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佐木隆三さんの小説『身分帳』を原案とした映画「すばらしき世界」が、2021年春に全国公開されることが決定しました。
主演は役所広司さんで、メガホンをとるのは、「ゆれる」「永い言い訳」「ディア・ドクター」「夢売るふたり」などで知られる西川美和監督。これまで一貫してオリジナル作品にこだわってきた西川監督が、徹底した取材によって自ら脚本も手がけ、初めて実在の人物をモデルにした小説の映画化に挑みます。
佐木さんは、直木賞受賞作『復讐するは我にあり』をはじめ、実際にあった事件・犯罪などをテーマにした小説やルポルタージュを多く執筆してきました。『身分帳』は、1990年に講談社から刊行され、伊藤整文学賞を受賞した作品。タイトルの「身分帳」とは、刑務所内の個人記録のことで、同作も実在の男性をモデルにしています。
戸籍もなく人生の大半を獄中で暮らした男が、出所して日常社会に戻ってから、どのように生きたか。純粋な魂の持ち主である彼の苦労と生きざまが精緻に描かれており、文庫版では彼の死の周辺を描いた「行路病死人」も読むことができます。
映画では、舞台を約35年後の現代に設定し、社会から置いてけぼりを食らいながらも、どこか憎めない魅力で人々とつながりながらまっすぐに生きる男の物語として描かれるそう。本作には役所さんのほか、仲野太賀さん、長澤まさみさん、橋爪功さん、梶芽衣子さん、六角精児さん、北村有起哉さん、安田成美さんらが出演します。
なお、7月15日(水)には『身分帳』が新カバーにて刊行予定。こちらに、西川監督が解説を寄せています。
映画「すばらしき世界」あらすじ
「今度こそ、まっとうに生きる!」
13年の刑期を終えた三上(役所広司)を待っていたのは、目まぐるしく変化する、想像もつかない世界だった! 三上に近づき、彼の姿を面白おかしく番組にしようする2人の若手テレビマン(仲野太賀&長澤まさみ)。まっすぐ過ぎるが故にトラブルばかりの元・殺人犯が、いつしか彼らの人生を変えてしまう……?!
役所広司×世界が絶賛する西川美和監督、初タッグ! めった刺し殺人犯の《人生再出発》エンターテインメント。
主演・役所広司さんのコメント
いつか西川監督作品に参加したいと思っていました。
三上という得体のしれない男の役を頂きました。面白さと難しさを感じました。
今日撮影したシーンを明日撮るシーンの手掛かりにしながら、最後までこの男はどんな人間なんだろう?と自分に問いかけていました。
人生のほとんどを刑務所の中で過ごした男が出所してから見た私たちの世界は、本当にすばらしい世界なんだろうか?
タイトルの『すばらしき世界』をお客様がどのように感じるのか? 楽しみです。
西川美和監督のコメント
「身分帳」は約30年前の小説ですが、これほど「人間と世間」を面白く描いた物語が埋もれていたとは、と映画化を決意しました。人生の大半を裏社会と刑務所で過ごしてきた主人公に役所広司さんを迎え、その男のやり直しの日々を現代に置き換えました。生々しくも温かい物語性と、役所さんの凄まじい人間的魅力に引っ張られ、濃密な人間ドラマが仕上がったと思います。
新型ウィルスの影響で、自由に歩き回ること、仕事を持つこと、人と触れ合いながら生きて行くこと、それらがどれほど得難いものだったかを実感する中で、ごく普通の人生を取り戻すことに四苦八苦する主人公が重なります。
世界中の映画作品が息の根を止められつつある中で、完成にこぎつけられた幸運に感謝しつつ、この作品を一人でも多くの方に届ける方法を考え、「映画を観る」ことの豊かさを伝えていければと思っています。
原案:佐木隆三著『身分帳』(講談社文庫刊)
脚本・監督:西川美和
出演:役所広司、仲野太賀、橋爪功、梶芽衣子、六角精児、北村有起哉、長澤まさみ、安田成美
配給:ワーナー・ブラザース映画
2021年春、全国公開予定
©佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会