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『野性の呼び声』『白い牙』などで知られるアメリカの作家、ジャック・ロンドンの自伝的小説を映画化した『マーティン・エデン』が、9月18日(金)、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほかにて順次公開されます。
イタリアを舞台に、無学の青年が上流階級の女性と出会い、教養に目覚め、作家を目指し独学で上り詰めようとする切実な姿と激情を描く本作。
ジャック・ロンドン自身も労働者階級出身の社会主義者で、彼は1867年にアメリカ・カリフォルニアに生まれたのち、冒険小説や海洋小説、ボクシング小説、SF、幻想小説、ルポルタージュなど、幅広いジャンルの作品を発表し、後世に影響を与えました。『大造じいさんとガン』をはじめとした動物小説、随筆、ノンフィクションなどで知られる作家・椋鳩十も、ジャック・ロンドンの作品に魅せられ、影響を受けた一人だといいます。
そんなジャック・ロンドンには、日本との間に、いくつか意外な接点があります。
まず、初めて彼が訪れた“外国”が日本だったこと。1893年、17歳のロンドンは、アザラシ漁船の乗組員として日本を訪れ、小笠原諸島や横浜の地を踏んでいます。
1903年に『野性の呼び声』で名声を得た後、翌1904年には、日露戦争の従軍取材記者として満州へ。自らの体験をもとにした「小笠原諸島にて―1893年、アザラシ狩り船隊の一件」のほか、「お春」「人力車夫堺長と妻君と、二人の息子の話」など、日本を舞台にした作品も多数発表しました。
さらに31歳の頃には、ハワイで出会ったヨシマツ・ナカタという日系人を10年近く従者として雇っており、ナカタが医者になるために職を辞したのちも、同じく日系人のトキノスケ・セキネを雇用。ロンドンが40歳の若さでこの世を去った時も、セキネは彼の最期に立ち会いました。ナカタの姿は、ロンドンが撮影した写真を集めた作品集『JACK LONDON PHOTOGRAPHER』にも収められています。
冒険小説の大家として名を馳せた世界的作家 ジャック・ロンドンは、日本を訪れただけでなく、アメリカに移民した日本の人々とも交流があったのです。
そんなロンドンが自身を投影した貧しい船乗りの青年・マーティンは、今作『マーティン・エデン』において、上流階級の娘エレナと恋に落ち、教養に目覚めます。激動する時代、労働者地区に生まれ育った無学の青年は、運命の出会いに導かれて文学にのめり込み、「作家になる」という夢を抱くようになりました。
夢に向かって一心不乱に己の道を突き進む彼でしたが、生活は困窮し、恋人の理解も得られないまま。しかし絶望にかられてすべてを諦めようとした矢先、彼の運命は一変します……。
彼の青春の果ては、希望か、絶望か――。波乱万丈な人生を歩む彼の姿を、第76回ヴェネツィア国際映画祭にて本作で《男優賞》を受賞した主演ルカ・マリネッリの演技、ポン・ジュノ監督も熱い視線を送るピエトロ・マルチェッロの映像で、ぜひ楽しんでみてください。
▼原作『マーティン・イーデン』は、映画帯付きで白水社より発売中
映画『マーティン・エデン』(原題:Martin Eden)
9月18日(金)よりシネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
監督・脚本:ピエトロ・マルチェッロ
脚本:マルリツィオ・ブラウッチ
原作:『マーティン・イーデン』ジャック・ロンドン(白水社刊)
出演:ルカ・マリネッリ、ジェシカ・クレッシー、デニーズ・サルディスコ、ヴィンチェンツォ・ネモラート、カルロ・チェッキ
2019年/イタリア=フランス=ドイツ/イタリア語・フランス語/129分/カラー・モノクロ/ビスタ/5.1ch
字幕:岡本太郎
後援:イタリア大使館、イタリア文化会館、在日フランス大使館、アンスティチュ・フランセ日本
配給:ミモザフィルムズ
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