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「小説を音楽にする」という新しいコンセプトで楽曲を世に提供し、またたく間に音楽チャートの常連となった音楽ユニット・YOASOBI。
彼らの楽曲の元となった小説を収録した短編集『夜に駆ける YOASOBI小説集』が9月18日(金)に発売されました。
本作には、表題作「夜に駆ける」を含む3曲と、未発表の1曲の元となった全4作が収録されています。収録小説のジャンルは、ホラー、恋愛、ファンタジー、SFなどさまざまで、YOASOBIの楽曲の幅広さがうかがえます。
本記事では、各話のあらすじや魅力をご紹介します。
主人公である「僕」の元に届いた「さよなら」というメッセージ。
自殺を図る前に、彼女は必ず連絡を寄越す。死の誘惑=タナトスに支配された彼女の自殺を、いつも僕は止めるのだが……。
死に誘惑される衝動的な彼女を描きながら、自身もまた彼女に誘惑されていることに気づいてしまいます。「夜に駆ける」は、YouTube公開後わずか5か月で、再生回数1,000万回を突破したYOASOBIのデビュー曲です。
本書には購入特典として、ikuraさんによる「タナトスの誘惑」朗読動画を視聴することができるQRコードが付いています。
2週間後の花火大会、高校生の楓は幼馴染みの亮から告白される予知夢を見る。
巫女の家系に生まれた楓は、幼いころから予知夢を見ることができたが、予知が実現しないとその力を失ってしまうという。果たして、花火大会での告白はうまくいくのか?
爽やかな、疾走感溢れる恋のナンバー「あの夢をなぞって」。いしき蒼太さんの小説「夢の雫と星の花」では、MV内で語られなかった不思議な恋模様が描かれています。
同居していた元恋人が、夜中に荷物を取りに来た。
「久しぶり」「お帰り」「おはよう」……。どう声をかけたら良いか分からない。関係性が変わるだけで、日常にぎこちなさが入り込む様子を描いた短編「たぶん」。
大切な人と別れた後、整理できない心の中の葛藤が伝わってきます。YOASOBI初の映画化が決まった本作。作品の世界観はさらに広がっていきます。
「終末宣言」が出されてから1年。
荒廃した街でひとり楽器を集めていた男が、行き倒れの女に出会う。世界最期の日、明日への希望に満ちたセッションが始まる。
まだ楽曲化されていない小説「世界の終わりと、さよならのうた」。楽曲が制作される過程に参加できるという体験は、ほかでは味わえないものだと思います。
「楽曲」「小説」「MV」と、1つの作品への入り口がいくつもあることで、小説から楽曲を想像したり、楽曲を聞いて小説を読み直したり、MVに隠された仕掛けを見つけたりなど、何通りにも楽しめるところがYOASOBIの魅力の源泉となっています。
ボーカロイドによる楽曲作成時に作詞も手掛けてきたAyaseさんは、ただ小説を曲にするわけではありません。小説に書かれている行間を拾い上げるのはもちろんのこと、楽曲に余白を設けることで、小説を読んだ時に新しい発見ができるよう仕掛けを施しています。
透明感と親しみやすさを兼ね備えたボーカルのikuraさんが、登場人物たちの心情をどう解釈し、歌い上げたかにも注目です。
ファンはもちろんのこと、まだYOASOBIをよく知らないという人にも、手に取ってもらいたい一冊です。