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『銀河英雄伝説』正伝完結から33年。正伝・外伝では語られなかったエピソードを紡ぐ公式トリビュート短編集が、田中芳樹さん監修のもと、同作を愛してやまない作家陣によって執筆されることになりました。
その第1弾となるのが、10月30日(金)に発売される『銀河英雄伝説列伝1 晴れあがる銀河』。
『第六大陸』『天冥の標』の小川一水さん、『アイルランドの薔薇』『月の扉』の石持浅海さん、〈三国志〉〈真田十勇士〉シリーズなどの歴史小説で知られる小前亮さん、『ランドスケープと夏の定理』『エンタングル・ガール』の高島雄哉さん、〈少年探偵・狩野俊介〉シリーズの太田忠司さん、『オービタル・クラウド』『ハロー・ワールド』の藤井太洋さんの6名が参加しています。
アニメ「銀河英雄伝説 Die Neue These」の続編制作も決定しますます盛り上がるなか、新たな“銀英伝”の世界への扉が開きます。
適切な喩えかどうかわかりませんが、いわば私は「銀河英雄伝説」という名の野球スタジアムを建設しました。
そのスタジアムのなかで、名だたる選手たちが思いのままにプレーし、好打や美技を披露してくれる。そう想像すると、わくわくします。
できあがった本を手にする日が愉しみです。
そして、できるだけ多くの方々が、その愉しみを分かちあい、「銀河英雄伝説の世界がひろがった」と喜んでくださることを、心から祈っております。――田中芳樹(序文より)
『銀河英雄伝説』の世界
田中芳樹さんの代表作である『銀河英雄伝説』は、遠い未来の宇宙を舞台にしたSF小説。専制君主が支配する「帝国」と、独裁に抵抗する「自由惑星同盟」。そして帝国領でありながら陰で権力を操る「フェザーン自治領」という銀河の盤面で繰り広げられる、英雄たちの闘争と栄光を描いた宇宙叙事詩。
1982年に正伝第1巻が刊行され、正伝全10巻、外伝全5巻からなる。
現在、「ウルトラジャンプ」(集英社)にて、藤崎竜さんによる漫画版が連載中(2020年2月に「ヤングジャンプ」から移籍)。
「竜神滝(ドラッハ・ヴァッサーフェル)の皇帝陛下」(小川一水)
「川に釣糸を垂れていらっしゃるときでも、陛下は、鱒ではなく宇宙を釣りあげようとしておいででした」という記述が正伝10巻にある。その背景となった出来事とは……。
フェザーンへ新婚旅行に赴いたラインハルトとヒルダ。皇帝夫妻を歓迎する一大イベントブームが巻き起こり、耐えかねたラインハルトは不意に「明日から予はさかな釣りをする」と宣言した。
「士官学校生の恋」(石持浅海)
菓子作りを趣味とする士官学校生が帝国人を祖父に持つ恋人のため、数少ない証言を元に帝国の郷土菓子を作った。だが彼女は「イメージしていた味とどこか違う」と首をひねる――想像の中にしか正解のない味を再現することは可能なのか? アレックス・キャゼルヌ少佐は、後輩ヤン・ウェンリーから聞いた逸話を恋人オルタンスに披露するが……。
「ティエリー・ボナール最後の戦い」(小前亮)
謎の奇襲によって基地を壊滅させられた自由惑星同盟。同盟の航路情報が帝国軍に漏洩しているのか、それとも第三勢力フェザーンの陰謀か? 疑心暗鬼うずまくさなかに招集されたのは、剽悍かつ生真面目なウランフ少将と、彼と好対照の性格を持つティエリー・ボナール。さっそく彼らは調査を始めるが、そこに第二の襲撃の報がもたらされる。
「星たちの舞台」(高島雄哉)
卒業を3か月後に控えた士官候補生ヤン・ウェンリーは親友のラップに頼まれ、音楽学校生ヒュパティアが企画する演劇の舞台に出演することに。ヒュパティアは学寮の廃止に対抗するべく、かつて士官学校での学科存続運動の旗振り役だったヤンの手を借りたいと考えたのだという。ヤンは自分と同じ姓を持つ1,600年前の物理学者を演じることになるが。
「レナーテは語る」(太田忠司)
帝国軍の情報処理課に勤務するレナーテは、ある晩同僚の女性イェシカが睡眠薬の過剰摂取のため自室で死亡しているのを発見する。だが、現場にやってきた上司のオーベルシュタインは、即座にその死が自殺に偽装されたものであることを看破した。あくまでも冷徹を貫く上司に反発を覚えながらも、レナーテは真実を探り当てることを亡き友人に誓う。
「晴れあがる銀河」(藤井太洋)
帝国暦3年。皇帝ゴールデンバウムの勅令により、帝国軍航路局のシュテファン・アトウッド少尉は、惑星オーディンを中心に据えた「帝国基準の」銀河航路図を作成することになる。黒人女性技術者のカメリア・ランカフと金髪碧眼のホンダ・スマイリーを従え、新しい航路を購入するべく訪れたのは、ローレンス・ラープ三世という地球出身者が経営する商会だった。