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  • 地球侵略を狙う“猫星人”から女子大生が地球を救う!?猫の本心がわかる『侵略ニャッ!』

    2020年10月11日
    楽しむ
    黒田順子:講談社コミックプラス
    Pocket

    侵略ニャッ! 1
    著者:渡辺慎一
    発売日:2020年08月
    発行所:講談社
    価格:704円(税込)
    ISBNコード:9784065204863

    近ごろは、猫の泣き声を翻訳するアプリやオモチャも発売され、猫と人間の距離は、かなり縮まった気がします。
    それでも、できることなら直接、猫と話がしたい!! と野良猫に素っ気なくされる度に思っていました。
    もし猫と喋れたら、猫の気持ちがわかったなら……、という誰もが一度は考えたに違いない夢のような状況を宇宙からやって来た猫星人が叶えてくれます。

    太陽系から4000万光年離れた“ねこねこ星” から地球に送り込まれた宇宙猫、ガットゥーゾ。枢密院近衛軍第1司令部隊長という彼の使命は、太陽を活性化させるための「タケミムスビ」を手に入れること。
    それがどこにあるのかを記した地図を持っている女子大生・柄本麻衣(つかもとまい)の前に現れたガットゥーゾは、いきなり人間の言葉を喋り出します。

    「タケミムスビ」確保のための前線基地として、両親には内緒で麻衣の部屋に居候することになったガットゥーゾですが、居候のわりには上から目線。

    例えば、ペットショップに猫トイレを買いに行ったときのこと。
    予算の関係で、高価な屋根付きタイプではなく、オープンタイプのトイレを麻衣が選んだときのガットゥーゾのセリフ、「丸見えで用を足せというのか!!」は、おかしいのと同時にハッとさせられました。

    猫も犬も、なんならすべての動物も、こんな恥じらいなんてないと勝手に思い込んでいたのです。なんという人間本位の考え方!! 我が身の傲慢さに恥じ入るばかりです。
    確かに、トイレで用を足している猫と目が合うと、バツの悪そうな顔をしますよね。

    ガットゥーゾのお陰で、多少は猫の気持ちに寄り添えたと思うのですが、こんな悪どいことも考えているのか!?というのが、キャットフードを買わせるためにガットゥーゾが取った作戦です。

    人間は、かわいいものに対して自然と保護本能が働くようになっているそうです。
    猫がゴロゴロと喉を鳴らすのも、足元にまとわりつくのも、私のことを受け入れてくれた愛情表現と単純に喜んでいたのですが、実は人間の本能を利用したあざとい作戦だったとしたら……。
    それなのに買ってもらった高級ペットフードにプィとそっぽを向くところが、猫そのもので笑ってしまいました。

    こんなしたたかな策士でもあるガットゥーゾは、麻衣の幼なじみの布瀬勇太を “エチエチ動画”をエサに、自分の配下にしてしまいます。
    “エチエチ動画”とは、無防備な麻衣の姿を撮ったエッチな動画のことで、さすが猫星人!!と言いたいところですが、当初の目的である「タケミムスビ」確保の話は、一向に前に進みません(笑)。

    というのも、“ねこねこ星”の総司令から、作戦計画に余裕ができたから地球を調査せよ、といった指令が出たからです。
    このゆるゆるな設定に、思わずクスッとしてしまいます。きっとこの先も、なかなか「タケミムスビ」を探しに行かないだろうなぁと(笑)。

    案の定ガットゥーゾは迷子になり、街をさ迷うのですが、それは首輪に繋がっている円盤型の支援AIを麻衣の家に置いて来てしまったから。
    ガットゥーゾも、AIがないと人間の言葉が喋れないだけでなく、地球猫の言葉すらわからない、“ただの猫”。

    ニャオニャオ言っている野良猫も、実はこんなことを言っているのかもしれないと思ったら、もうそれだけでおかしくて、おかしくて。

    いつも上から目線で偉そうな口を叩くガットゥーゾと、それに負けずツッコミを入れる麻衣は、なかなかの名コンビ。
    「タケミムスビ」にたどり着くまで先は長そうですが、どんな地球探検が待っているのか楽しみです。

    試し読みはこちら

    (レビュアー:黒田順子)


    ※本記事は、講談社コミックプラスに2020年9月19日に掲載されたものです。
    ※この記事の内容は掲載当時のものです。




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