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  • 根っからの勝負師“マグロゴルファー”!メンタル強者の秘策を描くゴルフ漫画

    2020年11月30日
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    黒田順子:講談社コミックプラス
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    ダモクレスのゴルフ 1
    著者:本島幸久
    発売日:2020年10月
    発行所:講談社
    価格:704円(税込)
    ISBNコード:9784065214411

    お世辞にも品がいいとは言えないオジサンの絵に、「ダモクレス」という聞き慣れない言葉。これは一体どんなゴルフ漫画なんだ!? と思って読み始めましたが、面白い!!
    プロテストに合格したばかりの研修生、真中(まなか)進一朗によって語られる通称マグロゴルファー・八咫崎鉄(やたざきてつ)が、とにかく型破りで愉快で魅力的なのです。

    無名のプロゴルファーたちが集まり、その参加費がそのまま賞金となるミニツアー。
    初参加の真中が一緒にコースを回ることになったのが八咫崎鉄と、昨年の学生チャンピオンでこの春プロテストに合格した期待の新人、仁科シュウ。

    優勝する気満々の仁科シュウは、スポンサーから提供された最新クラブの特性を活かし、タイガー・ウッズのようにタテ回転のスイングで飛距離を稼ぐ飛ばし屋。1打目から優位に立ちます。

    一方、貫禄十分な鉄がどんなショットを打つのか、みんなが注目していると、

    もうこの段階で、大爆笑です!!

    天井の低い揺れる漁船の中で素振りをしているから、トップもフォローも低いヨコ回転。つまり飛距離が出ないということで、プロとしては圧倒的に不利。
    しかも身体に染み付いたスイングは、そう簡単には直せません。
    とんでもないハンディを持つ鉄が、この先どうやって勝負に勝っていくのか?

    いくらグリーン周りの小技やパットが上手くても、それだけでは話が面白くならないので、これは大変だぁと思いながら読んでいたのですが、なるほどねぇ~!! そういう逆転劇があったのか!! という展開が待っていました。

    ちなみに鉄の異名マグロゴルファーは、鉄がマグロ漁船に乗っているからだけではありません。もっと違う意味からこのあだ名が付けられました。
    その由来も、なるほどねぇ~!!なのです。

    鉄に興味を持った真中は、また一緒に回れるよう鉄のスケジュールに合わせて次のミニツアーを選びます。
    そこで同じ組で回ることになったのが、美人女子ゴルファーの夏原霧子(なつはらきりこ)。

    テレビで放送されるトッププロのツアーと違いミニツアーは、試合は別々でも男女が同じ組で回ることがあることを今回初めて知りました。

    賞金額など、この世界の裏側を知ることができるのも面白さの1つですし、丁寧な解説や絵があるので、ゴルフを知らない人でも楽しめます。
    私自身はそれなりに経験があるので、なるほど~!! とか、これあるなぁ~と思いながら読みました。

    ミニツアーを回る3人は、初めから霧子のペース。
    強面(こわもて)の鉄も美人には弱く、いいところを見せようと張り切りすぎてミスばかり。
    そこに霧子から、とんでもない提案をされます。

    お金を賭けた勝負は、もちろん犯罪です。
    しかし霧子の挑発に乗り、危険な賭けに挑もうとする鉄。

    この作品のタイトルである「ダモクレス」は、古代ギリシャに伝わる「ダモクレスの剣」からきています。

    栄光の天国と死の地獄が同時にある――
    その“ダモクレスの剣”に耐えられるメンタルを持つ者しか
    真の勝者にはなれない

    根っからの勝負師で、ホンモノの賞金稼ぎである鉄は、常に「ダモクレスの剣」を楽しんでいるのです。

    私たちが何かを始めるとき、まずは基本を大切にと言われます。
    しかし、スバ抜けた天才というのは、必ずしも型通りではない気がします。
    プロ野球で偉業を成し遂げた王貞治さんしかり、イチローさんしかり。
    きっとマグロゴルファー鉄も、型破りな天才に違いありません。
    だからこそ、この先どう挽回していくのか、どんな秘策を繰り出すのか、魅力的な鉄の今後が益々気になります。

    試し読みはこちら

    (レビュアー:黒田順子)


    ※本記事は、講談社コミックプラスに2020年10月31日に掲載されたものです。
    ※この記事の内容は掲載当時のものです。




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