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  • スティッチが戦国時代にやってきた!?戦国武将との心の交流を描く異次元コラボコメディ

    2020年08月09日
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    黒田順子:講談社コミックプラス
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    殿さまとスティッチ 1
    著者:和田洋人
    発売日:2020年06月
    発行所:講談社
    価格:990円(税込)
    ISBNコード:9784065199992

    ディズニーの人気キャラクター・スティッチが、戦国時代にやって来ることを一体、誰が想像したでしょう?
    私自身、この異次元コラボレーションが想像できず、特にディズニー好き、スティッチ好きという年齢でもないので、わりと淡々と読み始めたのですが、今ではすっかりスティッチの虜(とりこ)になってしまいました!!

    夜の戦さ場で、家臣の忠告にも耳を傾けず「焼き討ちにしろ」と命を下した大和命尊(やまと めいそん)。女、子供が犠牲になろうが、天下取りのためには手段を選ばない殿さまとして恐れられていました。
    そんなとき突然、空から墜ちて来たのが、宇宙スクーターに乗ったスティッチでした。

    戦国武将たちから見るとスティッチは、単なる「青ダヌキ」。
    青ダヌキって!! 世界中の人々から愛されている人気者に対して失礼だわぁ~と思いながらも笑ってしまいました。

    変幻自在で怪力のスティッチに、「妖(あやかし)の類いか‥‥ッ!!」と家臣たちがざわめく中、命尊は今までにない感情が芽生えます。

    命尊はスティッチのことを天から降ってきた、つまり天に捨てられた1匹ということで、「捨て一」と名付けます。

    そして「捨て一」の境遇を、人質としてただ1人敵国に遣わされた自分とダブらせ、天に返してやろうとするのです。

    なるほど、命尊も徳川家康みたいに色々と苦労をして、ここまでのし上がってきたのだな。「捨て一」って名前もいかにもこの時代にありそう、と一瞬でも真に受けた私をバカかっ!!と笑いたい。
    すていち、ステイチ、スティチ、スティッチって、“まんま”でしょ!!

    家臣の前では滅多に笑わない命尊も、スティッチに対してはデレデレです。
    それはまるで、遠国から来た年端(としは)もいかぬ姫を娶(めとる)るようでもあり、我が子をあやすようでもあり。
    はっきり言ってスティッチだけが可愛いのではなく、命尊も可愛いのです。

    そんな2人の微笑ましいやり取りは、後世こんな形で残ることとなります。

    よくぞ、我が国ならではの、しかもこの時代ならではの洒落た「絵巻」を作ってくれたものよ!! と思ってしまいました。
    この「命尊捨て一御遊戯之図」シリーズは、本気で真面目にバカバカしいことをやっていて、もう最高です!!

    こうしてすっかり仲良しになった2人ですが、命尊は「捨て一」のふとした行動から、「捨て一」がただの青ダヌキではないことに気づきます。

    気づくの遅いよ! とツッコミを入れたいところですが、家臣たちから再び、「捨て一」は妖やバケモノの類ではないかと進言されても、命尊は動じません。それぐらい「捨て一」にゾッコンなのです。
    そういう私も1巻を読み終える頃には、もうスティッチにメロメロでした。

    みなさんもご存知のように、スティッチは悪の天才科学者ジャンバ博士が626番目に作った試作品エイリアン。銀河連邦からの逃亡中、日本に不時着したわけですが、正直よくぞ日本を選んでくれた!! と思ってしまいました。

    この『殿さまとスティッチ』は、日本の歴史や文化、戦国武将がどういうものかを知っているからこそ笑えるわけですから。

    実は次号の発売が待ちきれず、この続きが知りたくなった私は、講談社の公式サイトを見に行きました。

    すると、ちょこまか動く可愛いスティッチを発見!!!! 羽織袴のコスプレスティッチも発見!! こちらもメチャクチャ可愛いので、ぜひ、見に行ってみて下さい!!

    (レビュアー:黒田順子)


    ※本記事は、講談社コミックプラスに2020年7月23日に掲載されたものです。
    ※この記事の内容は掲載当時のものです。




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