• fluct

  • 『小説の神様 君としか描けない物語』佐藤大樹インタビュー:“まっすぐな一也に共感し、救ってあげたいと思った”

    2020年09月25日
    楽しむ
    日販 ほんのひきだし編集部 浅野
    Pocket

    〈スランプに陥り自分を見失ったナイーブな売れない小説家が、秘密を抱えた売れっ子小説家とベストセラーを目指す――〉

    映画『小説の神様 君としか描けない物語』で、主人公の“売れない高校生作家”を演じた佐藤大樹さん(EXILE/FANTASTICS)。

    形は違えど表現の世界で生きる佐藤さんは、苦しみ悩む「千谷一也」というキャラクターにどう向き合ったのか? 俳優としても勢いに乗るいま、演技への思いも話してくださいました。

    佐藤大樹(さとう・たいき)
    1995年、埼玉県生まれ。「EXILE」兼「FANTASTICS」パフォーマー。
    主な出演作にTVドラマ「シュガーレス」(2012)、「ワイルド・ヒーローズ」(2015)、舞台「錆色のアーマ」シリーズ(主演/2017~2019)、映画出演作に『HiGH&LOW』シリーズ(2016~2019)、『ママレード・ボーイ』(2018)、『センセイ君主』(2018)、『4月の君、スピカ。』(主演/2019)、CINEMA FIGHTERS project『魔女に焦がれて』(主演/2019)など。

     

    デビューから6年、経験を重ねて変化した「演技」への姿勢

    ―― 久保茂昭監督とは『HiGH&LOW』シリーズでもご一緒されていますよね。まずは、完成した映画をご覧になったときの感想をお聞かせください。

    シンプルに「久保監督、すごい!」って思いました。すぐにもう1回見たいと思ったくらい、率直に面白かったです。

    『HiGH&LOW』も斬新なアクションが話題になりましたけど、『小説の神様 君としか描けない物語』もまた、映画として新しいジャンルを作ったのではないかと思います。「久保監督、実はこういう青春ムービーも撮りたかったんだな」とも思いました(笑)。

    ―― 19歳でEXILEに加入してから6年、パフォーマーとしてだけでなく、俳優としても活躍されています。出演作を重ねてきて、ご自身で変わったなと思うのはどんなところですか?

    初めての時は、自分が今何をしているのかさえ分かっていなくて、よくスタッフさんに怒られていました。立ち位置とか角度とか、そういう基本的なところからできていなくて、「このセリフ何度目だろう……」と思いながら、ただただ必死だったという感じです。

    でもどんどんのめり込むようになって、今は本当に芝居が好きです。現場の小道具やスタッフさん同士の会話まで、とにかく映画のことは全部知りたい!と思うくらい。

    『4月の君、スピカ。』で座長を経験したのも大きかったかもしれないです。それまでは二番手の、恋も実らない役が多かったんですよね。でも『4月の君、スピカ。』では初めてヒロインと結ばれる役、しかも人生初のキスシーンにも挑戦しました。最年長ということもあって「自分が現場を引っ張らなきゃ」という意識も強くて、一人の俳優として、芝居に対するアプローチの仕方がガラッと変わったと思います。

    最近は、特に“受け”の芝居を意識しています。息の長い俳優になれるように、これからも頑張りたいです。

     

    「作品が酷評される辛さ」自分ならどう向き合う?

    ―― 今回演じた「千谷一也」はいかがでしたか?

    一也は、普段の自分とは真逆のキャラクターです。僕自身はポジティブなほうなので悩みも少ないし、悩んでもその日に忘れてスカッとしているようなタイプなんです。だから一也とは、声質もボリュームも、喜怒哀楽の出し方も全然違います。目が虚ろで、瞳に光がない感じも。

    でも、小説に対してまっすぐなところにはとても共感しました。人生を捧げて、没頭して取り組んだものを否定されたら、誰だってみじめに思うはずです。痛いほど気持ちがわかるし、そんな一也を救ってあげたいと思っていました。

    一也を演じるにあたっては、現場にいらっしゃった時に原作者の相沢沙呼先生にもいろいろ質問させてもらいました。「小説を全然評価されなかった時、担当編集者に『辞める』って言いますか?」「この物語には先生自身のこともかなり投影されていると思うんですけど、実際のお話を聞いてもいいですか?」って。小説家の仕事って表に出ない部分がかなりあると思うので、気になることがたくさんあったんです。

    それから、映画出演を機にご縁ができた『センセイ君主』の幸田もも子先生や、『4月の君、スピカ。』の杉山美和子先生にも、物語を作るうえでの苦労を知りたくてお話を聞きました。身近なところでは、お二人にも『小説の神様 君としか描けない物語』は観てほしいです。

    ――「精一杯やっているのに評価されない」「理想はあるのに今の自分では及ばない」という苦しい状況に陥った時、佐藤さんはどう立ち向かいますか?

    日々活動していて、「自分たちは自信満々だったのに、ライブでお客さんの反応が意外とよくなかった……」ということも、ちょっと不安だった新しいMVをすごく喜んでもらえることも、当然あります。いつもその繰り返しです。

    でも自分で「まだまだ」と思っているなら、ほかの人が寝ている時間にやるだけです。ダンスに置き換えて考えるなら、振付がうまく踊れなかったり、与えてもらった環境に実力が伴っていないのなら、僕は寝る間を惜しんでひたすら練習します。泣いたり悔しがったりしたところで、そこへ追いつくのは無理ですからね。

    ―― 一也は正反対ということですが、逆に、ご自身に似ているなと思うキャラクターは?

    九ノ里正樹です。明るい性格で友達も多くて、文芸部の部長で、満たされているはずなのに“主人公”ではない。順風満帆のようでいて実はどこかにコンプレックスがある人物なので、今の自分に通じるなと思います。

    ―― 橋本環奈さんが演じた小余綾詩凪についてはどうでしょう? 作家としても、同級生としても自分よりはるか“上”に感じる存在が、すぐ近くにいたらどう思いますか?

    う~ん。どうでしょう(笑)。でも、詩凪はライバルであり仲間なわけで、それって「EXILE」や「FANTASTICS」での活動にすごく似ているんです。「あいつよりいい作品を書きたい」と燃える気持ちもあるし、才能を認めて「一緒にいいものを作ろう」とも思える。そういう意味で、出会った以上、詩凪は一也にとってなくてはならない大切な存在だと思います。

    ―― 一也と詩凪のタッグは、また小説を書くでしょうか。

    書くと思います。それに、読みたいです。映画を観終わった時、その後の2人が早く見たいなと思ったので。

     

    俳優を目指すきっかけになった“物語”の存在

    ―― 本作の重要な要素である“物語”について伺いたいんですが、佐藤さんは物語によって自分の人生が動いた経験はありますか?

    香取慎吾さん主演の「人にやさしく」っていうドラマが、めちゃくちゃ好きです。俳優をやりたいと思ったのは、そのドラマがきっかけでした。

    当時7歳だった須賀健太くんが、香取さんや松岡充さん、加藤浩次さんに囲まれて「明」という男の子を演じていて、「僕と同い年でこんなに輝いているのか!」って悔しかったんです。ストーリーが素敵で「こういうことが僕の人生にも起きないかな」と憧れていたのもあって、かなり印象の強い作品です。「人にやさしく」があったから今俳優をやっているな、と思います。今でも時々見返しています。

    ―― 俳優として、これからどんな作品に挑戦したいですか。

    大好きな学園モノで生徒役もやってみたいですし、スポーツをやっていたので「ROOKIES」や「WATER BOYS」みたいなスポ根青春ドラマにも挑戦したいです。僕、本当に「WATER BOYS」が大好きで、ずっと自分も出演したいって思っているんです。チャンスがあるといいんですけど……(笑)。

    もちろんアクションムービーもまたやりたいし、サスペンスの探偵や殺人犯にも興味があります。いろいろビジョンを考えているところです。

    ―― 最後になりますが、実は今度、『小説の神様』原作者の相沢沙呼さんにもお話を伺うことになっているんです。映画が完成したいま、相沢さんに聞いてみたいことはありますか?

    相沢先生が映画を観て、一人の小説家として一番共感したシーンを聞きたいです。

    僕が個人的にグッときたのは、一也が母親と橋の上で会話するシーンですね。撮影が終わってつながった映像を観た時、観客としてものすごく感動しました。「自分もこういう言葉をかけてもらいたいな」と思った、背中を押してくれるシーンです。

    ヘアメイク:大木利保
    スタイリスト:jumbo(speedwheels)
    撮影:家老芳美

     

    映画『小説の神様 君としか描けない物語』作品情報

    ストーリー
    「僕は小説の主人公になり得ない人間だ」
    中学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない……自分を見失い思い悩むナイーブな売れない高校生小説家・千谷一也。一方、同じクラスの人気者でドSな性格でヒット作を連発する高校生小説家・小余綾詩凪。性格、クラスでの立ち位置、売れている、売れていない……すべてが真逆の男女2人に、編集者から下されたミッション――それは、2人で協力し、1つの物語を作り、世の中の人の心を大きく動かす大ベストセラーを生み出すことだった!
    凸凹な全く真逆の2人が反発しあいながらも物語を一緒に作っていくうちに、やがて彼は彼女の抱える大きな秘密を知ってしまう……。
    友情を超えて近づく2人の距離。悩み傷つきながらも、好きなことをあきらめずに挑戦し続けた先で、2人が生み出す〈物語〉の行方は――?

    佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS) 橋本環奈 佐藤流司 杏花 莉子 坂口涼太郎
    山本未來 片岡愛之助 和久井映見

    原作:相沢沙呼『小説の神様』(講談社タイガ刊)
    主題歌:「Call Me Sick」伶(Sony Music Labels Inc.)

    監督:久保茂昭
    脚本:鎌田哲生
    配給:HIGH BROW CINEMA

    10月2日(金)公開

    shokami-movie

    小説の神様
    著者:相沢沙呼
    発売日:2016年06月
    発行所:講談社
    価格:858円(税込)
    ISBNコード:9784062940344

    ©2020 映画「小説の神様」製作委員会




    タグ
    Pocket

  • GoogleAd:SP記事下

  • GoogleAd:007

  • ページの先頭に戻る