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11月10日(火)、「Yahoo!ニュース|本屋大賞 2020年ノンフィクション本大賞」の大賞作が、佐々涼子さんの『エンド・オブ・ライフ』に決定しました。
日本最大級のインターネットニュース配信サービス「Yahoo!ニュース」と、書店員が「面白かった」「お客様に勧めたい」と思った本を投票で決定する「本屋大賞」が連携し、2018年に設立された「Yahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞」。
ノミネート作の選出、大賞決定ともに、書店員の投票によって行なわれているのが特徴です。
このたび大賞を受賞した『エンド・オブ・ライフ』は、「看取りのプロフェッショナル」である看護師を友人にもつ著者が、友人の“最期への向き合い方”や、在宅医療の取材に取り組むきっかけとなった難病の母のこと、彼女を自宅で献身的に看護する父の話を交えて、静かな筆致で「在宅での終末医療の現場」「命の閉じ方」を綴ったもの。
投票した書店員からは「一つとして同じではないたくさんの方の死が描かれ、その一つ一つに考えさせられ涙する」「私のなかで『死に対する不確かな怯え』が少し形を変えたような気がします」との推薦コメントが寄せられています。
著者・佐々涼子さんからのコメント
7年前、在宅での終末医療の取材をするため私は京都の医療チームに同行しました。そこで見たのは、家で最期の時を過ごす人々の、奇跡のような命の輝きでした。しかし、同時に戸惑います。私にも寝たきりの母を献身的に介護する父がいましたが、私に父のような介護ができるとは思えない。できないものを安易に称賛していいものだろうか。ノンフィクション作家として悩み、筆が止まります。
転機が訪れたのは今から2年前のこと。取材に協力してくれた訪問看護師の友人ががんに侵されたのです。彼が迷い、揺れつつも、運命と折り合いをつけ、すべてを受け入れる過程を見せてもらいながら、私は人生の本質に触れたような気がしました。彼が命がけで残してくれた言葉は、きっと誰に対しても大切な命のレッスンとなるでしょう。
書店員のみなさん、このたびはすばらしい賞をありがとうございました。読者を誰よりもご存じのみなさんに選ばれたことを誇りに思います。
〈プロフィール〉
ノンフィクション作家。1968年生まれ。神奈川県出身。早稲田大学法学部卒。日本語教師を経て、フリーライターに。2012年、『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』(集英社)で第10回開高健ノンフィクション賞を受賞。2014年に上梓した『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場』(早川書房)は、紀伊國屋書店キノベス第1位、ダ・ヴィンチBOOK OF THE YEAR第1位、新風賞特別賞など数々の栄誉に輝いた。
★プロローグ&2章分 無料公開中
https://www.shueisha-int.co.jp/publish/endoflife
★書店員からの推薦コメントや読者の声、佐々涼子さんのインタビューが「Yahoo!ニュース|本屋大賞 2020年ノンフィクション本大賞」特設サイトで公開中です
https://news.yahoo.co.jp/promo/nonfiction/
※作品名五十音順
・『エンド・オブ・ライフ』(佐々涼子/集英社インターナショナル)
・『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』(梯久美子/KADOKAWA)
・『女帝 小池百合子』(石井妙子/文藝春秋)
・『聖なるズー』(濱野ちひろ/集英社)
・『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』(高橋ユキ/晶文社)
・『ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち』(ブレイディみかこ/筑摩書房)
・ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』が「Yahoo!ニュース|本屋大賞 ノンフィクション本大賞」を受賞