手で行なわれる。
山下: 僕も、今回の参加をきっかけに知りました。『ざりがにのおうさま まっかちん』という絵本があるんですが、子どもの頃、この絵本を気に入って「自分もやってみたい!」とザリガニ釣りを始めた思い出があります。プロジェクトへの参加にあたって、子どもの頃の僕と同じように、絵本をきっかけに、楽しい遊びや趣味に出会ってもらえたらという思いもありました。
西橋: 僕は、「子ども食堂」に関するニュースを見たのが“子どもの貧困”を知ったきっかけでした。ブックサンタに参加して絵本を届けることで、クリスマスの思い出をプレゼントするとともに、一人で過ごす時間を少しでも楽しくできたらと思っています。そういう思いも込めて、今回は自分が小さい頃に読んだ作品を選びました。
―― それではお一人ずつ、選んだ本の紹介をお願いします!
西橋: 僕が選んだのは『おおきなかぶ』です。小学校の授業で習って面白かったのが思い出に残っていたんですが、細かい内容は忘れてしまっていて、今回あらためて読んで「このかぶ、おじいさんが植えたものだったんだ」と驚きました。選んだ理由は、この大きな大きなかぶが、周囲の人や動物たちと協力することでやっと抜けるから。最初のうちは「うんとこしょ、どっこいしょ」の繰り返しが楽しいと思うんですが、「1人ではできないことも、皆で集まればできるかもしれない」というメッセージをなんとなくでも受け取ってもらえたらなと思いました。
――『おおきなかぶ』って、ロシアの民話なんですよね。世界のお話に興味が広がるきっかけにもなりそうです。
西橋: そうそう、そのことを今回手にとって初めて知りました。いつも日本語で読んできたので意識していなかったけど、おなじみの絵本にも、海外生まれのものがけっこうあるんですよね。
―― では続いて、光井さんお願いします。
光井: 僕は『三びきのやぎのがらがらどん』を選びました。
―― こちらもノルウェーの童話ですね。それにしても、怖い絵本を選ばれたのが意外でした。
光井: そう、怖いんですよね(笑)。僕も、子どもの頃に読んで怖かったのが強烈に記憶に残っていて、絵本売り場でつい手に取ってしまいました。でもこのお話も、さっきバシさん(西橋さん)が言ってたように、大人になってからあらためて読むと内容がすごく深いんです。「トロルは恐ろしいけれど、ずっと同じところにいては何も変わらない」「知恵と勇気を持って進んだ先に、こんないいことが待ってるんだよ」と。「チャレンジなしでは人生はいい方向へ進まない」というメッセージが今の自分の心にも響いて、ぜひこの絵本を届けたいと思いました。
―― 山下さんは、何を選びましたか?
山下: 僕も、思い出の絵本から選びました。『ぞうくんのさんぽ』です。散歩に出かけたぞうくんが、途中でかばくんに出会ったあと、わにくん、かめくんと仲間を増やし、みんな背中に乗せてお散歩していたら、重さにたえられなくなって池にドボンと落ちてしまう。でも落ちた池でも遊んじゃう……という内容の愉快な一冊で、これも子どもの頃に大好きでした。絵が親しみやすいシンプルさで、色彩がやさしくてきれいで、作中の動物たちのやりとりも楽しいんですよね。外に出かけたくなる絵本です。
―― なんだかこの絵本、山下さんの雰囲気にすごく似合っています。
光井: 確かに(笑)。
山下: あ、本当ですか(笑)。このぞうくん、すごく優しいんですよね。実は「う~ん、重いなあ」と思ってるんだけど、「行こう行こう!」って皆が盛り上がっているから「降りて」とは言わないところとか。
―― お話はもちろん面白いんですけど、大人になってから読むと、ぞうくんの味方になってあげたくなりますよね。それから、ぞうって「優しくてのんびり屋さん」というイメージなんですけど、実はお話によって、描かれ方が少しずつ違っていたりするんです。好きな動物の出てくる絵本を読み比べてみるのも、面白いかもしれませんね。
選んだ絵本を持って、お店のレジへ。「ブックサンタでお願いします」と伝えて、普段のお買い物と同じように代金を支払って、絵本はそのまま寄付します。その際、参加したことの証明として、ステッカーとサンクスレターがプレゼントされます。
なお寄付された絵本は、子どもたちのもとへ“ボランティアサンタ”が届けます。寄付の受付は、クリスマスイブの12月24日(木)までです。
子どもたちへの思いや、絵本の思い出を語ってくれた西橋さん・光井さん・山下さん。今回シャイニングアークスがブックサンタに参加したのは、同チームで2019年まで選手として活躍し、現在はコーチをつとめる友井川拓さんが、「チームとして何かできることはないか」とブックサンタ事務局に連絡したのが始まりでした。
ここからは、ブックサンタを運営するNPO法人チャリティーサンタの代表理事・清輔夏輝さんと、友井川コーチのインタビューをお届けします。
NPO法人チャリティーサンタ代表理事 清輔夏輝さん
―― コロナ禍において、ブックサンタにも変化はありましたか。
清輔: 2017年のスタート以降、ブックサンタは、寄付においても、知名度においてもプロジェクトとして順調に育ってきたという実感があります。そんななかで今年は、新型コロナウイルスの流行が一因となり、私たちが当初見込んでいたよりも、絵本の寄付を希望する声がかなり多く集まりました。「これはいつも以上に寄付を呼びかけないと応えられないな」と思っていたところに、時を同じくして、シャイニングアークスさんからお問い合わせをいただいたんです。「どんな形になるかわからないけれど、ぜひご一緒したい」というお声かけから、今回は選手の皆さんに寄付していただくことになりました。緊急事態宣言下は「今年も実施できるんだろうか?」という不安がありましたが、もともと寄付された絵本が集まってから発送まで一定期間かかることもあり、感染リスクを回避できると判断し、わたしたち事務局としてはむしろ「こんな状況だからこそ実施するべきでは」という思いで意見が一致しています。トップリーガーであるシャイニングアークスの皆さんにお力添えいただいたことで、この思いがもっともっと広がるといいなと思っています。
―― 友井川さんは、どういう経緯でブックサンタの存在を知ったんですか?
友井川: 昨年現役を退いたとき「スポーツって、会場に見にきてくれた人を笑顔にできるだけじゃなく、まだ会ったことない人にも元気を届けられる力があるんだな」「それがスポーツの本来の役割なのかもしれない」ということを、すごく実感したんです。それで、シャイニングアークスとして何か人々に貢献できることはないかといろいろ調べていたときに、ブックサンタの存在を知りました。僕自身、本が好きで、子どもがいることもあり、「本にかかわる取り組みができること」「参加する側にも本を選ぶ楽しみがあって、気軽に参加できて、それによって誰かが喜んでくれる」というコンセプトが素晴らしいなと思っています。実は昨年の時点で見つけていたんですが、タイミングがぎりぎりでお声かけできなくて。私としては、1年越しで無事ご協力までたどり着けたなという感覚です。
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス バックスコーチ 友井川拓さん
―― 参加が決定したときの、選手の皆さんの反応はいかがでしたか。
友井川: 普段から絵本にたくさん触れてきたわけではないので、最初はきっと戸惑ったでしょうね。でも先ほどインタビューで答えていたように、実際に参加してみたことで、最初は誰かに“与える”つもりだったのが、それ以上に自分がいろんなものを“与えてもらっている”ことを知ったと思います。子どもを取りまく現状も含め、僕たちのほうが学んだことは多いです。
清輔: プロジェクトに参加してくださった方々からも、「自分のほうがもらったものは大きかった」「今までいろんなクリスマスを過ごしてきたけれど、今年のクリスマスが一番幸せだったかもしれない」と言っていただくことが多いです。家族や恋人など“目の前の存在”のために何かすることはあっても、見ず知らずの誰かのために行動することって、きっと多くの人にとってあまりない経験ですよね。それがクリスマスというきっかけで、サンタクロースという衣を羽織ることで「やってみようかな」という気持ちになれたと、皆さんよくおっしゃいます。
友井川: シャイニングアークスは、「ふたつの『V』」をチームのキーワードに日々活動しています。1つ目のVは「VICTORY(勝ち)」、2つ目のVは「VALUE(価値)」。スポーツチームとして「勝ち」を前提に、チームの「価値」も高めていくことに力を入れています。ラグビーのことを知って、好きになってほしいのはもちろんですが、チームの活動を知って、シャイニングアークスを好きな人がもっと増えるとうれしい。そういう意味でも、今回こういう機会をいただけたことは、本当にありがたいです。このご縁をきっかけに、いろんな形で社会に貢献できたらと思っています。
実施期間:2020年11月1日(日)~12月24日(木)
実施場所:
・書店:36都道府県・307店舗(詳細はこちら)
・オンライン書店Honya Club.com
・クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」
絵本のお届け日:2020年12月24日(一部はクリスマス前にも届けられます)
▼参加の流れ(絵本の寄付)
【1】対象書店で贈りたい絵本を選び、レジで購入。会計の際に「ブックサンタでお願いします」と伝えると、参加ステッカーがもらえます。誰でも参加可能です。
【2】寄付された絵本は東京・岡山の2か所に集約され、ボランティアの手で年齢・人数ごとに仕分けられます。
【3】仕分けられた絵本は、各地にあるチャリティーサンタの支部へ。クリスマスイブに、申し込みがあった中から選定された家庭・施設へ、独自のサンタ研修を受けたボランティアサンタが絵本を届けます。
※期間中に子どもの人数よりも絵本が多く集まった場合、または購入日の都合により今年12月24日のお届けに間に合わない場合は、来年以降のお届けとなる可能性があります。
※絵本のお届け先家庭:全国の0歳~中学生の子どもたち
※経済的に厳しい家庭や、災害で被害に遭い仮設住宅に住む家庭の子ども、入院中の子どもなどが対象です。
※NPO法人チャリティーサンタが派遣するボランティアのサンタクロースは現在募集中です(詳細はこちら)
〒261-8535 千葉県千葉市美浜区豊砂1-1 イオンモール幕張新都心グランドモール1F
・営業時間:10:00~21:00(年中無休)
・駐車場あり
・Tel.043-306-7361
・https://store-tsutaya.tsite.jp/storelocator/detail/1548.html