'); }else{ document.write(''); } //-->
7月15日(水)、第25回日本絵本賞(主催:公益社団法人 全国学校図書館協議会)の受賞作品が発表されました。
大賞を受賞したのは、田中清代さんが『トマトさん』以来16年ぶりに作絵を手がけた絵本『くろいの』。“くろいの”という謎めいた存在とそれを見つけた女の子を描く、モノクロの銅版画で制作された作品です。
これまでに「ナミコンクール・パープルアイランド賞」「全国学校図書館協議会・選定図書」(2018年)、「小学館児童出版文化賞」(2019年)に選出されています。
ひとりで帰るいつもの道で、女の子が不思議ないきものをみつけます。どうやら、自分にしか見えていないみたいです。ある日、思いきって声をかけると、その“くろいの”は、台の上からおりてきて、とことこ歩きだしました。ついていくと、へいの穴からもぐりこんだのは、ほどよく古びた日本家屋。そこは、くろいのの家でした。
おしゃべりはしないまま、居心地のいい居間でお茶を飲んだあと、くろいのは女の子を、押し入れの中から屋根裏につれていってくれました。そこに広がっていたのは、暗闇の中にキノコやコケが光る幻想的な世界。ブランコやすべり台で思いきり遊んだあと、ふたりは大きな生きものの柔らかな毛なみにつつまれてぐっすり眠りました。お母さんの夢を見た女の子は、また、くろいのとともに居間にもどってきます。
わかれぎわ、くろいのは一輪の花をくれました。帰り道のとちゅうで、お父さんとばったり会った女の子は、ふたりでなかよく家にむかいます。ひとりでいるときの子どもの心に優しく寄り添ってくれる不思議な生きもの、くろいの。そのくろいのとわたしの愛おしくなる出会いを描いたあたたかな絵本。(偕成社公式サイトより)
著者インタビュー公開中!
・著者・田中清代さんインタビュー:一人でいる子どもの心に、優しく寄り添う生き物を描いた絵本『くろいの』
そのほか第25回日本絵本賞には、『なまえのないねこ』『金の鳥:ブルガリアのむかしばなし』『ぱんつさん』が選出されました。
『ぱんつさん』は、ギャグ漫画『サラリーマン山崎シゲル』でも知られるお笑い芸人・田中光さんが初めて手がけた絵本。お笑い芸人が同賞を受賞するのは初めてです。
八百屋や書店、パン屋、蕎麦屋、喫茶店などの飼い猫たちが、みんな持っている「名前」に憧れている、ひとりぼっちの猫。
ある日、お寺の猫に「自分で好きな名前をつければいいじゃない」と言われ、名前を探すことに。
名前のない猫が見つけた「ほんとうに欲しかったもの」とは?
愛猫家で猫が主人公の作品を多く発表している作家と、同じく愛猫家で猫の絵が人気の画家による猫愛に溢れた絵本。(小峰書店公式サイトより)くわしい作品紹介はこちら
・絵本『なまえのないねこ』:ひとりぼっちの猫が、本当に欲しかったものを見つける物語
美しい金の鳥をつかまえたいという王の命令により、金の鳥をさがす旅に出た3人の王子。
途中に出会ったおじいさんの忠告をきいた、優しくかしこい末の王子は…。(BL出版公式サイトより)
ずぼずぼずぼっとあらわれた、ぱんつさん。いっちに、いっちに、たいそうをはじめるけど…。想像を超える展開がクセになる本。(ポプラ社公式サイトより)
1995年にスタートした日本絵本賞は、1年間に日本で出版された絵本からすぐれた絵本に与えられる賞。
前回は、『もぐらはすごい』(作:アヤ井アキコ、監修:川田伸一郎/アリス館)が大賞を受賞しています。