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  • 映画「望み」“まるで本当の親子のように”臨んだ撮影現場の様子 完成披露試写会舞台挨拶もレポート

    2020年10月02日
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    ほんのひきだし編集部
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    〈ある晩「ちょっと」と家を出たきり、行方がわからなくなった息子。愛する息子は殺人犯か、それとも被害者か――〉

    10月9日(金)に公開される映画「望み」。堤幸彦監督がメガホンをとり、主演・堤真一さんをはじめ石田ゆり子さん、岡田健史さん、清原果耶さん、松田翔太さんら豪華キャストが出演する同作のメイキング写真が解禁されました。

    カメラがおさめたのは、監督とキャストが細かい動きについて話している様子。撮影中、堤監督は誰よりも早く現場入りし、主人公・一登を演じた堤さんに「設計士らしさを出すため、建築業界新聞の表面ではなく“裏面”を読むようにしてはどうか」と提案するなど、すみずみまで動きを確認して段取りで提示していたのだとか。

    撮影は、長男・規士の不在に揺れる家族の感情の移り変わりをしっかりと捉えるため、ほぼ順撮りで進行。リビングでのシーンひとつとっても、4人家族の立ち位置やちょっとした移動によって、彼らの微妙な感情が空間に立ち上がってきます。

    ちなみにクランクイン前、堤真一さんからは「家族4人集まって、疑似家族として1日過ごしたい」と希望が出ていたのだとか。それもあってか、現場でセリフを練習する岡田さんとそれを見つめる堤さんの姿は、本当の父子のように見えるほどだったといいます。

    それでは実際に家族を演じたキャストたち自身は、いま撮影時をどう振り返っているのでしょうか? ここからは、堤真一さん・石田ゆり子さん・岡田健史さん・堤幸彦監督が登壇した完成披露試写会舞台挨拶のもようをお届けします。

    ※9月27日(日)東京・神楽座にて開催。

    舞台挨拶は、完成披露試写会の会場であるTOHOシネマズ日比谷(東京)・TOHOシネマズ梅田(大阪)に中継をつないで実施。画面の向こうで上映を楽しみにしている観客たちの表情を見ながら、登壇者の堤さん・石田さん・岡田さん・堤監督が、撮影時のエピソードや映画に込めた思いを語りました。

    冒頭で、堤監督は「つらく苦しい味わいではありますが、その先に一筋の光もあり、この時代に必要な『家族とは何か』『親であること、子であることとは何か』を問いかける作品になりました。今回ほどキャストやスタッフに助けられた作品はありません。いろんなアイデアを出し合い、まるで舞台演劇を作っているような、緊張感のある撮影が毎日できました。何年も作品を作ってきましたが、今までに経験したことのない作品づくりになったと思います」とコメント。

    続いてキャスト陣から、どのように本作に挑んだかが語られました。

    堤監督とは初タッグとなる堤真一さん。最初に台本を読んだ時、「とにかく難しい作品で、お断りしようかなと思っていた」と当時を振り返りました。

    「(主人公・一登は)発している言葉と体の状態のズレがとても大きい人物。強い姿勢を見せて『息子を信じる』と言う一方で体がどんどん衰えていくような、気持ちと肉体が乖離していく役なので、とてもつらかったです。なので撮影以外の時間はとにかく楽しく過ごそうと、共演者の皆さんとずっと喋っていました」

    撮影の合間の話題は、主に「薪ストーブの素晴らしさについて」だったそう。

    一登の妻・貴代美を演じた石田さんは、「堤さんのおかげで、今とても薪ストーブがほしいです」と笑いながら、「なにしろ想像を絶する話なので、もちろんお話はすべて理解したうえで、もうそこへ飛び込むしかないと思いました。数日間日常が続いたあとは、すべてのシーンで泣かなければいけないような展開がやってくる。つらかったですが、ほぼ順撮りだったのはありがたかったです」と振り返りました。

    物語の肝になるのは、岡田健史さん演じる息子・規士の存在。規士がある晩出かけたきり行方知れずになり、同級生の遺体が発見されたことから、物語は「規士は加害者なのか、それとも同級生と同じように被害に遭ってしまったのか」という不安と疑念を抱いて進んでいきます。

    そんな規士を演じるにあたって岡田さんが意識したのは、加害者と被害者、どちらの可能性も考えてしまうような人物を表現すること。

    「どちらにもとれるような、どっちなんだろうって思われるような演技を心がけました。父親からは『反抗期なんだろう』と思われるように、母親からは『ちょっと様子がおかしいな』と思われるように。映画を観る方々が、家族それぞれから出される情報をたよりに考え、最後に答え合わせできるようにと考えていました」

    そんなふうに役のイメージをふくらませ、臨んだ撮影。堤監督からも衣装合わせの際に「反抗期をしっかり出してほしい」との言葉をかけられたそうで、「準備してきたことは間違ってなかったんだなと思いました。最後までのびのび、規士を演じることができました」と振り返りました。

    続いてMCからは、堤さんと石田さんに「本当の夫婦だったら、お互いに望むことは?」、岡田さんに「2人が本当の両親だったら?」という“もしも”の質問が。

    堤さんは「望むことは何もないですけど、1日2~3回はオモシロをやってくれると期待しています。ちょっとトンチンカンなところがあるので(笑)」。これに対して石田さんも、「撮影中にも堤さんから、『本当に手順を覚えない人だね』って言われました。私、本当にそういうのを覚える能力がなくて、すぐに忘れてしまうんです。洗濯物をたたみながらしゃべるシーンがあるんですが、そのシーンの撮影は本当に大変でした……」と苦笑。

    さらに堤さんが「本当にこんな人いるんだって思って。天然記念物みたいな方です」とたたみかけると、石田さんが「先ほども薪ストーブの話が出ましたけど、本当にいつも楽しそうに薪ストーブの話をしていらして、もう薪ストーブの話はしないでいただきたいというのが、私の“望み”です」と反撃。

    その後「でも、私が何をやっても全部『どんとこい』と受け止めてくれる方なので、好きなように演じさせていただいたことに感謝しています」と、信頼しあっているようすを伺わせました。

    このやりとりを受け、岡田さんは「堤さんが本当に僕のお父ちゃんだったら、これから寒くなりますから、薪ストーブで隙間なく家を温めてほしいですね」とコメント。

    堤さんがすかさず「あったまるのよ~! ピザも作ってあげるよ」と乗っかり、会場を沸かせました。

    また石田さんに対しては「石田さんがお母ちゃんだったら、僕が仕事で何かあったり悩んだりして眠れない夜に、クラシックギターを弾いて眠らせてほしいです」。石田さんがクラシックギターを習っていると話していたのを覚えていたのだそうで、石田さんは「なんてことでしょう。こんな息子がいたら毎日やりますよ」と微笑んでいました。

    舞台挨拶で交わされる言葉は和やかでしたが、劇中では「息子の無実を信じたい父親」と「息子の無事を願う母親」それぞれの思いが対立することで、作品を貫く“家族とは何か”“何を望むか”という問いを観る者に投げかけます。

    「父親と母親、どちらに共感するか?」というテーマに、堤さんは「どの立場にも共感できます。演じたのは父親ですが、妻の思いや望みはわかる。息子や娘にも共感できます。それに、自分とまったく同じ考えの人なんていないし、それぞれに違う時間が流れている。でも家族ってどこか、それを固定させようとする。だからひずみが出るんだと思います。『理解できるし、正しいと思う。でも……』というのが、この作品の世界ですね」「いろんな視点で見られる映画です。家族それぞれの立場だけでなく、マスコミや世間という視点もあります。ただ、“世間”の視点で見る時は、徹底的に自分の正当化を頑張ってください」。

    また、母親を演じた石田さんは「貴代美という役を演じて『母親として、加害者でも被害者でもない、別の真実があるとは思わないだろうか』と考えていました。何があろうとも子どもにとにかく生きていてほしい。そこにこじつけるためには、どんな妄想もするんじゃないか。きわめてわずかな可能性も信じるのが母親なんじゃないかと思いました」。そして本作について、「流れている時間がとても濃い作品です。1秒の間に皆の気持ちがすごく凝縮されて詰まっていて、たぶんあっという間に見終わってしまうと思います。ぜひ集中して観てみてください」とメッセージを寄せました。

    岡田さんは「いま世に出す意味がある作品です。僕と同世代や年下の方もぜひ観て、劇場を出て家に帰ったら、家族を愛でる時間を設けてくださることを望みます」とコメント。

    最後に堤監督が「この作品のどこかに、ご覧になる皆さんがきっといると思います。それくらい、誰しもが心のどこかに刺さる作品にしたいと作ってきました。ぜひ最後までご覧ください」とあらためて語り、舞台挨拶は幕を閉じました。

     

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    原作はこちら

    望み
    著者:雫井脩介
    発売日:2019年04月
    発行所:KADOKAWA
    価格:748円(税込)
    ISBNコード:9784041082096

     

    映画「望み」作品情報

    Story
    建築家の石川一登(いしかわかずと)とフリー校正者の妻・貴代美(きよみ)は、一登がデザインを手掛けた邸宅で、高一の息子・規士(ただし)と中三の娘・雅(みやび)と共に幸せに暮らしていた。規士は怪我でサッカー部を辞めて以来遊び仲間が増え、無断外泊が多くなっていた。高校受験を控えた雅は、一流校合格を目指し、毎日塾通いに励んでいた。冬休みのある晩、規士は家を出たきり帰らず、連絡すら途絶えてしまう。翌日、一登と貴代美が警察に通報すべきか心配していると、同級生が殺害されたというニュースが流れる。警察の調べによると、規士が事件へ関与している可能性が高いという。さらには、もう一人殺されているという噂が広がる。
    父、母、妹――それぞれの〈望み〉が交錯する。

    堤真一 石田ゆり子
    岡田健史 清原果耶
    加藤雅也 市毛良枝 松田翔太 竜雷太

    監督:堤幸彦
    原作:雫井脩介『望み』(角川文庫刊)
    脚本:奥寺佐渡子
    音楽:山内達哉
    主題歌:森山直太朗「落日」(UNIVERSAL MUSIC)

    配給:KADOKAWA

    nozomi-movie.jp

    2020年10月9日(金)より全国公開

    © 2020「望み」製作委員会




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